ウェザーニュースタッチ 「空でつながる」コンセプトの真相(後編)ソーシャルがインフラとなる日(1/2 ページ)

» 2012年08月16日 08時30分 公開
[松村太郎,ITmedia]
Photo 新しくなったウェザーニュースタッチ

 ウェザーニューズが7月30日に実施した、iPhone・Android向けの天気アプリ「ウェザーニュースタッチ」の大幅なリニューアルでは、空の写真を投稿する機能を強化し、大きく前面に押し出した。従来通りの詳細な気象情報も各チャンネルで確認できるが、アプリ立ち上げ時の画面が大きく変わっている。

 この変更の意図については、前編で詳しく聞いた。その狙いは、ウェザーニューズへの情報投稿のハードルを下げることにあった。ウェザーリポートの投稿は、これまで有料会員に限られていたが、無料会員でも投稿できるようにしたことで、リポートを送る人の数は3倍の100万人以上、投稿数は10倍の1日3万件と飛躍的な伸びを見せた。

 だが、こうして集めたデータを、ウェザーニューズはどうしようとしているのか。後編では、アプリをリニューアルしてから、「第2章」と位置づけるウェザーニューズのモバイル戦略はどこへ向かおうとしているのかを、ウェザーニューズ 取締役の石橋知博氏と、システム開発本部長の西祐一郎氏に話を聞いた。

PhotoPhoto ウェザーニューズ 取締役の石橋知博氏と、システム開発本部長の西祐一郎氏

「ざわざわ感」が鍵――8年間の経験を生かすコミュニケーション

 満月、ペルセウス座流星群など、新しいウェザーニュースタッチには、「空」に関するイベントがプッシュ通知で送られてくる。これに答える形で、ユーザーは空の写真やリポートを、アプリを通じてウェザーニューズに返す。そんなコミュニケーションはスマートフォンになってから始まったものではなく、2004年のカメラ付きケータイ向けにスタートしたウェザーリポートに遡ることができる。

 石橋氏は天気、気象というコンテンツの特徴について、次のように語る。

Photo

 「空は、万人に共通しているものです。天気というコンテンツは、知れば知るほど損しない対象であり、広く、浅く展開しているものでもあります。もともと、テレビの前にいなくても、いつでもケータイで見られるという点で、天気はモバイルとの特性が高いコンテンツでした。そして同時に、天気予報アプリは世の中に星の数ほどあります。天気がいつでも手軽に見られればいいという、モバイルでの根本的なニーズに応えつつ、ウェザーニューズとして、どのように特徴付けていくのか、考えていく必要があります」(石橋氏)

 そのキーワードとなるのが、コミュニケーションとビッグデータだ。

 ウェザーリポーターによって気象情報を双方向化する取り組みは、ゲリラ雷雨の分析や桜前線の実測など、これまで気象庁が出してきた情報よりも高い精度での観測を可能にしつつある。これは、気象予報士とサービス運営を行うスタッフが一体となって、8年間に渡ってコミュニティ運営をしてきたノウハウによって支えられている。

 特に、レーダーなどでは捕捉しきれない局地予報については、ウェザーリポートを分析することで可能になっているという。例えばウェザーリポートでは雨を「ぱらぱら」「ぽつぽつ」「ゴー」といった雨音で報告することができる。レーダーによるデータや実測値が上がってきていなくても、同じようなエリア、例えば山の北側斜面といった局地的な場所で同じリポートがいくつか挙がってくると、周辺のエリアに注意を促すことができるようになる。

 こうしたトレンドを経験しながら情報をユーザーからもらい、その情報をユーザーにフィードバックするプロセスを重ねていくことで、トレンドから気象の予測に結びつけることができるようになる。これを石橋氏は「ざわざわしている場所に、必ず気象イベントがある」と表現する。「ざわざわする」というのは、前述の“ウェザーリポートが増える状況”を表現したもの。必ずしも何か異変を感じたというリポートでなくても、いつもと違うことが起きている、あるいは起きつつあるエリアでは、リポートが増える傾向があるという。そうしたざわざわしている場所にさらにリポートを促すことで、よりたくさんの分析に役立つ情報が集まるようになる。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月11日 更新
  1. Suica、JRE POINTのキャンペーンまとめ【5月9日最新版】 ポイント3倍や2万ポイント還元あり (2026年05月09日)
  2. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  3. なぜドコモは「値上げ」に踏み切れないのか? 背景にある通信品質、5G設備投資の遅れが足かせに (2026年05月09日)
  4. Huaweiシェア1位奪回の切り札、「Enjoy 90」が登場 (2026年05月10日)
  5. KDDIローミングを切られた楽天モバイルエリアは大丈夫なのか――大型連休のオススメスポット「イオンモール津田沼サウス」に行ってきた (2026年05月10日)
  6. 楽天モバイルの「Pixel 10a(128GB)」、MNP+ポイント還元で実質1万3760円【スマホお得情報】 (2026年05月08日)
  7. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【2026年5月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年05月07日)
  8. スマホカメラは「スペック」から「体験」へ 外付けレンズやブランド協業に活路を見いだす中国メーカー (2026年05月07日)
  9. 【3COINS】3080円の「コンパクト折りたたみキーボード」 複数機器に接続できるマルチペアリング対応 (2026年05月10日)
  10. ソニーが新型「Xperia」の発表を予告、5月13日にYouTubeで独占配信へ (2026年05月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年