URoad-7000は“WiMAX Speed Wi-Fi”機器だ。高速で快適なモバイルWiMAX通信を、複数台のPC、あるいはiPhoneやiPad、携帯電話、家庭用ゲーム機器などの無線LAN搭載デバイスで利用できる。
無線LANは、IEEE802.11b/g/nに対応する。特に3GやPHSも含めた携帯型無線LANルータにおいて、規格上、より高速に通信できるIEEE802.11nまで対応する機器はまだ少なく、IEEE802.11n対応無線LANモジュールを搭載するPCのほか、iPadやiPhone 4なども、高速なモバイルWiMAX通信と合わせてIEEE802.11n接続で利用できるのはポイントが高い。
また、2つのSSIDを個別に使える“マルチSSID”に対応し、11n+高セキュリティ設定の接続はPC、11g接続は家庭用ゲーム機というように使い分けられる。1つのSSIDあたり最大5台、合計10台まで同時接続が可能だ。もちろん、64/128ビットWEPやWPA-PSK(TKIP/AES)、WPA2-PSK(TKIP/AES)、SSIDステルス機能、MACアドレスフィルタリングといったセキュリティ機能もきちんと備えている。
URoad-7000とAtermWM3300Rで比較した同場所(ユーティリティによる電波状況は、RSSIが-42dBm、CINRが26dB)の実速度は、若干計測時刻の差など誤差範囲とも思われるがURoad-7000が若干高速だった。一方、第一世代のIntel WiMAX/WiFi Link 5150を内蔵するPCはアンテナ特性が優れるためか下りが優れる半面、PCの内蔵モジュールの上限が上り3Mbpsであるため上りがやや劣る結果となった。どれにせよ、ある程度良好の電波状況であれば上りも数Mbpsを余裕で実現できることが分かる。
さて、ワイヤレスデータ通信機能付きのモバイル無線LANルータが最近続々と登場しているが、3Gデータ通信は(都市部の良好電波状況であっても)実利用時は下りであっても4Mbpsを超えることはあまりないのが現状だ(また、通信キャリアによっては、通信速度の制限やネットラジオやSkype、インスタントメッセージングソフトなど、使用Webアプリケーション/ポートが制限される場合がある。
対してモバイルWiMAXはエリア内であれば、上りも下りも軽く4Mbps以上、場合によっては数十Mbpsもの速度で通信できてしまう。“WiMAX Speed Wi-Fi”という共通名称が示す通り、モバイルデータ通信に「スピード」を望むならモバイルWiMAXのほうが快適に使えるシーンが多いといえる。また、場合によっては局からやや遠いADSLサービス利用者など、固定ブロードバンド回線より高速であることもあるだろう。2010年6月現在、都市部を中心にWiMAXサービスエリアは日々拡大しているので、サービス初期につながらず、利用をあきらめた人も再度試してみてほしいところだ。単体で動作するURoad-7000SS(など)はそういったWiMAXチェッカーとしても使えてしまう(モバイルWiMAX非契約の場合もWiMAX網を経由したインターネットに接続でき、WiMAX契約サイト限定でアクセスできる。ここから即オンライン契約→使い始めることも可能だ)。
PCでは高速を生かした通信を「家と同じよう」に使うもよし、iPhoneやスマートフォンなどで「(おそらく)さらに高速な環境」で快適に高画質動画を楽しむもよし。外はもちろん、時には家でも、PCもWi-Fiケータイもスマートフォンも、家庭用ゲーム機も「URoad-7000」1つでインターネット通信を全部まかなえてしまえる──のは、使い勝手のほか、コスト面を含めて考えてもなかなかの魅力があるといえる。
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