KDDIのモトローラ・モビリティ製Androidスマートフォン「MOTOROLA PHOTON ISW11M」は、auのCDMA2000 1x EV-DO Rev.Aと+WiMAXに対応しており、3G通信時は下り最大3.1Mbps/上り最大1.8Mbps、WiMAX通信時は下り最大40Mbps/上り最大10Mbpsの高速通信が行える。WiMAXインフラを提供しているUQコミュニケーションは、12月中旬にWiMAXの上り速度を最大15.4Mbpsに高速化する方針で、ISW11Mもアップデートによって上り速度が向上する予定だ。
では、ISW11MのWiMAXはどれくらいの通信速度で利用できるのか、「Speedtest.net Mobile」を使って調べてみた。測定は、比較的安定してWiMAXが圏内表示になる千代田区大手町の屋外で平日の夜間に行ったが、場所も時間帯も固定なのであくまで参考値としてほしい。
WiMAX通信時の測定では下り速度が1294kbps〜3653kbpsと差が出たが、平均すると2Mbps台で通信できるようだ。また上り速度が2571kbps〜2940kbpsと、下りよりもかなり速く、ping値が100ms台と低遅延なのも特徴的だ。
比較として、WiMAXを切った3G通信(EV-DO Rev.A)のみの測定も行っている。下り速度は2537kbps〜2632kbpsと安定していて、なんとWiMAXよりも速い2.5Mbps台で通信できた。一方、上り速度は789kbps〜928kbpsと1Mbpsを超えることはなく、ping値もWiMAXから30%ほど遅くなっている。
WiMAXについては、駅のホームや見晴らしの良い交差点では5Mbps〜7Mbpsとかなり高速で接続するケースもあった。エリアはだいぶ広がっているが、環境によってかなり速度に差がでるという印象だ。上り速度は安定的に速く、カメラ画像など重たいデータを送信する際には便利だ。
+WiMAXはauのスマートフォンでWiMAXを使うためのサービスだが、契約するとWiMAXだけでなく3G通信でもテザリングも定額になるというメリットもある。
ISW11Mのホーム画面にはテザリングの設定画面を呼び出すアプリがあり、ここから設定を行う。ホーム画面にはWi-FiやWiMAXを切り替えるウィジェットがあるが、テザリングをワンタッチでオン/オフするウィジェットはプリセットされていなかった。
テザリングで接続できるWi-Fi機器は最大8台だが、接続台数を2台目から1台ごとに決められる。無線LANの暗号方式は“なし”か“WPA2 PSK”のみなので、WEPにしか対応しない機器では、暗号化なしで接続するしかない。なお、MACアドレスによるデバイス制限も可能だ。
WiMAXのテザリングではどれくらいの速度でネットが利用できるのか、WiMAXで“親機”になったISW11MにほかのスマートフォンからWi-Fi接続して速度を測ってみた。測定アプリはSpeedtest.net Mobileだ。連続9回の測定では下りが551kbps〜1293kbps、上りは1344kbps〜2035kbpsと、ISW11M単体で使うよりも半分くらいの速度に落ち着いた。
ISW11MはWi-Fiだけでなく、PCなどからUSBテザリングすることもできる。PCから電源供給が受けられるため、端末のバッテリーが少ない場合や、Wi-Fiを使いたくない場合に便利だ。
USBテザリング時の通信速度を「Radish Network Speed Testing」で測定すると、WiMAX利用時で1.289Mbps〜3.081Mbpsという結果になった。端末単体での通信とほぼ同じ速度で利用できるようだ。
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