NTTドコモのRIM(Research in Motion)製スマートフォン「BlackBerry Bold 9900」は、OSに最新の「BlackBerry 7.0」を搭載したグローバルモデル。同シリーズは法人導入や海外渡航の多いビジネスマンを中心に一定の支持があるスマートフォンで、打ちやすいQWERTYキーボードを搭載した独特のデザインと、メールやスケジュール管理に特化したユーザーインタフェース(UI)、リアルタイムなコミュニケーションを目指した独自の通信サービスなどで好評を博してきた。
最新の9900はBlackBerryのハイエンドモデルであり、これまでのビジネスシーンに特化した方向性から、エンターテインメント性も強く打ち出している。Webブラウザの高速化や音楽再生機能の充実、更に各種UIの操作性向上など、昨今のユーザーがスマートフォンに求める機能や性能を、高いレベルで凝縮している。
BlackBerry最大の特徴と言えばQWERTYキーボードだが、9900ではその操作性も向上した。クリック感を大切にしてしっかりとした押し心地があり、小さいながらも扱いやすくタイプミスの少ないキーボードを実現。ディスプレイは2.8インチVGA液晶(640×480ピクセル、1677万色表示)と横長で、ほかのスマートフォンよりも表示できる情報量は少ないものの、発色や視認性が非常に良く非常に見やすい印象を受けた。
9900はディスプレイのタッチパネル操作にも対応した。静電容量方式を採用しており、非常に快適な操作性が確保されている。もちろん、従来通りのトラックパッドによる操作も可能だ。キーボード部やトラックパッド周辺などはLEDで光るようになっており、暗いところでも操作がしやすいのも非常に良い点。とことん操作性にこだわり抜いた端末であると言える。
本体サイズは約115(高さ)×66(幅)×10.5(厚さ)ミリで重さは約130グラム。若干横幅があるものの、厚さが非常に薄くなりさらにエッジへ向けて緩やかな傾斜が付いた。持ちやすさとキーボードの打ちやすさは従来機以上だ。本体デザインは高級感が更に増し、本体周辺を囲むベゼル部分はヘアライン加工を施したステンレス素材を用いた。背面パネルにはカーボンファイバー風のクリアデザインが施され、存在感を示している。
9900に搭載されるBlackBerry 7.0は、「Liquid Graphics」と呼ばれる新開発の描画エンジンを内蔵している。Liquid Graphicsが描き出すUIはすべて60fpsで動作し、指に吸い付くようなスムーズな操作感を実現しているのがポイントだ。CPUにはシングルコアの米Qualcomm製Snapdragon MSM8655(1.2GHz)が採用されているが、昨今の流行であるデュアルコアの端末と比べても全く遜色がない。OSが異なるため単純な比較はできないが、むしろこちらの方がより快適で操作性も格段に良いと感じる場面は多々あった。
WebブラウザはWebkitベースでHTML 5にも対応し、マルチタッチ操作が可能。タッチパッドのピンチイン・ピンチアウト操作やフリックによるスムーズな操作が行え、ブラウザは非常に操作性が軽く処理も高速でストレスを全く感じさせなかった。ブラウザの動作速度はBlackBerry 6.0から7.0になって、約45%高速化したという。
カメラには500万画素CMOSが採用され、オートフォーカス(※)とフォトライトにも対応した。カメラの起動や撮影した写真の保存なども一瞬で、まったくストレスを感じさせない。動画撮影機能はHD画質(720p)まで対応し、こちらも撮影開始から保存まで全ての処理が高速。あまりの速さに、正しく保存されているのか最初不安になるほど。
メモリー容量は比較的大容量の768Mバイトを確保。内部ストレージにも8Gバイトを確保し、更にmicro SDHCカードで32Gバイトまで対応する。バッテリー容量は1230mAhと標準的な大きさになっており、シングルコアのCPUという事もあり、バッテリー不足で不安なる事はあまりなさそうだ。
通信方式ではFOMAハイスピードに対応し、下り最大14Mbps/上り最大5.7Mbpsでの通信が可能だ。またテザリングにも対応する。その他GPS、Bluetoothなどを搭載。spモードやエリアメールなどに対応するが、赤外線やおサイフ機能、ワンセグなどの国内端末で標準化されている機能には対応していない。また新しくドコモがサービスを開始するdマーケットなどにも非対応となっている。
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