Firefox OSスマホ「Flame」の外観をチェック&SIMカードを設定してみた(2/2 ページ)

» 2014年08月06日 00時00分 公開
[工藤友資ITmedia]
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 FlameにプリインストールされているOSはv1.3で、海外で既に一般向けに発売されているものの最新版のOSが搭載されている。筆者としては早く最新の開発版であるv2.1 pre releaseを独自ビルドして入れてみたいところだが、ここはレビューのためにぐっと我慢することにする。動きは軽快でサクサク動くものの、やはり日本語入力ができないのは痛い。また、端末自体にしてもソフトウェアにしても一昔前のAndroid端末のようだ。

 そして問題は通信だ。最近は各社からMVNOの格安SIMが出回っているが、OSの問題でAPNの設定が一部のSIMで保存されない。これに暫定的に対処したパッチが公開されているので、格安SIMで通信を行うための作業を紹介したいと思う。なお、FlameはLTEはサポートしておらず、GSMの850/900/1800/1900MHz帯とUMTS(W-CDMA)の850/900/1900/2100MHz帯を利用できる。

 まず必要になるのがMacかLinux環境とAndroid SDKだ。そして、こちらからパッチをダウンロードする。ダウンロードが終了したら、adbサーバを管理者権限で起動させる。やり方としては、「sudo adb kill-server」をたたいた後、「sudo adb start-server」とする。

 Flame側では「Settings」アプリを起動して「Device information」をタップ、「More Information」を選択。さらに「Developer」を選択して、「Remote Debugging」にチェックを入れる。そして、FlameとPCをUSBで接続し、PC上でターミナルを起動して「adb devices」を実行。デバイスが認識されていることを確認する。

 デバイスが認識されていれば、ダウンロードしたファイルを展開し、ターミナル上で「chmod 755 patch-apn.sh」と入力してシェルスクリプトに実行権限を与える。それが終われば「./patch-apn.sh」と入力する。

 問題なくパッチ当てが終了したら、Settingsアプリを再起動するか、端末自体を再起動し、またSettingsアプリの「Cellular & Data」からSIMが入ってるスロットを選択し、「Data setting」を選択する。あらかたの格安SIMの情報はプリセットされているはずなので、自分が使っているSIMを選択し、右上のOKボタンを押せば通信ができるようになるはずだ。

 自分が使っているSIMがプリセットで表示されない場合は、独自にAPNを設定することで利用可能になる。ここで注意したいのが、SMS非対応のSIMの場合、通知バーのピクトアイコンが接続先を探しているままに見えるが、実際に通信を始めるときちんと動作するので安心してほしい。

 このような手間がかかるのも開発者向けリファレンス端末を利用する上では楽しみの1つではあるが、AndroidのNexusシリーズのような、実用上全く問題ないリファレンス端末とは一線を画する。何はともあれ、手に入れた方はぜひいろいろといじって楽しんでいただきたい。

著者プロフィール:工藤友資

プログラマー、会社経営、ライターを兼業。人工知能の研究開発をライフワークとしている。Webサービス「BlogPet」を企画開発。2004年「BlogPet」にて「Internet magazine」のウェブサービスアワード ブログ関連サービス部門で最優秀賞を受賞。ガジェットオタクにしてマイナーOSマニア。


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