この夏は、フィーチャーフォン(従来のケータイ)からスマートフォンへのシフトが本格的に進み、もはや携帯電話の主役はスマートフォンに移り変わったと言っても過言ではない。実際、各キャリアの新製品を見ると、半分以上がスマートフォンで占められており、そのほぼすべてがAndroid搭載機となっている。5月から8月に発売された、または発売予定のスマートフォンは実に20機種以上にも及ぶ。ここまで数が多いと、比較検討するだけでも一苦労。どの機種に乗り換えればいいのか、迷っている人も多いだろう。
そこで、本コーナーではドコモ、au、ソフトバンクの夏モデル計18機種をピックアップし、基本性能や使い勝手、ベンチマークテストなどを通して優れたモデルを導いていきたい。カタログからは分からない、実際に触れてみて見えてきた魅力や不満点も盛り込んでいく。これから夏モデルを入手する予定の人は購入の参考に、購入済みの人は自分の機種の実力を図る参考になれば幸いだ。なお、Xperia rayのみ試作機を使用している。
今回取り上げるモデルは以下のとおり。
上段左からドコモの「F-12C」「Optimus bright L-07C」「MEDIAS WP N-06C」「P-07C」「GALAXY S II SC-02C」「AQUOS PHONE SH-12C」「AQUOS PHONE f SH-13C」「Xperia acro SO-02C」「Xperia ray SO-03C」。下段左からiidaの「INFOBAR A01」、auの「G'zOne IS11CA」「Xperia acro IS11S」「AQUOS PHONE IS11SH」「AQUOS PHONE IS12SH」、ソフトバンクの「Sweety 003P」「AQUOS PHONE 006SH」「AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH」「シンプルスマートフォン 008Z」まずはOS、チップセット、サイズ、重さからみていこう。OSは全モデルともにAndroid 2.3を搭載しており、発売時期が比較的遅かったF-12C、SH-13C、008Zが最新のAndroid 2.3.4となっている。
CPUのクロック周波数はいずれも1GHzを超えているほか、GALAXY S IIとP-07C/003P、Optimus brightを除くモデルはQualcommの第2世代Snapdragonを採用しており、さらに高いパフォーマンスと省電力を実現している。SH-12C、SH-13C、INFOBAR A01、IS11SH、IS12SH、006SHのCPUは1.4GHz駆動で、さらなる高速化を果たしている。この中で突出しているのは、唯一のデュアルコアCPUを備えるGALAXY S IIだ。デュアルコアはAndroid 3.xのタブレットでは一般的だが、スマートフォンでは珍しい。その実力は、別途掲載するベンチマークテストの結果も参考にしてほしい。
4インチ前後のディスプレイを備える機種が多いスマートフォンはサイズが大きくなりがちだが、フィーチャーフォンとほぼ同サイズの007SHや、Walkman(Aシリーズ)を一回り大きくした程度のXperia rayなど、小型化に注力したモデルも増えつつある。Xperia rayは幅(53ミリ)、高さ(111ミリ)ともに18機種の中で最小。厚さでは、防水やワンセグ、FeliCaなどに対応しながら最薄部7.9ミリというMEDIAS WPが目を引く。F-12C(最薄部9.8ミリ)、GALAXY S II(最薄部8.9ミリ)、L-07C(9.5ミリ)、Xperia ray(最薄部9.4ミリ)も薄い。

ドコモ向けXperia acro SO-02C(下)とau向けXperia acro IS11S(上)のデザインは同じ。違いは裏側右下のロゴのみ。IS11Sには「au by KDDI」と「Google」、SO-02Cには「NTTdocomo」のロゴがある(写真=左)。歴代のXperiaを比較。左からXperia、Xperia acro、Xperia arc、Xperia ray。rayの小ささが目を引く(写真=右)

ドコモのP-07Cとソフトバンクの003Pは、「NTTdocomo」と「SoftBank」のロゴと側面のカラー以外は同じデザインとなっている(写真=左、中)。女性向けのスマートフォンとして訴求されているP-07CとXperia rayを比較。2機種ともコンセプトが違うが、ここまでサイズが異なるのも興味深い(写真=右)| OS | チップセット | サイズ(幅×高さ×厚さ) | 重さ | |
|---|---|---|---|---|
| F-12C | Android 2.3.4 | MSM8255(1GHz) | 約60×119×9.8(最厚部約10.5)ミリ | 約107グラム |
| Optimus bright L-07C | Android 2.3.3 | OMAP3630(1GHz) | 約64×122×9.5ミリ | 約112グラム |
| MEDIAS WP N-06C | Android 2.3.3 | MSM8255(1GHz) | 約64×128×7.9(最厚部約9.7)ミリ | 約113グラム |
| P-07C | Android 2.3.3 | OMAP3630(1GHz) | 約67×128×14ミリ | 約139グラム |
| GALAXY S II SC-02C | Android 2.3.3 | S5PC210(1.2GHz)デュアルコア | 約66×126×8.9(最厚部約10.3)ミリ | 約120グラム |
| AQUOS PHONE SH-12C | Android 2.3.3 | MSM8255(1.4GHz) | 約64×127×11.9(最厚部約13.8)ミリ | 約138グラム |
| AQUOS PHONE f SH-13C | Android 2.3.4 | MSM8255(1GHz) | 約60×119×10.9(最厚部約11.5)ミリ | 約121グラム |
| Xperia acro SO-02C | Android 2.3.3 | MSM8255(1GHz) | 約63×127×11.8(最厚部約12.3)ミリ | 約135グラム |
| Xperia ray SO-03C | Android 2.3.3 | MSM8255(1GHz) | 約53×111×9.4(最厚部約9.6)ミリ | 約100グラム |
| INFOBAR A01 | Android 2.3.3 | MSM8655(1.4GHz) | 約63×118×11.8(最厚部約12.1)ミリ | 約113グラム |
| G'zOne IS11CA | Android 2.3.3 | MSM8655(1GHz) | 約66×129×14.5ミリ | 約155グラム |
| Xperia acro IS11S | Android 2.3.3 | MSM8655(1GHz) | 約63×127×11.8(最厚部約12.3)ミリ | 約135グラム |
| AQUOS PHONE IS11SH | Android 2.3.3 | MSM8655(1.4GHz) | 約56×117×15.5ミリ | 約148グラム |
| AQUOS PHONE IS12SH | Android 2.3.3 | MSM8655(1.4GHz) | 約64×130×12.5ミリ | 約145グラム |
| Sweety 003P | Android 2.3.3 | OMAP3630(1GHz) | 約67×128×14ミリ | 約139グラム |
| AQUOS PHONE 006SH | Android 2.3.3 | MSM8255(1.4GHz) | 約64×130×13ミリ | 約139グラム |
| AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH | Android 2.3.3 | MSM8255(1GHz) | 約51.8×113×16.8(最厚部約19.3)ミリ | 約140グラム |
| シンプルスマートフォン 008Z | Android 2.3.4 | MSM8255(1GHz) | 約62×119×13ミリ | 約133グラム |
| ※スペックは2011年8月26日時点のもの。 | ||||
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