「au WALLET」の新しさ/ソフトバンク決算会見で見えたもの/アプリや新規事業に賭けるDeNA石野純也のMobile Eye(2月3日〜14日)(1/3 ページ)

» 2014年02月14日 19時40分 公開
[石野純也,ITmedia]

 2月3日から14日にかけての2週間は、新たなサービスや戦略の発表が相次いだ。13日には、KDDIが「au WALLET」の構想を明らかにした。これは3M戦略の第3弾として打ち出してきたサービスで、オンラインとオフラインをつなぐO2O事業の一環でもある。これに伴い、同社は4月からau WALLETと呼ばれるプラスチックカードを発行し、ポイントプログラムも切り替えていく。

 2月3日から14日の2週間は、各社の決算会見も相次いで開催された。ここでは、Sprintを買収し大幅な増収増益を果たしたソフトバンクとともに、モバイルに関連深い分野としてDeNAを取り上げ、スマートフォン向けゲーム市場の今を見ていきたい。

リアルとバーチャルを決済でつなぐ「au WALLET」

photo 「au WALLET」の狙いを語った代表取締役社長の田中孝司氏

 KDDIは2月13日、3M戦略の第3段となる「au WALLET」を発表した。au WALLETとは、リアルとバーチャル、両方にまたがる決済サービスのこと。その名のとおり、“おサイフ”を目指したものだ。これに伴いKDDIはプラスチックカード型の電子マネーを発行する。カードの発行にあたっては、マスターカードと提携。カードは従来のクレジットカードと同じ形式のプラスチックカードで、開始当初から「210以上の国と地域、3600万の加盟店がある」(代表取締役社長 田中孝司氏)とのことで、マスターカードと同じように利用できる。

photophoto 「新たなO2O事業の創出」と呼ぶように、キャリアの持つ決済代行機能をリアルに拡張していく取り組みだ

 仕組みとしては、米国などで一般的な、プリペイドで利用できるカードに近い。カードのデザインは従来のクレジットカードと同じで、番号なども発行される。あらかじめ自分で限度額を設定できるクレジットカードと考えれば、理解しやすいかもしれない。こうしたプリペイドカードとの違いとして、同社傘下のWebMoneyが統合されており、オンラインで簡単にチャージすることができる。

photophoto 新たにプラスチックカードを発行、チャージはWebMoney経由やauショップで行う

 カードはau IDとひも付けられており、チャージした際にはauの請求に合算できる。店頭でのチャージも受け付ける予定だ。また、オートチャージにも対応する。田中氏は「ネットだけでなく、リアルも融合した新たな経済圏を創出していきたい」と意気込みを語った。2016年には1兆円の流通総額を目指す。

 ここにauのポイントプログラムを統合しているのも、既存のカードとの違いだ。田中氏も「電子マネーカードとポイントカードを、1枚でまとめられる」と狙いを語る。たまったポイントは、auの通信料金などに充当することができる。想定しているのは、コンビニエンスストアなどでの小額決済だが、この点について、田中氏は次のように話す。

 「(電子マネーを使って)一番よく行くのはコンビニだと思うが、コンビニにはそれぞれのカードがある。(こういった)既存のポイントカードとは異なる、シンプルでどこでも使えて、かつオープンな展開をしていく」

photo ポイントがたまっていき、通信料などに充当できる

 特約店も設け、店舗によっては通常より多いポイントをつける施策も行う。既存のポイントプログラムは請求書単位になっていたが、au WALLETの発行に伴い、これもID単位に改めていく予定だ。auスマートパスでのノウハウも生かし、店舗のリコメンドなども行っていくという。

 KDDIがau WALLETを開始する背景の1つが、auスマートパスの会員数が十分になってきたことがある。田中氏によると、「スマートパスは1000万、au IDは1700万の加入があり、次のステージに行く準備はできている」という。このIDにひも付く電子マネーを発行することで、au IDをリアルな店舗での決済に利用できるようになる。決済額が拡大すれば、「ハンドリングチャージが収入として入ってくる。その上積みが期待できる」(田中氏)。

photo auスマートパスやau IDの顧客基盤を生かす

 auユーザーのための利便性が高い電子マネーといったところだが、開始当初はあくまでプラスチックカードを新たに発行する形となり、おサイフケータイには対応しない。非接触ICによる決済には非対応だ。田中氏は「スマホとカードを分けて持ちたいというニーズがある」と語っていたが、狙いとする小額決済は非接触ICとの相性がいい。その延長線上で、おサイフケータイへの対応があってもいいだろう。

 田中氏は「将来のことは分からない」としながら、「NFC対応のお店はまだまだ時間がかかる」との見方を示した。いちからリーダー/ライターを設置していくより、マスターカードとして決済できる方が対応店舗は大きくなる。非接触ICに対応しないのは、こうした規模を優先したと思われる。プラスチックカード型ならFeliCaやNFCに非対応のiPhoneユーザーでも利用できる。田中氏も「“最初は”カードからスタートしたい」と述べていたように、将来的に対応する可能性はありそうだ。

 au WALLETは、5月の開始直前に詳細が発表される。具体的なチャージ方法や、送客の方法などは、現時点ではまだ不明な点も多い。今後の展開にも、引き続き注目していおきたい。

photo サービスのスタートは5月を予定。それまでに詳細が発表される
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