J:COMが月額2980円で動画見放題のMVNOを開始――KDDIのノウハウを生かしたサービスにNTTはどう対抗するのか石川温のスマホ業界新聞

» 2015年10月23日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 ケーブルテレビ最大手であるJ:COMがMVNOサービス「J:COM MOBILE」を開始する。月額2980円で音声通話付き、データ通信容量3GBのプランとなる。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年10月17日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。


 これだけでは決して安いわけではないが、J:COMオンデマンドアプリを使った際のデータ通信料金が無料となるのが最大の特徴だ。

 外出先でプロ野球中継などをストリーミングで見ても、データ通信量は消費しない。CATVのテレビサービスをどこでも楽しみたいというユーザーには最適だろう。

 このような太っ腹なサービスを実現するには出資を受けているKDDIのバックアップがなければ難しかったように思える。

 そもそも、J:COMを運営するジュピターテレコムの社長は、かつてKDDIで端末企画などを手がけていた牧俊夫さんだし、今回のサービスを開発したのもKDDIで端末企画をやっていた中馬和彦さんだ。

 J:COM MOBILE対応端末第1弾となる折りたたみ型Andoridスマホ「Wine Smart」を導入するにあたってのLGエレクトロニクスとの交渉もお手ものと言えるのだ。

 MVNOとして、KDDI網との接続や、VoLTE開始に向けて準備も、KDDI系列の会社なのでスムーズだ。さらにネットワーク負荷を軽減するために、公衆Wi-Fiネットワークとの接続を行うのだが、これもKDDIの関連会社であるワイヤ・アンド・ワイヤレスが行っている。 

 J:COMという看板は背負っているが、何だかんだと言って、KDDIのサブブランド的なサービスと言える。

 とはいえ、J:COMは「auスマートバリュー」のパートナーとして、auのスマホとJ:COMのインターネットサービスをセット販売し、かなりの実績を残している。ただ、auスマートバリューで契約するユーザーの大半はiPhoneを選んでいるため、それらのユーザーを避けるという意味でも、J:COM MOBILEの主力端末はガラケーっぽい折りたたみ型端末になったようだ。

 実際、ケーブルテレビのユーザーは時間とお金に余裕のある50歳以上が中心でもあるため、ガラケーっぽいほうが受け入れられやすいという背景もあるようだ。

 また、ケーブルテレビ事業は、訪問販売に強く、「Wine Smartを使いこなせない」という人に対しても、手厚いサポートができるのが強みになるという。auショップでは対応できないが、訪問販売ならいくらでもサポートできるというわけだ。

 まさにJ:COM MOBILE はKDDIとケーブルテレビ事業の2つの強みを生かしたサービスといえる。

 一方、NTTグループではいままでは「独占規制」があり、このようなサービスは難しかった。しかし、その独占規制も緩和されつつあるという。

 独占規制がなくなれば、単なる安売りではない多様なサービスが生まれてくる可能性がある。

 MVNOとしては、いかにNTTドコモと交渉し、面白いサービスを生み出せるかが、生き残る上で重要となる。2016年に向けて、MVNOの競争は「サービス」という新たなフェーズに突入しそうだ。

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