ソフトバンクモバイル、4社統合体制がついにスタート ━━ソフトバンクは日本国内で再び血気盛んな会社になれるのか石川温のスマホ業界新聞

» 2015年04月10日 14時09分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 4月1日、ソフトバンクモバイルの新体制がスタートした。ソフトバンクモバイル株式会社、ソフトバンクBB株式会社、ソフトバンクテレコム株式会社、ワイモバイル株式会社の4社が合併。孫正義氏は会長となり、宮内謙氏が社長に就任した。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年4月4日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。


 気になるワイモバイルの行方だが、今後もサービスは継続され、新製品も続々と登場すると見られている。ここ最近は、格安スマホに対抗しようと、ケータイユーザーの乗り換えを狙う料金面ばかりをアピールしているのは物足りない感じもするが、これからぜひ、当初の目的であった「ヤフーとの連携」と共に「IoT関連の充実」を図ってもらいたいものだ。ただ、ソフトバンク関係者に合併の話を聞くと、誰しもが答えるのが「社内政治がひどくなってきた」というぼやきだ。

 これまでは、孫社長をトップに「情報革命で人々を幸せに」を合い言葉に社員が動いていたが、4社合併でまずは「社内政治で自分が幸せに」という感じで、社員が活動している状況にあるようなのだ。どうやら、4社が一緒になったことで、管理職などはポストが重複し、人あまりの状態になっているというのだ。合併の目的は、経営のスリム化、効率化であるため、そうした人たちは配置転換され、営業部門の強化などに当てられるのだろう。社員の多くが「社内政治の動きが活発化している」と嘆いていることからも、ソフトバンク自身がだんだんと普通の会社になってきていると言っても過言ではなさそうだ。

 孫社長がアメリカ進出を目論み、結局はスプリント買収で大失敗して以降、国内のサービスや端末などにおいては、すっかり面白みがなくなってしまった感がある。せっかく、総務省による新しい契約者数のカウント方式でも、ソフトバンクがKDDIを抜き、晴れて2位に浮上したのだから、孫会長や宮内社長が「2位は通過点、いずれドコモを抜いてみせる」とアピールすればいいものを、最近のソフトバンクは本当に話題もなくて、メディアとしても盛り上げようがない。

 日本は飽き、アメリカを諦め、いまではインドに投資してばかりで、そのうち「ソフトバンク東インド会社」になってしまう勢いだ。日本のユーザーとしては、かつて「携帯電話料金は高すぎる。キャリアは儲けすぎている」と携帯電話事業に参入したころの血気盛んなソフトバンクに戻ってもらいたいと思うのだが、それは叶わぬ夢なのだろうか。

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