ドコモのスマートフォン「Xperia」は、日本向けにカスタマイズした大きなポイントとして、日本語入力システムに「POBox Touch 1.0」を採用している。POBoxはソニー・エリクソン端末ではおなじみの入力システムで、POBox Touch 1.0は、これをタッチパネルに対応させたものだ。今回はXperiaでどこまで快適に文字を入力できるか検証した。
Xperiaのソフトウェアキーボードは、QWERTYキーとテンキーの2種類が用意されており、初期状態ではQWERTYキーが設定されている。ソニー・エリクソンがQWERTYキーの使い勝手に注力し、独自のアシスト機能を採用している。このアシスト機能は、「A」「I」「U」「E」「O」の母音キーを大きく表示する「ワイド」、次に入力されるキーのみを表示する「ハイライト」、ワイドとハイライトを合わせた「ダイナミック」の3種類がある。
初期設定ではハイライトになっているが、筆者はダイナミックに設定している。ハイライトでも母音キーが大きく表示されるが、ダイナミックでは入力されない子音キーを消し、母音キーをさらに大きく表示してくれる。下記の画面を見比べてほしい。入力する文字によって母音キーのサイズが変わることに違和感を覚える人もいるだろうが、キーが大きく表示される方が誤入力を防げる。母音はよく使う文字なので、なおさらだ。
ダイナミックでは、何も入力していない状態では母音が大きく表示され、入力時は、その後に入力される確率の高い母音キーがさらに大きく表示され、入力されない子音キーは消えるかグレーアウトする。例えば、「お世話」と入力するときに「おs」を打つと、「E」が一番大きく、その次に「O」が大きく表示され、T、D、F、J、Kなどの使わない子音はグレーアウトする。その際、Eの隣にある「R」、Oの隣にある「P」は消える。
しばらくXperiaを利用していく中で、気になったことがある。まず、片手でQWERTYキーを入力すると、テンキーよりも誤入力の確率が上がること。筆者はiPhoneでは、テンキーのフリック入力を利用している。当たり前だが、テンキーよりもQWERTYキーの方がキーの数が多いので、キーあたりの面積が狭い。Xperiaも母音が大きく表示されるが、子音の大きさは一定なので、押し間違えることも少なくない。
POBox Touch 1.0のアシスト機能は確かに便利だが、母音キーを大きく表示する分、子音キーが小さくなるデメリットもあり、誤入力しやすくなる。アシスト機能を使わない「ノーマル」だと、全キーが均等の大きさで表示され、縦画面での横幅は約4.5ミリ。一方、ワイド、ハイライト、ダイナミックの場合、子音キーの横幅は約4ミリで少し狭くなる。筆者の場合、右端の「P」を「O」と誤入力することがよくある。
また、QWERTYキーの下には、カッコや句読点、「!」「?」などの記号を打てるキーがあるが、これも毎回正確に打つのは難しい。筆者は文末に必ず打つ「。」と、その右にある「?」を打ち間違えることがよくある。
もちろん、横向きの方がキーが大きく表示されて打ちやすいが、外出時、特に移動中は片手で使いたいので、縦表示でいかに快適に入力できるかは重要だ。片手で素早く入力するには、もう少し慣れが必要のようだ。
XperiaのPOBox Touch 1.0は、英語が予測変換されるのも特徴の1つ。1度入力した単語はもちろん、日本語と同様に、初めて入力する単語も推測してくれる。これはメールアドレスを入力するときにも便利なのだが、1つだけ困ることがある。英語の予測変換は「英文」の入力を前提にしているためか、候補の単語を選択すると、その後に必ず半角スペースが空いてしまうのだ。
したがってメールアドレスなど単語レベルで入力したいときは、この半角スペースを消す必要がある。筆者は最初、この仕様に気づかず、途中で半角スペースの空いた誤ったアドレスを入力してしまい、Webサイトにログインできないことが何度かあった。自動で半角スペースが空く仕様はオフにできる設定も欲しいと思う。
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