第1回 最強の全部入りは? 本当に“持ちやすい”機種は?――Android18機種を横並び比較最新スマートフォン徹底比較(2011年夏モデル編)(2/4 ページ)

» 2011年08月26日 19時22分 公開
[田中聡,ITmedia]

持ち心地:ベスト・オブ・ラウンドフォルムは?

 上記ではあくまで数値上のサイズと重さを見てきたが、それらが必ずしも実際に持ったときの満足感につながるとは限らない。重量バランスによって数字よりも重く(軽く)感じることもある。ボディの太さはどこまで許容できるのか。長時間操作することを考えると、ボディ裏側や側面は丸みを帯びている方が手にやさしい。数字に表れる部分ではないだけに、どこまでラウンドしているかも重要だろう。タッチ操作を補助するディスプレイ下部にあるキーの操作性も使い勝手につながる。

 これらの点をふまえて、18機種の持ち心地を採点してみた。なお、この評価は感覚的な部分が含まれるので、当然ながら人によって評価は変わる。ここで行った評価には筆者の主観が含まれるので、あくまで1つの意見として参考にしてほしい。

 スマートフォンの形は似たり寄ったりではあるが、手にすると、持ち心地は機種によって大きく異なることが分かる。幅、薄さ、軽さは数字は持ちやすさに直結するが、どれほどラウンドしているかは実際に持たないと分からない。中でも特にうまくラウンドしていると感じたのが、F-12C、GALAXY S II、SH-13C、Xperia acro、INFOBAR A01、IS12SH、006SHだ。側面がうまく丸みを帯びているのはもちろん、4隅の角が削ぎ落とされているので、角を手に当ててもソフトな感じで全く気にならない。これら7機種の中で“ベスト・オブ・ラウンドフォルム”を選ぶとしたら、筆者は006SHを推したい。一見すると全体的な形はIS12SHと似ているが、006SHの方が裏面は丸くて持ちやすい。突起したサイドキーが手に当たるのが少し気になるが、それを除けば文句なし。非常に手にやさしいフォルムだと感じた。

 MEDIAS WPは薄さを最優先したためか、裏の側面はほとんど丸みを帯びてない上、4隅の角が手に当たるのが気になる。さすがに「痛い」というほどではないが、個人的にはあと2ミリくらい厚くしてもいいから、もう少し手にやさしい形状にしてほしいと思った。

 4.3インチという大型ディスプレイを搭載しているGALAXY S II(幅66ミリ)とP-07C/003P(幅67ミリ)は太さが気になった。P-07C/003Pはタッチスピードセレクターやサイズを自由に変えられるフィットキーなど、片手操作してもらうための工夫を盛り込んでいるが、メインターゲットの女性がこの幅をどこまで受け入れてくれるのかは気になるところだ。Xperia acroはXperia arcにも採用された独自の狭額縁設計により、4.2インチ液晶を備えながら幅は初代Xperiaと同じ63ミリを維持している。

 全体的な持ち心地が秀逸だったのは、Xperia rayとINFOBAR A01だ。Xperia rayは小型化を実現したことはもちろん、ラウンド形状で持ちやすく、ディスプレイ下部に所狭しと並ぶarc/acroと比べて、キーも広いスペースに並んでいて押しやすい。INFOBAR A01はボディ全体が丸く、手にしたときのスベスベ感が気持ちいい。伝統ともいえるタイルキーの押し心地も格別だ。ただ、このタイルキーはやや強く押す必要があるので、人によっては違和感を覚えるかもしれない。

photophotophoto 手で持った場合のサイズ感や角の当たり具合などの参考にしてほしい。左からF-12C、MEDIAS WP、Optimus bright
photophotophoto 左からGALAXY S II、SH-12C、SH-13C
photophotophoto 左からXperia ray、INFOBAR A01、IS11CA
photophotophoto 左からXperia acro IS11S(SO-02Cも同じ形状)、IS11SH、IS12SH
photophoto 左から003P(P-07Cも同じ形状)、006SH
photophoto 左から007SH、008Z
photophotophoto 裏〜側面がどこまで丸みを帯びているか、角がどこまで削がれているかをチェックしてほしい。左からF-12C、Optimus bright、MEDIAS WP
photophotophoto 左からGALAXY S II、SH-12C、SH-13C
photophotophoto 左からXperia ray、INFOBAR A01、IS11CA
photophotophoto 左からXperia acro IS11S(SO-02Cも同じ形状)、IS11SH、IS12SH
photophoto 左から003P(P-07Cも同じ形状)、006SH
photophoto 左から007SH、008Z
持ち心地の評価
裏面〜側面のラウンド 薄さ 軽さ ディスプレイ下のキーの押しやすさ 感想
F-12C グローブ・トロッターの旅行カバンをイメージしたという角の丸みが絶妙。防水対応ながら軽くて持ちやすい。
Optimus bright L-07C 裏面は丸みを帯びているが、側面のラウンドが足りないので、手に当たってやや気になる。軽くて持ちやすい。
MEDIAS WP N-06C × 裏の側面が角ばっている上に、角がそぎ落とされていないので、持ったときに手のひらに当たるのが気になる。
P-07C/Sweety 003P ラウンド形状はまずまずだが、やはりボディの大きさが気になる。キーは面積が小さい分、押しやすい。
GALAXY S II SC-02C 幅が広いのが気になるが、突起も少なく丸みを帯びているので持ちやすい。
AQUOS PHONE SH-12C 角があまりそぎ落とされていないのはマイナス。裏面のカメラが人差し指に当たるのも気になる。丸型のホームキーは狙い打ちしやすい。
AQUOS PHONE f SH-13C 丸みを帯びていて角もそぎ落とされているので持ちやすい。小型ボディもよい。
Xperia acro SO-02C/IS11S Xperiaから継承されているラウンドフォルムは健在。キーが下部先端近くにあるので、指の移動量が増す。また画面の間下にキーがあるので、キーを押すつもりが画面下の項目を選んでしまうこともしばしば。
Xperia ray SO-03C 細さと軽さのインパクトが絶大。表面4隅の角がやや気になるが、他は丸みを帯びていて持ちやすい。キーはarc/acroよりも余裕を持って配置されていて押しやすい。
INFOBAR A01 裏面、側面、角は適度に丸みがかかっているので持ちやすく、手にフィットする。側面に無駄な要素がないのも好印象。タイルキーの押し心地もよい。
G'zOne IS11CA ゴツイイメージがあるが、適度に角がそぎ落とされているので持ちやすい(右上のイヤフォンジャックカバーの突起が指に当たるのがやや気になった)。ラバー状のリアカバーは滑り止めの効果もある。
AQUOS PHONE IS11SH × 側面と4隅が角ばっているので、手に当たるときに気になる。スライドを開くとやや重さが増す感がある。
AQUOS PHONE IS12SH 全体的にラウンド形状となっているので持ちやすい。キーは細長いので押しやすい。
AQUOS PHONE 006SH ラウンド形状へのこだわりが感じられ、非常に手にやさしい。カメラレンズも上の方にあるので手に当たらない。サイドキーが指に当たって気になるのが残念。
AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH 裏側はうまくラウンドしているが、角が尖っているのが気になる。ディスプレイ下のセンサーキーは小さいが、よくここに搭載したとみるべきか。
シンプルスマートフォン 008Z 全体的に丸みを帯びていて持ちやすい。デザインはシンプルだが面白味に欠ける感も。

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