インタビュー
» 2016年02月01日 06時00分 公開

「Pokemon GO」に不安の声? Ingressベテランエージェントが抱く危機感Ingress覆面座談会(後編)(3/3 ページ)

[すずまり,ITmedia]
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それでもイングレスにハマる理由

化石 エージェント歴が最も長い化石さん

村上 苦労が多いように感じましたが、それでもハマってしまうイングレスの魅力ってなんですか?

アナログ イングレスって単純なルールですけど、奥深い駆け引きがあるんです。アノマリーのときも、現地にいなくても遠隔からサポートできるし、本当にいろいろな楽しみ方がある。目の前のポータルを守ることだけじゃなくて、ちょっと視野を変えるだけでより面白くなる要素がたくさんあるんですよ。レベルを上げることだけがすべてじゃない。

リチャ アノマリーがメインの人もいれば、ひたすら遠出してポータルを焼いてるだけの人もいるし。エージェントの数だけ考え方やプレイスタイルがある。

 「今日からクソリンク作るわ!」(敵だけでなく味方のコントロールフィールド作成の邪魔になるくらい自由奔放かつ長いリンク。お題リンクとも)でもいいわけで。いやがられますけど(苦笑)。

村上 例えばRPGでも、レベルアップを目指す人、アイテムのコンプリートを目指す人、最強の武器を集める人など、楽しみ方はさまざまですよね。

アナログ ナイアンティックも、ミッションデー(地元自治体やエージェントが主体となって開催する公式イベントで、指定ポータルを回るスタンプラリーのようなミッションを用意)や、勝負に関係ないクロスファクションでのファーストサタデー(クロスファクションで開催する新人エージェントのレベルアップ公式イベント。毎月第1土曜日に開催)などを開催し、多様性を提供する姿勢を見せてます。

 ミッションデーではスタンプラリーをしたり、全然知らない役所の人たちに一生懸命いろいろなことを説明したり、裏でいろんな交渉をしたり、関わり方もさまざまです。私は夜中にフライヤー作りのために起こされました(笑)。その間はスマホ画面を見ているわけじゃないですけど、楽しかったよって言われるとうれしいです。

村上 学園祭みたいなノリですね。

アナログ 目の前のことにとらわれすぎている人は、もったいない。Intel Map(地図で陣地の様子を確認できる)で自分の半径200メートルくらいが青か緑かだけ見ててもしょうがないですよ。

リチャ 自宅周辺を緑にして満足したけど、グローバル的に見ると青のエリアが1桁多いとか普通にありますよね。

アナログ そうそう、どうせインドでしょ! インドがある限り私たちが地道に活動しても関係ないんだよ! って。

一同 爆笑。

村上 改めて規模の大きいゲームだなと思います(笑)。最後に、他のエージェントに伝えたいことやアドバイスがあればお願いします。

リチャ 女性はゲームで仲がいいからと誰にでも気を許さないでください。あと、家ポータル含め、何事にも執着しすぎないこと。これはあくまでゲームであり、リアルに影響を及ぼしてまでやるものではないです。おかしいと感じたら、すぐ誰かに相談してください。スキャナーに付いているCOMM(チャット)機能をもっと活用してみてください。

チャット画面 ゲーム内チャットで会話もできる

アナログ ゲームとリアルの距離感は違うと自覚することですね。私も楽しいゲームが恐怖の対象に変わる前に、早めに誰かに相談することを勧めます。

BBA 私はゲーム外の危険に敏感になってほしいなと。夜間出歩くときは、安全のためにLEDで発光するセーフティバンドを着けるとか。身の安全を守れるし、自分が不審人物扱いされにくくなるメリットもあります。常に想像力を働かせて、自分の振る舞いが他人に迷惑をかけていないか問いかけてみてください。

マイコン 危ないなと思うエージェントがいたら、近づかないことですね。ゲーム内人格とリアルは切り離しましょう。ハングアウトでの会話でも相手に敬称を付けるなど、本人を目の前にしても問題ない言動を心がけましょう。つまらないなと思ったら、休んでもいいと思います。

トレッカー ちまたでいうソーシャルゲームよりソーシャル性が高いと思います。実際の土地への愛着が異常な執着につながることもあるでしょう。

 敵に対してヘイト(嫌悪感情)を持つ人もいますが、対戦相手がいないとそもそもゲームは成立しません。ゲームの勝敗をリアルに持ち込まず、楽しみましょう。

化石 イングレスはARG(代替現実ゲーム)という日本ではあまりなじみのない新しいジャンルのゲームです。現実と仮想が巧みに入り交じっている点を理解しないと、知らない間に境界線が分からなくなります。

 スキャナーの攻撃通知に表示される名前は実在する誰かです。あなたが立っている場所は私有地で、公共の場ではないかもしれません。気付かないうちに法律を犯していないか、ということを思い出してほしいです。

 イングレスは自分から働きかけないと何も変わらないゲーム。連携したければ声を挙げて仲間を集めればいいし、助けがほしいときは「助けて!」とチャットで叫ぶといいです。あなたの呼びかけに応えてくれるメンバーはたくさんいるはず。それがイングレスの醍醐味(だいごみ)ではないでしょうか。


 現実と仮想の融合――そのユニークな特徴は、トラブルの原因となる一方で、イングレス最大の魅力でもある。今年はナイアンティックとポケモン・任天堂がコラボした位置情報ゲーム「Pokemon GO」がリリースされる。若者を中心に多くのユーザーがプレイするだろう。そのとき起きるかもしれないトラブルについて、ベテランエージェントたちに学ぶことは多そうだ。

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