―― iPhone 7の発売で契約数や利用動向に変化はありましたか?
上田氏 弊社もiPhone 7の発売に合わせて新規キャンペーンを9〜10月に打っていますので、その効果はけっこう出ています。
―― 今年も発売日にiPhone 7を買って検証をしたんですよね。
上田氏 そうですね。発売日に心斎橋のアップルストアに並んで買ってきて、検証しました。その結果を、リアルタイムでマイネ王に載せていました。
―― iPhone 6sとSIMの挙動は変わらないのでしょうか。
上田氏 iPhone 7ではauのSIMで音声通話ができないという結果が出ています。auのVoLTE SIMだと通話できますが、通常(VoLTE非対応)のnanoSIMだと、われわれの検証では音声通話はできませんでした。一方で、マイネ王の書き込みを見ると、できたという報告もありました。そのへんは継続して動作確認中です。もしかしたら、初めてiPhoneにSIMを挿したときは動かなくて、以前iPhoneを使っていて、そこから7に差し替えた場合は動くのかな? とも推測しています。
―― AプランはiPhoneではテザリングができませんね。
上田氏 そうですね。KDDIさんには「できるようにしてほしい」というようなことは言っているのですが……。
―― iOS 10のバージョンアップ後は、特に問題なく使えている。
上田氏 はい。2時に(更新ファイルが)降ってきたので、リアルタイムで確認しました。auもドコモもSIMフリーもソフトバンクのiPhoneをずらーっと並べて、全部インストールして確認しました。
―― iPhoneの利用率は上がってきているのでしょうか。
上田氏 ユーザーさんの動向を見ると、以前の6sなどと比べて、大手キャリアユーザーの申し込みも多いようで、日本人はiPhoneが好きなんだなと。いろいろな使い方や買い方をしながら、mineoもいろいろな使い方ができることを示していけたらと思います。現在は(主に)大手キャリアしかiPhoneは扱えないですけど、MVNOでも扱いたいなぁと。
―― 壁が大きいんですかね。
上田氏 当たってみないと分からないので……。iPhoneのブランド力はすごく大きいので、iPhoneとMVNOという組み合わせで、(壁を)突破できたらとは思っています。
―― 取り扱うとしたら、iPhone 7ではなく、それよりも前のモデルになるのでしょうか。
上田氏 前のバージョンになるかもしれないですし、次のiPhoneに向けての交渉になるかもしれません。やり方はまだ考えられていないのですが。
―― UQ mobileはKDDI、Y!mobileはソフトバンクの後ろ盾が大きそうです。UQさんのように、KDDIと組んでiPhoneを取り扱うのは難しいのでしょうか。
上田氏 話はちらっとしているのですが、なかなかスッと進むような感じではないですね。思いつきレベルですけど、いろいろなMVNOと組むとか、そういう方法もあるかと思います。
―― 店舗についても聞かせてください。9月5日には名古屋にmineoショップをオープンし、2017年2月には渋谷にオープンします(関連記事)。
上田氏 もともとはWebの契約がほとんでしたが、一般層に広げようとすると、最低限の店舗が必要になります。一方で、直営店を増やすとコストがかさんで、結局MVNOの料金に跳ね返ってくるので、やみくもに増やすよりは、家電量販店やサポート店(mineoの初期設定やスマホの利用方法に関するサポートを有料で提供する店舗)を組み合わせることで、トータルコストを抑えたいと考えています。
―― 最低限の規模はどれぐらいですか?
上田氏 これ以上、直営店を増やすことは考えていません。東名阪の3店舗+ちょっとですね。日本全国で促進できるよう、サポート店を含めて100店舗ぐらいを目指しています。
―― 初心者向けにはどうアプローチしていくのでしょうか。IIJが提携している郵便局のような、一般層が集まるところでの販売もあり得ますか。
上田氏 今までの主な契約者は30〜40代男性で40%ぐらいでしたが、最近は若者と女性が増えています。女性も最近は30%ぐらいまで比率が上がっています。女性が集まるコミュニティーでmineoを紹介して、mineoの良さを知ってもらいたい。最近は女子部JAPANさんと組んでイベントを実施して「mineoというのがある」「安くなるんだ」ということを紹介しています。こうした取り組みを強化していきたいですね。
―― 7月にはIIJさんと組んで「mineoファンのイベント」を実施しました。初心者というよりは詳しい方々が集まっていましたが、このイベントの狙いを教えてください。
上田氏 100人規模でユーザーさんに集まっていただいて、情報交換をしたかったのが狙いです。IIJさんと組むということもあり、応募されたのはリテラシーが高い方々でした。それはそれでいいと思いますが、参加者に話を聞いたところ、質疑応答で質問も答えの意味も80%〜90%が分からないという方もいらっしゃいました。そうした方々に合ったコミュニケーションを繰り返さないといけない。リテラシーのレベルをそろえた形でイベントをやった方がいいと実感しました。
―― その他のユーザーからの反響はいかがでしたか?
上田氏 アンケートを取ると満足度が高く、8割以上の方から「よかった」という回答をいただけたので、今後もやりたいと思います。
他にオフ会もやっていて、10月も大阪、東京、名古屋で10〜20人レベルでやります。中小規模のオフ会を繰り返しながら、100人規模のファンの集いを年に1〜2回やって、スポットで女性向けのイベントを間に入れていくという感じですね。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.