スマホの電池切れ モバイルバッテリーによる“自衛”が不可欠(2/2 ページ)

» 2012年05月31日 23時16分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
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ケーブル着脱の手間をなくすワイヤレス充電規格「Qi」

photo おくだけ充電に対応した「ELUGA V P-06D」

 パナソニックが力を入れるもう1つのバッテリー関連製品が、スマートフォンの「おくだけ充電」でおなじみのワイヤレス充電規格「Qi」。2011年夏にQi対応のチャージパッドを発売以来、Qi対応のモバイルバッテリーなどバリエーションを増やしている。2月には、Qiのチャージパッドを内蔵したBlu-ray Discレコーダー“ブルーレイディーガ”を発売し、この夏モデルのスマートフォンでは「ELUGA V P-06D」がQiに対応した。

 おくだけ充電についてはドコモも普及を進めており、体験コーナーとしてANAの国内線ラウンジやロイヤルパークホテル、三越デパート、てもみん、PRONTOの一部店舗など81カ所に約900台のチャージパッドが設置されている。これに加えてパナソニックも、タリーズやWIRED CAFE、ファミリーマート、スリーエフなど7法人の店舗約90カ所へのチャージパッド導入を発表した。今後、全国500カ所に順次展開していく予定だ。今回の説明会が開催された東京・渋谷の「JINNAN CAFE」(東京都渋谷区神南1-17-5 クーラビル)でも、“パナソニックチャージCAFE”として無料の充電サービスを6月10日まで実施する。

photophoto 天板にQiのチャージパッドを内蔵したブルーレイディーガ「DMR-BZT920」

 吉田氏は「Qiの無接点充電パッドは、2015年に1000万台規模の市場に成長する。スマホのバッテリー問題は国内だけでなく、海外市場でも課題となっている。モバイルバッテリーとQi関連の製品ニーズは、全世界で高まっていくだろう。アジアを皮切りに、グローバル市場へ積極的に展開したい」と、意気込みを語った。

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電池パックの進化は止まった 外部電源で“自衛”を

photo 携帯電話研究家の木暮祐一武蔵野学院大学准教授

 説明会には、携帯電話研究家で武蔵野学院大学准教授の木暮祐一氏がゲストとして招かれた。木暮氏は携帯電話のバッテリーについて、「30年以上前から携帯電話を研究・収集しているが、ケータイの歴史は電池パックの進化の歴史でもある。しかし、ここ4〜5年は小型化と大容量化があまり進んでおらず、停滞気味」と分析。震災で携帯電話やスマートフォンが充電できなくなったユーザーが多かったことも踏まえ、「端末が内蔵する電池パックの進化が期待できない以上、外部電源を持ってバッテリー切れに備えるしかない」と指摘する。

 また大学生を対象にしたスマホの節電アンケートについても触れ、「ディスプレイ照明をなるべく暗くする、GPSやデータ通信をオフにする、アプリをなるべく使わないなどの解答が目立った。なかには、端末を使わない、そもそも電源を切っておくなど、通信機器の存在意義を否定してしまうような、涙ぐましい努力をしている学生もいる」と述べた。

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 そうした学生らに、パナソニックのモバイルバッテリーを試用してもらったところ、反応は上々。過度な節電をしなくてよくなっただけでなく、カラーやデザインへの評価も高かった。また、常に4〜5台のスマートフォンやタブレットを持ち歩く木暮氏自身は、最も容量が大きい「QE-QL301」が気に入っているという。

 「発売前にお借りして使っているが、容量に余裕があって複数台持ちの身にはありがたい存在。これまでの大容量バッテリーというと“ようかん”型でバッグに入れるとかさばったが、これ(QE-QL301)はボディが薄くビジネスバッグ向きで、すっきりと持ち歩ける。ヘビーユーザーの皆さんにはお勧めです」(木暮氏)

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