「Xperia」の目玉機能の1つが、メールやSNSなどのコミュニケーション履歴を一括で閲覧できる「Timescape」だ。発表会や取材などでTimescapeのデモは何度も見てきたが、実際の使い勝手はどうだろうか。その使用感をリポートしたい。
筆者は(日本の)XperiaがTimescapeに採用している「Twitter」「Facebook」「mixi」のいずれも使用しており、わりとマメに投稿したりコメントを残したりしている。どちらかというとアクティブなユーザーということもあり、Timescapeは楽しみにしていた機能だった。Xperiaを購入してからも、とりあえずTimescapeを使ってみようと考えていた。
Timescapeで閲覧できるコンテンツをカテゴライズすると、以下の8種類に分けられる。起動時は、これら8種類の新着情報がまとめて1ラインに表示され、左右にフリックするか、下部のアイコンをタップすると各コンテンツに切り替わる。
SNSを利用するには、各サービスのアカウントを登録する必要があり、登録すると、最新の更新情報が表示される。ただし自分が投稿した内容は表示されない。コミュニケーション機能のメッセージは、ドコモ端末同士でやり取りできるSMS。Eメールはアカウントを設定したアドレスで受信したメールが表示される。筆者はGmailを登録した。また、Timescapeはコミュニケーション履歴のビュワーというイメージが強いが、再生した音楽(ミュージック)と、撮影した画像と動画(カメラ)も表示でき、Mediascapeとも連携している。
SNSを登録して、さっそく使ってみた。
初期状態ではホーム画面の中央(起動したときに最初に表示される画面)にTimescapeウィジェットが表示されていたので、最初はそのまま使っていた。このウィジェットには、定期的に更新されるTimescapeの最新情報が表示される。筆者の場合、Twitterの更新頻度が最も高く、ウィジェットに表示されるのもTwitterの投稿がほとんどだ。
このTwitter、アイコンに写真や(本人の)似顔絵を設定している人はまだしも、筆者のフォロワーに「パンツ」のアイコンを設定している人がいたので、画面にでかでかとパンツのアイコンが表示されることが何度かあり、ホーム画面を開くたびにドキッとしてしまった。筆者のXperiaは人目に触れることが多いので、「これを見られるのはちょっと……」と思い、ひとまずTimescapeウィジェットは左のホーム画面に移動させた。
しかしTimescapeウィジェットを見るのに画面を1回フリックするのなら、Timescape自体をワンタッチで起動した方が手っ取り早いのでは……と思い、結局ウィジェットは消してしまった。
Timescapeに表示されるコンテンツは、「タイル」の集合体で構成されており、各タイルにTwitterのつぶやきやmixiの更新情報などが表示される。このタイルの動きは、ビデオを制作したほど開発陣がこだわったこともあり、なかなか面白い。起動したときにタイルが集まってくる様子や、バックキーを押してタイルが散り散りになる様子、上下にフリックしてタイルが流れる様子、左右にフリックして(TwitterからFacebookなどに)タイルが切り替わる様子など……この動きが見たくて何となく触ってしまう。
ただ、実用面では不満点もある。まず、1枚のタイルに表示される投稿の情報量は最大70文字なので、最大140文字のTwitterの投稿は途中までしか読めないことが多い。各タイルにはTwitterクライアントへ飛べるリンクがあるが、なるべく手間は減らしたいもの。また、TwitterとFacebookに表示できるタイル(投稿)はそれぞれ最大50件なので、フォロワーが多いと過去(51件目以降)の投稿が埋もれてしまい、Timescape上では閲覧できない。Timescapeは、あくまで“最新情報を取得する入り口”と考えた方がよさそうだ。
日本のSNSでは最もメジャーといえるmixiを利用できるのはうれしいが、表示される更新情報は、最大5件の日記と最大7件のアルバムのみで、mixiボイスは表示されない。日記よりも更新頻度が高い傾向にあるmixiボイスこそ、Timescapeに表示させてほしいと思う。mixiボイスのリニューアル後は、筆者のマイミクもボイスに投稿、コメントする人が増えている。
また、Timescapeで1画面に表示できるタイルは最大7枚。アイコンのない、より多くの表示が可能なリスト表示を設定できてもよかったと思うが、ソニー・エリクソンが思い描くグラフィックのテーマ「フロー」を表現できるのは“アイコン付きのタイル”と判断したのだろう。
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