IIJ「mineoにはビックリした」 mineo「iPhone問題で神の手が来た」――トークセッションで語られたこと(2/2 ページ)

» 2016年08月08日 19時51分 公開
[田中聡ITmedia]
前のページへ 1|2       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

IIJmio郵便局での販売は、mineoにとって複雑な思いが?

mineoファンのイベント IIJ堂前氏

 IIJが開始した郵便局でのSIMの取り扱いについて、mineo側には複雑な思いがあったようだ。

堂前氏 (郵便局は)非常に大きな店舗網なので注目されているが、正直騒ぎすぎかなと思っている。あくまでカタログ販売で、販路が1つ増えたという形で考えている。ビックカメラをはじめ家電量販店は売り慣れているが、郵便局はこれから体制を整えるので、いきなりどかーんと立ち上がることはないと思う。

上田氏 郵便局を口説き落としたのがすごい。われわれも「(mineoを)郵便局に置かせてください」と相談したが、実績を話したところ、「ああそうですか」と終わってしまった。そういう経緯もあって、IIJさんには「やられたー」という感じで見ていた。

佐々木氏 担当によると、かなり胃に穴が空くような話だとは聞いていた(苦笑)。

 これだけ多くのMVNOがレッドオーシャンにひしめく中、生き残るために何が必要になってくるのだろうか。

佐々木氏 僕らはお客さんともっと近くにいたい。お客さんに支持していただかないと、ニッチな存在から抜けられないと思っている。大企業になるとお客さんとの距離は空いていくと思うが、それでも歯を食いしばってやっていかないといけない。

 (IIJmioの)Twitterで4万人も相手をしているけど、ここを続けられる限りは続けていきたい。IIJmio meetingも続けていきたい。mineoさんにお呼ばれしたら、こういったところでもお話をしていきたい。なるべく皆さんのニーズと僕らの目線を合わせ続けていきたい。

森氏 ユーザーとの距離を近くにするという話は、われわれもその通り。冒頭で「安心感」の説明をしたが、それだけでは不十分。安心はマイナスをゼロに戻すものだが、ゼロからプラスにするのは「信頼」だと思っている。信頼されるMVNOが今後残っていく。お客さんの声を受け止めて、言えることはオープンに言って、その中で一緒にサービスを良くしていければ、信頼につながると思う。

参加者 (格安SIMの)支払いはクレジットカードが多い。口座振替に対応すれば、ユーザーが増えて業界全体が潤うと思うのだが。

森氏 決済手段は軽い方がいいけど、軽くするほど悪いことをする人も増えていく。クレジットカードは最低限(必要)だと思っている

堂前氏 例えばBIGLOBEさんは口座振替ができる。何社かは口座振替に対応していることは、そのMVNOの魅力だと思うので、そういった形で選んでいただくのはありだと思う。

参加者 IIJさんは家電量販店に出張所を出している。mineoさんは直営店を出している。それぞれのスタイル対してコメントをいただきたい。

堂前氏 実は、個人的には直営店を出したいとは思っている。社内で「直営店を出しましょうよ。僕店長をやりますので」と言ったら、「お前いくらかかると思っているんだ!」と却下された(苦笑)。直営店は楽しいというのもあるだろうし、安心感にもつながるので、うらやましいと思っている。

森氏 IIJさんはBIC SIMという形でがっつりやっているので、なかなか入っていく隙がない。量販店さんではなかなか目立つ場所に置けないことがある。やりたい接客ができる場所としてアンテナショップは必要なので、数店舗は出していきたい。

端末・ネットワーク:動作検証はどのように行っている?

 自社の通信サービスに、各種スマホが対応しているかを調べることも重要な仕事の1つ。動作検証の裏側も語られた。2社が特に口をそろえたのが「iPhoneの検証は大変」ということ。またスピードテストの手法についても説明された。

杉野氏 iPhoneは端末の調達が難しい。iPhone 6sのときは心斎橋のアップルストアに始発で並んだ。iPhoneの検証はIIJを抜かそうとやっているので頑張っている。

堂前氏 やはりiPhoneは大変。6sのときは並べば買えたけど、SEは店頭販売がなかったので非常に困った。

 単純にSIMを挿して動くかどうかだけではなく、より踏み込んだ取り組みの1つとして、携帯電話の基地局の“ふり”をするシミュレーターを購入して動作確認をしている。例えば緊急地震速報。SIMフリースマートフォンでは、緊急地震速報が表示されないものがあるが、地震を待つわけにもいかず、なかなかテストができない。このシミュレーターで緊急地震速報の信号を送れるので、動作を確認している。

mineoファンのイベント IIJでは基地局シミュレーターを使い、SIMロックフリースマホに緊急地震速報が表示されるかについても調べている
mineoファンのイベント イベントで披露された基地局シミュレーター。「フェラリー1台を買える」ほどお高いのだとか

上田氏 ネットワークのスピードテストを行っていて、机に並べてひたすら測定している。毎日測ってマイネ王に書かれたり、2chを見て心を折られたりしている(苦笑)。

mineoファンのイベント mineoの端末動作検証では、電波暗室を使っている

堂前氏 私たちもスピードテストは気にしていて、IIJでは自動化を頑張っている。社内に測定専用の端末とサーバを置いて、自動でテストをして、どのぐらい網が使われているかを確認している。

 皆さんと同じスピードテストアプリを使うこともある。スマートフォンにUSBケーブルを挿してPCからコントロールできるようにしている。皆さんもスピードテストは大好きだと思うけど、それに冷や水をかけるような記事も書いている。

 スピードテストできれいに数字は出てくるけど、唯一無二の正解というわけではない。例えばキャリアのネットワークが混雑しているところで測っても意味がない。意識はしているけど、数値を評価するときは前提条件を持って評価したい。そのうえで話ができると冷静な議論ができる


 ケイ・オプティコムがmineoのユーザーイベントを開催したのは今回が初めてだが、同社はコミュニティーサイト「マイネ王」で、以前から積極的にユーザーと交流を深めており、ここで挙がった意見がきっかけで生まれたサービスもある。IIJは以前からユーザーイベント「IIJmio meeting」を実施しており、7月のイベントで12回目となる。佐々木氏と堂前氏を筆頭に、サービスへの思いを実直に語る姿勢が支持を集めている。

 2社に共通するのが、ユーザーとの距離を縮めようとする姿勢だ。現在はコアなファンや業界関係者がサイト・イベントに多く集まっている印象だが、これらの場を起点に一般ユーザーにも訴求できるようになれば、さらにシェアを増やす起爆剤になりそうだ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  2. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  3. 「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に (2026年03月09日)
  4. 自分で修理できるスマホ「Fairphone(6th Gen.)」を見てきた わずか10分で画面交換、2033年まで長期サポート (2026年03月10日)
  5. 携帯キャリアの通信9サービス、総合満足度はpovoがトップ サブブランド勢が好調 MMDが調査 (2026年03月10日)
  6. 60ms未満の音声遅延速度で端末をワイヤレス化「UGREEN USBオーディオトランスミッター」が30%オフの2309円に (2026年03月09日)
  7. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  8. Qualcommのウェアラブル新チップが「Elite」を冠する理由 最新モデム「X105」は衛星通信100Mbpsへ (2026年03月11日)
  9. 【無印良品】ウエストポーチもになる「スリングバッグ」が3990円に値下げ中 植物由来の原料を使用 (2026年03月11日)
  10. 「えっ、地震?」──LINEが安否確認テスト 1日限定で 「紛らわしい」との声も (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年