もちろん、iPhone 7とiPhone 7 Plusは日本市場のためだけのものではない。Appleが紹介した10の項目のうちの1つは日本のためだけのものだったが、それ以外もまた新型iPhoneの魅力を裏付けるものだ。
その中でも注目だったのは、「カメラ機能」の進化だろう。
カメラ機能はiPhone 7とiPhone 7 Plusともにイメージセンサーからレンズ、各種センサー類、フラッシュ機能まで、ほぼ全てのハードウェアが一新、それにあわせてカメラ関係のソフトウェアも全面的に刷新されている。iPhone 7シリーズが搭載するA10チップには専用のISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)が内蔵されており、これを使ってソフトウェア側で25ミリ秒で10億以上の高画質化処理を行うという。iPhoneは以前から、同程度のカメラ性能を持つ他のスマートフォンに比べて撮影した写真の画質がきれいだったが、その傾向がiPhone 7ではさらに強くなりそうだ。
一方、iPhone 7 Plusはデュアルカメラ構成になり、ソフトウェアと組み合わせてより本格的な写真撮影が可能になる。iPhone 7 Plusに搭載されるカメラは、広角と望遠という構成になっており、画質劣化がほとんどなくズームで写真が撮れるほか、Depth Effectという機能を使ってボケ味のある本格的なポートレート写真も撮影できるという。
昨今のInstagramの流行を見るまでもなく、スマートフォンで撮影した写真は、人々のライフスタイルやコミュニケーションにおいて重要な位置を占めてきている。そのような中でiPhone 7とiPhone 7 Plusのカメラ機能は、難しくなく気軽に使えるというスマホカメラのよさはそのままに、本格的なカメラに匹敵するきれいな写真が撮れるようなっているのだ。
日常的な使い勝手の部分でも、iPhone 7/7 Plusの改善点は多い。
まず日本でもニーズ高い防水・防塵(じん)機能。iPhone 7/7 Plusでは本体の基本構造から各部材の配置まで全てを見直し、IP67準拠の防水・防塵機能を実現。しかもこれは単純に防水性能を高めただけでなく、A10チップをはじめとする各プロセッサの廃熱をデザイン段階から考慮して、防水端末にありがちな熱暴走や熱ダレが起きないような設計にしているという。
音響関係では、内蔵スピーカーのステレオ化と音量増大を行ったほか、3.5φのイヤフォンジャックを排して、デジタル接続のLightningオーディオか、ワイヤレスイヤフォンやヘッドフォンを使う形に改めた。とりわけAppleが推奨しているのはワイヤレス化の方であり、そのために同社では新開発のワイヤレスオーディオプロセッサ「W1チップ」まで開発した。これを用いたApple流の新たな音楽リスニングのスタイルが、「AirPods」というわけだ。
UIデザインの面では、ホームボタンの変更が大きなトピックスだ。ホームボタンはこれまで独立した部品で構成され、そこに指紋認証用のTouch IDが内蔵されるなどして進化してきた。しかしiPhone 7/7 Plusでは物理的なボタンはなくなり、ボディーと一体化した。ボタンを押したような感触は、疑似的にクリック感を生成するタプティックエンジンを用いて行う。実際にハンズオン会場で試したところ、これまでの物理ボタンと押し込んだ時の感触はやや異なるものの、クリック感自体はしっかりと感じられた。
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