スマートフォンとは何が違う? jigletsの性能は?――「WILLCOM NS」の基本機能を検証「WILLCOM NS」レビュー(前編)(2/2 ページ)

» 2009年11月02日 23時39分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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「jiglets」のメーラー、スケジューラー、メモ帳をチェック

 メインメニューで「jiglets」を起動すると、初回にユーザーIDとパスワードを登録をうながされ、完了するとjigletが配置されたデスクトップ画面が表示される。初期状態ではサイトへのリンクや検索用のjigletが中心だが、メーラーやスケジューラー、メモ帳といったjigletをダウンロードすれば、PIM端末として問題なく利用できる。

photophoto 初期状態のjigletsでは検索サイトやウィルコム、東芝サイトへのリンクが登録されている。上部の検索ウィンドウにはさまざまな検索エンジンが登録されており、初期状態のままでも便利にインターネット上の情報を検索できる
photophotophoto jigletは画面最下段のjigletアイコンからjiglets Gallaryを選択してダウンロードできる。jigletはカテゴリー分けされており、PIM機能はツールカテゴリー内にある

 アドレス帳は現時点では提供されていない。今時はビジネスでもプライベートでも電話とEメールが連絡手段の主体となっており、通話用に別途ケータイを持つことを想定して不要と判断したのだろう。またシステム手帳側でカバーすべきだという判断ともいえる。

 メーラーはWindows Mobileと同じく、メールサーバのビュワーに近い位置付けだ。更新を実行すると一覧が更新され、見たいメールを選択すると本文が読み出される。更新は100通ずつ行われるが、電波状態が良好な場所ではウィルコムのパケット通信でも10秒もかからなかった。メーラーの起動時または一定間隔で自動更新され、最新の受信メールをほぼリアルタイムで確認できる。

photophotophoto メール受信に必要な設定はPCのメーラーとほぼ同じ。APOP接続やSSL接続も利用できる。メールの自動受信間隔は10分〜24時間の7段階から選べる

 ただし、Windows Mobileのメールと大きく異なる部分もある。Windows Mobileのメールはメールサーバから削除されると読めなくなってしまうが、WILLCOM NSのメーラーはjigのサーバに一覧や読み出した本文が一定量キャッシュされ、メールサーバから削除されたメールも、jigのサーバから本文にはアクセスできる。出先などで読み返したいメールは1度本文を読み出しておけば、PCで読み出してメールサーバから削除して問題ない。また、jigletsを終了しなければ、読み出したメールはローカルにもキャッシュされ、インターネットに接続しなくても閲覧できる。

 メールの閲覧機能はどうか。自動振り分け機能には対応していないが、送信元単位ではメールを一覧でき、特定相手からのメールを追うのも簡単だ。また、メール一覧から見たいメールをクリックすると本文を受信する。本文を閲覧した送信元を自動で記憶する機能もあり、送信元別の一覧も見られる。

photophotophotophoto 一覧では上部に送信元、下部にメールが一覧表示され、送信元をタップすると送信元別の一覧に切り替わる。簡易的な自動フォルダ分け機能ともいえる。読みたいメールをタップすると本文未受信のメールは自動的に本文を読み出してくれる。本文を閲覧したメールの送信元が、メール作成時に自動で一覧表示されるのも便利だ

 スケジュールはGoogleカレンダーと同期できるのが大きな特徴。もちろん一方的にインポートするのではなく相互に反映されるので、スケジュールの閲覧や修正、とりあえずの入力をWILLCOM NSで行い、PCでしっかり管理という使い方が可能だ。一定間隔での自動同期もできる。

photophoto スケジュールはディスプレイの高い解像度を生かし、カレンダーと選択日のスケジュール一覧、選択したスケジュールの詳細が1画面に表示される。日付や時刻は数字を選択して入力する

 メモ帳は手書きかテキストベースから選べる。シンプルな仕様は問題ないと思うが、画面をフルに使えない点が気になった。これはメモ帳に限らず本機のjiglet全般にいえることだが、縦長画面でも横長画面でもレイアウト変更なしで利用できるよう、画面サイズが制限されている。jigletは基本的にはハードウェアには依存しない関係もあるのだろうが、画面の中央部だけを使った表示は非常にもったいないと思う。

photophoto メモリは手書きかテキストから。テキストはソフトキーボードで入力する。シンプルな仕様だが、システム手帳に転記する前の一時的なメモという位置付けなのだろう

 ほかには、RSSベースの主要ニュースサイトのティッカーや時計、ストップウォッチなど、デスクトップアクセサリ関連のjigletがある。定期的な情報収集はRSSで、一時的なものは検索エンジンで済むとはいえ、もう少しインターネットを活用したjigletがあると嬉しい。

photophoto jigletを追加した画面。メールの未読数もアイコンで確認できる。サイト別に準備されたティッカーがRSSと違うのは、jigletsのデスクトップにも情報が表示されるところ。ティッカーをタップすると情報の一覧が表示される
photophoto RSSは当然ながら複数のフィードを登録可能。見た目も機能もシンプルだが、特に不便はない

 メールの添付ファイルやブラウザでダウンロードしたコンテンツはデータフォルダに保存される。保存されたコンテンツには「jiglets」からアクセスでき、トップメニューの「DataFolder」からアクセスする必要はない。またW-SIMでのダイヤルアップ接続と無線LANの切り替えは、画面上部のアンテナアイコンを選択すると設定画面を呼び出せる。

photophoto データフォルダにもjigletsからアクセスできる。ディスプレイの解像度が高いこともあり、PDFの視認性も良好だ

 後編ではブラウザ機能を中心にレビューする。

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