iPhoneってカメラの細かいスペックがデジカメほど公開されてないし(まあこれは他のスマホも同様だが)、機能がシンプルにまとめられているので、デジカメに慣れている人にはiPhoneのISO感度ってどうなっているのだろう、レンズスペックはどうなっているのだろう、ホワイトバランスは変えられないのだろうか……などなど疑問に思うところがあると思う。
だからデジカメ的視点で見たiPhoneのカメラ機能ってことでよろしく。
A::変えられません。800万画素(3264×2448ピクセル)固定です。インカメラは120万画素(1280×960ピクセル)固定となります。変えたい人もいるかもしれないけど、そういう人はアプリを使ってくださいということで。
A:iPhone4Sと5はF2.4固定です。スマホはだいたいそうだけど、絞り値は固定で、シャッタースピードとISO感度で露出をコントロールします。
A:35ミリフィルム換算で33ミリ相当です。ちょっと広角め。
このあたりはiPhoneで撮った写真を、EXIF情報対応のソフトで見ると確認できます。EXIFはデジタルカメラで撮った写真につける撮影情報の規格。どのデジカメもEXIF規格に対応しているので、あとからどんなセッティングで撮ったのかがだいたい分かります。
A:iPhone5で試してみたところ、だいたい7〜8センチまでちゃんとピントが合ったので、撮影最短距離はそのあたりかと。
A:感度はオートのみです。下限はISO50。上限はISO3200まで確認しています。だいたいシャッタースピード1/20秒くらいまで落ちるとISO感度が上がっていくようです。ちょっとでも暗いときは手ブレに気をつけてください。ISO3200まで上がればたいていのシーンはなんとかなります。
多くのスマホやコンパクトデジカメはISO感度を上げすぎると画質が劣化するので、ISOオートでの上限をもう少し低めに押さえていますが、わたしは画質が多少劣化しても手ブレしちゃうよりはましだと思っているので、iPhone5のこの仕様は素晴らしいと思っています。
A:ありません。よって、ちょっと暗いとぶれやすいので注意。入れて欲しいなあ、と思う機能のひとつ。
A:できませんが、この連載で紹介した通り、指でタッチしたところにピントと露出を合わせるので、タッチAF/AEを使えばある程度コントロールできます。それでうまくいかないときは、AF/AEロック機能を。
A:ホワイトバランスはオートのみです。
A:ありません。それ以前に「撮影モード」という概念がiPhoneにはないのです。
A:ありません。ただセルフタイマー機能を持つカメラアプリは多く出ているので、それを使うとよいかと思います。
A:ありません。連写したいときは、HDRをオフにして、指で素早く撮影ボタン連打!って感じで、タタタタッとタップしてください。けっこう連写できます。連写機能を持つカメラアプリもあるので、それを使うのも手。
A:できませんが、その手の特殊な撮影ができるカメラアプリが山ほど出ているので、その中から気に入ったものを選ぶのがよいかと思います。
こうしてみると機能がすごく絞られている。
特にユーザーがあれこれ設定しなきゃいけないところがすごく少ない。それがiPhoneの良さ。「〜〜をしたいときは設定メニューを開いて〜〜の〜〜をオンにしてください」とか面倒くさいじゃない。ハイエンドのカメラならともかく、スマホはさっと取り出してさっと撮れる機動力がいいのだから、撮る前にあれこれ設定したくないもの。
撮影機能を指折り数えると、たいてい負けちゃうiPhoneなんだけど、機能の数だけあってもしょうがないのですよ。シンプルでちゃんと撮れればそれが一番かと。続いて、iPhoneのカメラを使ってて「あれ? なんかヘンじゃない?」という点をいくつか。
A:実は違います。これはいただけない点。iPhoneで撮影される写真は縦横比が4:3なのだけど、撮影画面ではもうちょっと細長い。たぶん、モニタのレイアウト上の問題だと思うのだけど、モニタで見えているときより左右に少し広い(縦位置の場合。横位置の場合は上下に広くなる)範囲が撮れます。
ほんの少しだけど、端っこに思わぬものがちらりと映ってしまうこともあるので要注意。iPhone4Sまではそんなことなかったので、次のiPhoneで直るといいなと思っております。
A:はい。青カビ問題といわれてました。実はiPhone4特有の問題で、iPhone4S以降のモデルでは発生しません。iPhone4Sから撮像素子が変わったのでそこに問題があったのかもしれません。
A:はい。残念ながらなります。画面の端に高輝度な部分がある場合、特定の条件下で出るようです。屋外の逆光時に出やすいのですが、室内でも照明の位置によって出ます。
ほんの少し角度を変えただけで出なくなりますから、「あっ」と思ったらちょっとアングルを変えてやる対症療法でしのいでおります。
最後はiPhoneの欠点の話もいれてみた。それが次期モデルできちんと修正されていることを祈っております。
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