「モバイルプロジェクト・アワード2014」「SPAJAM2014」表彰式――最優秀賞を手にした製品やチームは?

» 2014年07月15日 23時32分 公開
[田中聡,ITmedia]

 一般財団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は7月15日、モバイルビジネスの発展に貢献した個人とプロジェクトチームを表彰する「モバイルプロジェクト・アワード2014」の表彰式を実施した。

 モバイルプロジェクト・アワードでは、モバイルコンテンツ部門、モバイルプラットフォーム・ソリューション部門、モバイルハードウェア部門、MCF社会貢献賞の4部門で特に優れた製品やサービスを選出している。2014年の審査結果は以下のとおり。

モバイルプロジェクト・アワード2014審査結果
モバイルコンテンツ部門
最優秀賞 「モンスターストライク」
優秀賞 「CocoPPa」
優秀賞 「Ingress」
優秀賞 フリマアプリ「メルカリ」
モバイルプラットフォーム・ソリューション部門
優秀賞 海外用Wi-Fiルーターレンタルサービス「グローバルWiFi」大容量データPLUSプラン
優秀賞 「Monaca」
優秀賞 「Firefox OS」
優秀賞 「Note Anytime & Share Anytime」
モバイルハードウェア部門
最優秀賞 「GALAXY Gear」
優秀賞 「Windows8 tablets」
MCF社会貢献賞
MCF社会貢献賞 青森県視覚・聴覚障害のある方にiPadを教える人財育成事業

Windows 8 tablets、Firefox OS、Ingress……喜びの声と今後の意気込み

 2014年は、モバイルコンテンツ部門でmixiの「モンスターストライク」、モバイルハードウェア部門でサムスン電子の「GALAXY Gear」が最優秀賞を受賞した。

 モンスターストライクのプロデューサー 木村弘毅氏は「モバイルのもう1つの特徴である『移動』を生かしたゲームを通して、お客様が笑顔になっていく――。そんなサービスを提供できたので、すごく幸せに思っている」とコメントした。

 サムスン電子の担当者は「今は各メーカーさんも含めて、ウェアラブル元年、革命が起こってきていると思う。どんどん成長していくウェアラブル市場の中で、私どもも、先駆者として『わお!』をお届けできるよう頑張っていきたい」と意気込みを語った。

 そのほかの受賞者のコメントも、いくつかピックアップしたい。

 モバイルハードウェア部門では「Windows 8 tablets」が優秀賞を受賞した。日本マイクロソフトの担当者は「Microsoftでは、Windows 8を、モバイル端末とタブレット端末に最適なOSということで出荷している。そのうえで、弊社もSurfaceを作っている。OEMメーカー様とさまざまな形態の8型から12型までのタブレットとPCを出させていただいている。Microsoftはデバイスだけでなく『モバイルファースト』『クラウドファースト』をうたい、デバイスの上で展開できるサービスやプラットフォームを提供している。今後もさまざまなユーザーのニーズに合ったものを提供していきたい」とコメントした。

 海外用モバイルWi-Fiルーターのレンタルサービスを提供している「グローバルWi-Fi」の「大容量データPLUSプラン」では、欧州、米国、アジアその他で1日500Mバイト〜1Gバイトの通信が可能になる。1台で9枚のSIMを挿入できるルーターを利用するのもユニークだ。ビジョン代表取締役社長の佐野健一氏は「現在、200以上の国と地域でグローバルWi-Fiのサービスを提供している。この賞をいただいたこと誇りに、また新しいサービスを提供していきたい」とコメントした。

photophoto 左から、モンスターストライクのプロデューサー 木村氏(左)と、ビジョンの佐野氏(左)

 Firefox OS搭載製品は、日本では7月に開発者向けのスマートフォン「Flame」が発売予定で、審査対象の期間内(2014年3月末まで)に製品は発売されていなかったが、新OSへの期待も込めての受賞となった。Mozilla Japanの担当者は「Mozillaのコミュニティができてから、ちょうど10年がたち、Webの世界を模索しながら引っ張ってきた。Firefox OSでは、これからの皆さんのWebや生活環境をガラッと変えてしまうようなソリューションを展開できると思っている。単なるOSではなく、いろいろな分野にオープンな風を吹き込むOSだと確信している。多大なる期待をしていただきたい」とコメントした。

 手書きのノートアプリ「Note Anytime」とリアルタイムでドキュメントデータを共有できる「Share Anytime」のプロジェクトリーダーを務めるMetaMojiの宮田正順氏は「イノベーションの中に身を置いて、新しいものを作っていける喜びを感じながら開発をしている。これからもそういった姿勢で、世の中のイノベーションに関わっていけるよう頑張っていきたい」とコメントした。

photophoto Mozzila JapanのスタッフはFirefox Tシャツで登場(写真=左)。MetaMojiの宮田氏(写真=右)

