総務省案件が多かった年末年始、実効速度公開や料金値下げ議論の効果は?5分で知る最近のモバイルデータ通信事情(1/2 ページ)

» 2016年01月26日 14時43分 公開
[島田純ITmedia]

ドコモ、KDDI、ソフトバンクが「実効速度」を公表

 NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社は、日本各地で計測した実際の通信速度を公表した。速度は総務省が定めたガイドラインに基づいて計測・公開されており、今後は広告表示の際に理論値(規格上の最大速度)と併記することが義務付けられる。

 各通信事業者は現在、通信サービスの速度を「下り最大300Mbps」など、端末やネットワークが対応している理論値でアピールしている。しかし、実際に利用者が使う環境では理論値を下回るうえ、「実効速度」として公開される通信速度も通信事業者やメディアにより計測方法が異なっていて比較が難しかった。そのため総務省のガイドラインでは、3社が共通の基準で速度測定を行うことが定められた。

大手キャリアが発表した「実効速度」 ドコモが発表した実効速度。統計学的グラフである「箱ひげ図」で表示
大手キャリアが発表した「実効速度」 auの実効速度
大手キャリアが発表した「実効速度」 ソフトバンクの実効速度

 総務省の定めた測定条件は「オフィス街および繁華街エリアでは12時から18時までの間、住宅地では15時から21時までの間に測定」とされている。実際に各社の測定値の詳細を確認してみると「完全に同じ場所・同じ時間帯」でテストが行われたわけではなく、各社が速度測定を行った都市や時間帯にはバラツキがある。このため、今回公表された数値だけではm自分が利用する環境でどのキャリアが最も快適かを判断するのは難しいと言わざるを得ない。

 このほかにも、筆者が過去に経験した事例では、あるキャリアの携帯電話は京王線新宿駅に列車が到着すると圏外となり、データ通信・音声通話が一切使えなくなってしまう。駅で電車を待つ間や、電車の中で発車を待つまでに圏外となってしまうため、列車に乗る直前まで別の場所で待機したり、駅に到着する前に必要な連絡を行うなど工夫してきたが、このようなエリアの穴の不便さは今回の実効速度の公表だけでは知ることができない。

 さらに、測定ツールでの実効速度が高速であっても、実際に使ってみると特定のサービスやアプリケーションの通信を制限していたり、最近では少なくなったが「直近3日間1GBで速度制限」などの速度制限が行われる場合もあるので、計測ツールを使った実効速度の公表だけで通信品質が測れるものではない。

 今回公開された実効速度の結果は、各社が測定条件をそろえて行った結果として参考にはなるが、必ずしも万能なものさしとはいえない点には注意したい。

ソフトバンクが月額5000円以下の1GBプランを発表、税別で

 ソフトバンクはスマートフォン向けに、「月額5000円以下」で通信量が1GBの料金プランを2016年4月以降に提供すると発表した。新プランの提供は総務省の「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」で、通信量の少ないユーザー向けに月額5000円以下の安価なプランを提供することが望ましい――という指摘に沿った対応といえる。

 新たに発表した「データ定額パック・小容量」の月額料金は2900円(いずれも税別、2年契約時の割引価格)で、基本料金である「スマ放題ライト」(5分以内の通話がし放題)とS!ベーシックパックを組み合わせた月額料金は4900円。

ソフトバンクの「データ定額パック・小容量(1)」 ソフトバンクは「データ定額パック・小容量(1)」を追加。最安パターンは月額4900円に

 これまでソフトバンクのスマホ向け料金は、音声通話定額プラン「スマ放題」とデータ定額パック小容量(2)にS!ベーシックパックを組み合わせた月額6500円が最安だった。新料金を月額料金だけで比較すれば、確かに1500円以上の値下げになる。

 ただソフトバンクはY!mobileブランドで、データ通信量1GB、1回10分までの音声通話定額をセットにした「スマホプランS」を月額2980円にて提供している。これと比較すると新料金はY!mobileより2000円ほど高く、さほど魅力的とはいえないだろう。

 また、いわゆる「格安SIM」と呼ばれるMVNOのサービスは、音声通話+データ3GBで月額1600円前後の価格帯が増えている。MVNOのサービスは、通信速度の実効速度がMNOよりも遅くなったり、日中時間帯の通信速度低下、サポート体制がMNOと比べれば弱いなどのマイナス面もある。価格だけで大手事業者と比較するのはあまり適切ではないが、「料金プランを何より重視する」なら既在のMVNOプランの方が魅力的なのではないだろうか。

 総務省のタスクフォースによる月額料金値下げなどの議論は、安倍晋三首相が携帯電話料金について「家計への負担が大きい」と発言したことをきっかけに始まったが、少なくとも毎月の月額料金の値下げに関して言えば完全に「空振り」に終わったように感じる。

観光客向けWi-FiルーターとSIMがセットで4980円

 モバイルWi-Fiルーターのレンタル事業を手掛けるビジョンは、主に訪日外国人をターゲットとした「KABUKI WiFi product by Ninja WiFi」(以下、KABUKI WiFi)の販売を、1月12日に全国15店舗で開始した。

 KABUKI WiFiはモバイルWi-FiルーターとSIMカードがセットとなっており、登録不要ですぐにデータ通信が利用可能となのが最大の特徴。今回の本格販売を前に、都内の一部店舗ではテスト販売が行われており、筆者も2015年12月に同製品を購入した。パッケージ内のモバイルWi-Fiルーターは最初からSIMカードが差し込まれており、文字通り「電源を入れればすぐに利用可能になる」という状態だ。

「KABUKI WiFi」 一般販売が始まった「KABUKI WiFi」
KABUKI WiFiサービス仕様
有効期間 通信開始から15日間
ルーター AVOX AWR-100
高速データ通信 200MB/日 ※超過後は200kbpsに速度制限
同時接続台数 最大5台
通信速度 下り最大21Mbps / 上り最大 5.76Mbps ※端末側が対応する通信速度を記載

 端末は4G LTE非対応だが、通信速度はさほどこだわらず、国際ローミングより安く手軽に通信したい、というニーズにはピッタリだろう。販売店ではパスポートなどの身分証の提示が必要なしに購入できる上、利用者情報の登録なども必要なく、非常にお手軽に使える通信手段である。

 なお、筆者が購入したKABUKI WiFiは4G LTE対応のSIMカードが使われており、セット端末以外の端末では4G LTEデータ接続が可能だった。

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