インタビュー
» 2014年10月06日 00時00分 公開

開発陣に聞く「AQUOS CRYSTAL」:この感動を多くの人に伝えたい――AQUOS CRYSTALの“フレームレス構造”に賭けたシャープの本気 (2/2)

[小竹佑児,ITmedia]
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映像だけでなくサウンドにもこだわり

―― 今回は「クリスタルサウンド」として、サウンド面にもこだわっていますね。

清水氏 harman/kardon社の技術を取り入れています。具体的には、「Clari-Fi(クラリファイ)」と「LiveStage」という機能です。Clari-Fiは、音楽データを圧縮した際に失われた音を復元します。この機能のポイントは、標準の音楽再生アプリだけでなく、YouTubeなどの動画アプリにも対応することです。AQUOS CRYSTALは、画面にこだわった機種なので、動画を視聴する機会が増えると考えられます。映像だけでなく音質にもこだわりたくなるのではないかと考えて、こうした高音質技術を搭載しました。

photo 同梱されるスピーカー

―― 「harman/kardon ONYX STUDIO」というスピーカーも同梱されるんですよね。

清水氏 はい。ここにも持参していますので、このスピーカーによる音の違いを体験してもらいたいと思います。私のほうでClari-Fiの効果が最も分かりやすい音源や動画を探したところ、BOOWYのライブ映像が最適でした(笑)。ちょっとこちらを聞いてみてください。

(同梱の「harman/kardon ONYX STUDIO」で動画を再生する)

―― Clari-Fiオンの場合は、たしかに臨場感が違いますね。

清水氏 そうですね。Clari-Fiをオンにすると、ライブ会場にいる観客の声や、ドラムのハイハットの細かい音なども復元されて、より臨場感が増していると思います。あと、「Clari-Fiビジュアライザー」という機能にも対応していまして、どの音域が復元されているのかが視覚的に分かりやすくなっています。インジケーターは音域を表していて、音域が左側に行くほど低域、右側に行くほど高域になります。

―― もうひとつの「LiveStage」はどのような機能ですか?

清水氏 ヘッドフォンを使用している際に効果を発揮する機能です。一般的なヘッドフォンですと、ちょっとこもっているような縮んだ音になりがちですが、この機能をオンにすると音に広がりと臨場感がプラスされます。

―― Clari-FiとLiveStageはどう使い分ければいいのでしょうか?

清水氏 Clari-Fiは、再生機器がスピーカーでもヘッドフォンでも変わらず効果が出る機能です。それに対して、LiveStageは基本的にヘッドフォン接続時に使う機能です。ヘッドフォンで再生した際の音の聞こえ方を良くすることを前提に開発していますので、スピーカーで再生すると、そこまで効果を実感しにくいかと思います。本体の内蔵スピーカーで再生している際も効きません。

新しい操作体験をもたらす独自のスクリーンショット機能

photo A1284プロジェクトチーム 主事 清水寛幸氏

―― 「ClipNow」というユニークなスクリーンショット機能に対応したのもポイントかと思います。この機能を搭載したのはなぜですか?

清水氏 フレームレスによるまったく新しい視覚体験だけでなく、新しい操作体験も提供したいと考えたからです。なぜスクリーンショットにしたかといいますと、上端をなぞるだけで画面そのものを切り取って保存するという新しい操作感を体験いただけるからです。また、Android標準の撮影方法は、電源ボタンと音量の下キーの同時押しですが、この方法では失敗しやすい、片手では撮れないといった声もありました。それを今回のフレームレスと合わせて解決しようという狙いもあります。

―― スクリーンショットを利用するユーザーは多いのですか?

清水氏 弊社で調査したところ、利用率が上がっているという結果が出ました。一般の方もゲームアプリでハイスコアが出たときや、レアモンスターが出現したときなどに画面を撮影してLINEに送って友達に自慢するといった使い方をされるようです。乗換案内の結果や飲食店の情報などの画面を記録しておくという人も多いようですね。

―― ただ画面を撮影して保存するだけではないのも面白いですね。

清水氏 Webページを撮影すると、URLも一緒に保存できる機能を備えています。撮影した画面を表示すると、下にURLが表示され、これをタップするとブラウザが起動してすぐにそのページにアクセスできます。また、マナーモードに設定している際は、撮影時にシャッター音が鳴らないようにする工夫もしています。

―― 撮影した画像を見るための専用ビュワーアプリを搭載したのはなぜですか?

清水氏 ひとつは画像の見え方として、せっかくフレームレスなので画像を見るときもフレームレスらしい見え方にしたかったというのがあります。なので、「ClipNow」アプリでは、上部のステータスバーは非表示、下部のナビバーは透過表示にして、フル画面で画像を見ていただけるようにしました。もうひとつは、先ほど申し上げたURLですね。Webページにすぐアクセスできる機能を載せるために、専用アプリを作りました。

photophoto 画面の上端をなぞるだけでスクリーンショットを撮れる「ClipNow」(写真=左)。ClipNowで撮ったキャプチャ画像は、専用アプリから全画面で閲覧できる(写真=右)

2社同時展開ながらも開発期間とコストは最小限に

―― 今回はソフトバンクとSprintの2社から発売されるわけですが、何か難しさはありましたか?

澤近氏 通常、2社で商品を出す場合は、開発チームを2つに分けてそれぞれで開発を進めることになります。ですが、今回は基本的に同じハードを使っているので、それが逆にメリットになりました。ハードウェアの構造で違うのは、無線部分ですね。日米で使っている周波数が異なりますので、それに関する部品は異なっています。それ以外は、基本的に共通のハードを使っていますので、2つのモデルを同時に開発するよりも開発期間・コストを抑えることができました。

―― カラーバリエーションも同じ展開ですか?

小山氏 ソフトバンク版はホワイト、ブラック、ブルー。ピンクの4色展開ですが、Sprint版はブラックとホワイトの2色のみになります。日本向けのモデルは、女性にも手にとっていただけるカラーを用意しました。

―― Sprintからも発売されるということで、発表後の反響が大きかったですね。

小山氏 発表段階でさまざまなメディアに取り上げていただいて、しかも絶賛いただいている状況でした。北米では、シャープというと液晶テレビ「AQUOS」が若干知られている程度で、スマートフォンも作っていることがほとんど知られていないんですね。そうした状況のなか、これだけの反響があったので期待感は高まっていますね。

―― 最後に、これだけは伝えたいということがございましたらお願いします。

澤近氏 今回のAQUOS CRYSTALは開発チームだけではなく、生産に関わるメンバーも含めて全社員が、この初めて見たときの感動をひとりでも多くの方に体験いただきたいという思いで開発しました。そうした思いをいち早くお客様に届けたいと思います。しかもそれを国内だけでなく、アメリカの方にもお届けできる機会をいただけたということで、ぜひ手に取ってこの素晴らしさを体験していただきたいですね。

清水氏 いま澤近が「初めて見たときの感動」と申しましたが、長い間使っていてもこの感動が薄れないんですよね。試作機が出てから何カ月か使っていて、毎日この画面を目にしているんですが、見るたびにやっぱりすごいなという感動が毎回あります。お客様にとっても満足感が長く続く商品になったと自負していますので、ぜひ手に取って目にしていただきたいですね。

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