 モバイル端末の位置情報機能とAR(拡張現実)機能を採用したオンラインゲーム「Ingress」のUX/Visual Artistを務めるGoogleの川島優志氏は「Ingressは、2年半前にスタートアップを作って開発したサービス。ローンチして1年半になるが、糖尿病のおばあちゃんが、Ingressを始めたおかげでインシュリンが必要なくなった、引きこもりだったけど外に出られるようになった、地下鉄で1つ前の駅を降りて歩くようになった……といった声を聞いていて、いろいろな良い変化が起こっている。バーチャルがリアルを変える、リアルがバーチャルを変える、そういうことをどんどん進めていければと思う。IngressはAndroid版だけでなくiOS版もリリースした。昨日(7月14日)だけで(iOS版の)ダウンロード数は米国の次に日本が多い。ぜひこれを機会に楽しんでもらえたらと思う」

SPAJAM2014でシリコンバレーの切符を手にしたチームは?

 あわせて、スマートフォンアプリの競技会「スマートフォンアプリジャム2014」(SPAJAM2014)の企画部門とハッカソン部門の表彰も行われた。SPAJAM2014の本選が7月4日から6日にかけて実施され、企画部門の3チームは「2020年のアプリ」、ハッカソン部門の11チームは「日本文化を好きになる」というテーマでプレゼンテーションを行った。厳正なる審査を経て、各部門の最優秀賞が15日に発表された。

 企画部門で最優秀賞を獲得したのは、あらかじめ設定しておいたメールや肉声などから、故人と会話ができるデジタル遺影アプリ「e-Yeah」。企画者の工藤尚弥氏は「名前だけを聞くと不謹慎だけど、2020年がテーマなので、Web上にたまっていく亡くなった人のSNSアカウントや個人情報を使って、残された人を温かく見守ってあげられるアプリを提案した。スマートデバイスはどんどん進化し続けていく中で、人間の本質を意識した」と開発の意図を説明した。

photo 企画部門で最優秀賞を受賞した「e-Yeah」の企画チーム

 審査委員会の副委員長を務めたデジタルハリウッド大学大学院 デジタルコンテンツ研究科 専任教授の三淵啓自氏は「企画の中にはすぐにビジネスになるようなものもあったが、あえてそういう企画は外して、『できそうにない』『できたら面白そうな』企画を選んだ。その中でe-Yeahは、審査員でもいろいろと物議を醸した。先日、ヤフーが亡くなった人のデータを消すサービスを始めたが、ネットの中に亡くなった人の情報が残ることがいいのか、という議論がある。e-Yeahは人々に対して新しい選択肢を与えてくれる。残った人が(アプリ上の故人に)依存するのを防止する機能もあり、ここまで考えているのかと感心した」と講評した。

 ハッカソン部門の最優秀賞は、日本の情報をカードにして配布する仕組みや、Beaconを活用して、ちょうちんに近づくと自動で情報を配信する仕組みを用いたアプリ「Pieces of Japan」を開発した、チームMizukiに贈られた。チームMizukiはシリコンバレーのスペシャルツアーに参加できる。ほか「バトルメンコ!」を開発したパイレーツ・オブ・イチミヤン 〜ポセイドンのめざめ〜、「NANI-COLLE?」「ナニコレ?」を開発した朝風呂ブラザーズが優秀賞、突っ込みアプリ「なんでねん」を開発したGONBEが審査員特別賞を獲得した。

 チームMizukiの五十嵐太清氏は「ただただ、うれしく思います。勝因はやっぱり温泉。温泉の中でブレストしてアイデアが浮かんだ。これからもアイデアを出すときは温泉でやっていきたい」と喜びの声をあげた。優秀賞を受賞したほかのチームからは「悔しい」という声が多く聞かれ、同コンテストにかける本気度が伝わった。

photo 最優秀賞を受賞したチームMizuki
photophotophoto 左からパイレーツ・オブ・イチミヤン 〜ポセイドンのめざめ〜、朝風呂ブラザーズ、GONBE
photo ガンホーの森下氏

 最後に、審査委員会のガンホー・オンライン・エンターテインメント 代表取締役社長CEOの森下一喜氏がSPAJAMを振り返って総括した。

 「僕は普段はゲームのプランナーに近い雑用係だけど、プログラマーやデザイナーという職種には嫉妬するぐらい感謝している。普段ゲームの現場を見ているが、実用系アプリの企画が社内で挙がることは皆無。今回は『日本文化を好きになる』というテーマで、いろいろなアイデアを持ち寄って、2泊3日という短い期間で実装してくれたことには感謝している。

 審査員としてはどのアプリも非常に評価していて甲乙つけがたいけど、せっかく実装したのに、プレゼンの時間が足りなかったり、アプリが動かなかったという運の部分もあった。それでも、皆さんが楽しんで作っていることが印象的だった。チームワークも当然だけど、異業種の人や会ったことのない人たちと盛り上げていく中で、いろいろな交流があったと思う。今後もこうしたコンテストはバックアップしていきたいが、次回は実際に参加してみたい」

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