G-Callは、ジーエーピーが提供する通話サービスだ。楽天でんわと同様に、4桁のプレフィックス番号を付けて電話を発信することで、格安の電話網を経由して電話がつながる。利用料は無料で国内通話料は30秒10円と、料金関連は楽天でんわとほぼ同等だが、携帯電話から利用する場合は国際電話網を利用するので、消費税がかからないこと、契約できる回線数に制限がないことが、楽天でんわとの大きな違いだ。なお、申し込み完了まで2営業日かかるので、急いで申し込む場合は気をつけたい。
G-CallはフィーチャーフォンやPHS、さらに固定電話でも使えるが、スマホ向けの「G-Call」アプリを使ってダイヤルすると、発信時に通常発信かG-Callでの発信かを選ぶことができる。G-Call発信を選べば、相手先の電話番号の先頭に自動的に4桁のプレフィックス番号を付けて発信。楽天でんわの無料通話リストのような機能はないが、電話番号にキャリア名を登録して、発信時に確かめることはできる。ただし、手動で登録するので、相手がMNPでキャリアを変更した場合は自分で変更しなくてはならない。

G-Callの申し込みサイトで、個人情報や支払いのためのクレジットカード登録を行う(写真=左)。申し込む回線はいくつでもOK。紹介制度もあり、知人にG-Callを紹介すると、紹介した人もされた人も250円分の通話料がもらえる。さらに、被紹介者のG-Call国際電話通話料の1%分のポイントが紹介者に毎月付与される(写真=右)

「G-Call」アプリを利用すると、G-Call発信と通常発信のどちらかを選んで発信できる。「G-Callで発信」を選ぶと、自動的に4桁のプレフィックス番号を付けて発信する(写真=左)。電話番号に携帯電話会社を登録できる(写真=中)。登録すると、ダイヤル入力した際に画面右上部でキャリア名を確認できる(写真=右)LINE電話は、複数の大手回線事業者のプレミアム回線を利用することで、高い音声品質を実現しているIP電話だ。特徴は、なんといっても料金の安さ。
LINE電話には、「コールクレジット」と「30日プラン」という2種類の料金プランがある。コールクレジットには100円から5000円までのコースがあり、電子マネーのようにチャージして利用する。通話料金は固定電話あてが3円(3クレジット)/分、携帯電話あてが14円(14クレジット)/分で、楽天でんわの21円(税込)/分、G-CALLの20円(非課税)/分よりも安い。有効期限は180日だ。オートリチャージの機能があり、一部のクレジットはアプリからも購入できる。
一方、30日プランは、購入から30日間、固定電話あてが60分、固定電話+携帯電話あてが120分まで通話できるプラン。通話料金は固定電話あてが2円(2クレジット)/分、携帯電話あてが6円/分で、コールクレジットよりも安い。ただし、同じ月内に同じ種類の30日プランを複数回購入することはできず、月内に使い切るとコールクレジットの購入が必要だ。仕事などで利用する場合は、念のためコールクレジットをチャージしておく方がいいだろう。
支払いはクレジットカードのほか、Google PlayやLINEのプリペイドカードも利用できる。Android端末の場合は、LINEコインをコールクレジットとして利用することもできる(1コイン=2コールクレジット)。
すでにLINEを利用していれば、別アプリのインストールや初期設定は必要なく、メニューの「その他」から利用できる。ただし、FacebookアカウントでLINEを利用している場合は、携帯電話番号での認証(SMS認証)が必要だ。また、データ通信用SIMカードでもLINE電話の利用は可能だが、発信しかできない。
LINE電話が着信すると、auとソフトバンクの場合は相手の電話番号や名前が表示されるが、ドコモの場合は非通知になる。ドコモからLINE電話をかけた場合も相手には非通知となるため、着信履歴からの折り返し電話ができない。そのためドコモユーザーにとってLINE電話は少し使いにくいサービスと感じられるかもしれない。これはドコモ回線を使うMVNOの場合も同様だ。ただし、相手がLINE友達で電話番号を登録している場合は、トークルームに着信通知が表示される。


LINE電話はLINEアプリの「その他」メニューから利用する。ショートカットを作成してホーム画面に配置可能(写真=11)。電話をかけるにはチャージが必要で、コールクレジットはアプリから購入が可能。支払いはクレジットカード以外にプリペイドカードでもできる(写真=12、13)LINE電話中にスマートフォンに通常の着信があった場合は、通常の着信が優先され、LINE電話は切断される。また、LINE電話はプリペイド方式なので、チャージされた残高がなくなると電話が切れる。このあたりの仕様は仕事用の電話として使うときに、少し不安に感じられる部分だ。
| 楽天でんわ | G-Call | LINE電話 | |
|---|---|---|---|
| 利用料 | 無料 | 無料 | 無料 |
| 初期登録 | クレジットカード(一部デビットカード)登録、電話をかけて認証コード入力 | クレジットカード登録、登録に2営業日かかる | SMS認証 |
| 通話料(国内) | 10円/30秒(税別) | 10円/30秒(非課税) | 固定宛3円/分、携帯宛14円/分※2 |
| 通話料(海外) | 10円/30秒(非課税) | アメリカ29円/分(非課税)など。6秒単位の課金 | アメリカ1円/分など※2 |
| 支払い | クレジットカード(一部デビットカード)で後払い | クレジットカードで後払い | 前払い(クレジットカード、プリペイドカード) |
| 電話番号の登録件数※1 | 5件 | 無制限 | ― |
| 発信者番号通知 | 対応 | 対応 | 一部対応(ドコモは非通知) |
| その他 | 通話料100円につき楽天スーパーポイントが1ポイントたまる | G-Callを紹介すると、紹介した人もされた人も250円分の通話料をもらえる | LINEコインをコールクレジットとして利用可能(1LINEコイン=2コールクレジット) |
| ※1 同一クレジットカードで申し込める電話番号の件数 ※2 コールクレジットの場合。課税/非課税の記載はないが、ユーザーが支払う最終金額 | |||
主要キャリアから通話し放題プランが提供され、通話のヘビーユーザーには楽天でんわやG-Callは物足りないサービスになっているかもしれない。しかし、MVNOで通話料を節約したいときに、高品質で通話できるこれらのサービスは魅力だ。一方、LINE電話は通話品質の高いIP電話で、通話料、特に海外にかける場合の料金が非常に魅力的だ。通常の着信があるとLINE電話が切断されるなどの弱点はあるが、そういった仕様を納得して使えるなら通話料の節約に有効だ。
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