インタビュー
» 2017年06月30日 19時57分 公開

docomo withの反響から、AIの取り組み、5Gの料金まで――ドコモ吉澤和弘社長に聞く (2/4)

[田中聡,ITmedia]

フィーチャーフォンは年に1回のペースで投入

―― docomo withでフィーチャーフォンへの移行も進んだというお話がありましたけど、まだまだ根強いニーズが残っています。夏モデルにはフィーチャーフォンがありませんでしたが、今後のフィーチャーフォンの扱いについて教えてください。

吉澤氏 今はAndroidフィーチャーフォンというか、4G対応の機種を出していますけど、基本的には根強い人気があるので、今後も新しい機種は出していきたいと思っています。ただ、インターバル(発売の間隔)が短いということにはならない。少なくとも半期ごとに出すことにはならないでしょうね。

ドコモ吉澤和弘社長 2016年後半に発売した「AQUOSケータイ SH-01J」(左)と「P-smartケータイ P-01J」(右)が、今のところドコモの最新フィーチャーフォン

―― スマートフォンについては、SIMフリー市場でHuaweiやASUSがシェアを伸ばしていますが、このあたりの端末を採用する可能性はありますか。

吉澤氏 私どもも提案はいつも受けています。お客さんからの要望が合致すれば、採用することになると思いますし、あとは値段の問題もあります。Huaweiさんとはdtabやキッズケータイを開発していますが、スマートフォンになると、私どもの要望に必ずしも応えられていないところがあります。

―― やはりおサイフケータイや防水仕様は取り込まないと……。

吉澤氏 それは絶対的に必要ですね。

―― 総務省のタスクフォースで実質0円が禁止になってから、他社が端末の販売台数を減らしている中で、ドコモさんはむしろ増えています。これはなせでしょう?

吉澤氏 新規よりも機種変更がかなり多いですね。2〜3年前の機種でもいいものはありますけど、今のスマホの仕上がりもよくなってきています。スマホだと、取り換えの間隔が短くなってきている兆しはあります。フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行も促進していて、「はじめてスマホ割」や「シニアはじめてスマホ割」のようなキャンペーンもやっています。

 ただ、タスクフォースの影響は当然ありましたけどね。2016年2月は、駆け込みでドーンと(端末の購入が)あって、第1四半期は落ちて、第2四半期は盛り返しましたけど。

―― 一方、総務省の新しいガイドラインでは、2017年6月1日以降に発売される端末の実質価格は、2年前の同型機種の下取り価格以上になるよう定められました。この影響で、下取り価格や端末の実質価格が変わることはあり得るのでしょうか。

吉澤氏 それをもとに、下取り価格をわれわれがコントロールするつもりはないです。中古の市場もあるわけですから。どれぐらいで扱われているのかも含めて、考えていきます。まだ分かりませんが、9月に……(新しいiPhoneが)出たとして、6sの価格が1つの基準になりますよね。そこはしっかりと(ルールを)守ろうと思っています。

MVNOよりもセカンドブランドを注視

―― この1〜2年でMVNOが成長し、auは「UQ mobile」、ソフトバンクは「Y!mobile」をサブブランドに掲げて格安志向のユーザーを取り込んでいますが、ドコモとしてどう対抗していこうと考えていますか。

吉澤氏 実は、ドコモからMVNOへのポートアウトは、ここ1年でほとんど変動はありません。ただ、(2016年度の)2四半期と3四半期にY!mobileへのポートアウトが少し増えました。UQ mobileさんにも、出てはいますけど、絶対数はY!mobileに比べると少ない。ですので、長く使っている人がお得になるということで、今回のdocomo withなどで、どういうふうに成果が出るのかは見ています。

―― docomo withは、MVNO対策を見越した施策でもあったと。

吉澤氏 MVNOというよりはセカンドブランドですね。はっきり言って、MVNOに出ていく人を止めることは考えても仕方がないと思っています。社内でもよく言っているんですけど、アフターフォローをしっかりやりましょうと。それが横軸にあって、料金もそれになりに高いと。

 MVNOだとフォローがあまりないですし、コールセンターに電話してもなかなかつながらないと言われています。それで料金は安い。そういうものを求める方を追うつもりはありません。セカンドブランドは、その(キャリアとMVNOの)ちょうど間ぐらいに位置付けられるので、そこに対しては、ドコモの中でとどまってもらう施策ができるのかなと。ですので、セカンドブランドをやるつもりはありません。

―― グループ会社のNTTコミュニケーションズもMVNOをやっていますが、他のMVNOと同じくフラットに対応していくと。

吉澤氏 フラットです。IIJさんも楽天さんも同じです。僕らはMVNOユーザーをお客さんだと思っています。ドコモから出ていっても、ドコモの回線を使っているわけですから。あと、auやソフトバンクさんからも(ドコモ系の)MVNOに来るわけですから。例えばドコモのARPUが4000円で、MVNOでのARPUが1000円だとしたら、ドコモ、au、ソフトバンクからMVNOに来たらARPUが3000円になりますから。

 またMVNOは、新規での加入もあります。例えば法人が自分のソリューションと一緒に売り込みたい、遠隔で医療機器を監視するなど。そういったものが2〜3万台といっぺんに出てくれば、新規でMVNOの接続料として入ってくるので、MVNOとも連携します。

―― とはいえ、例えばシンプルプランは、格安SIMへの対抗という狙いもあるように見えるのですが。

吉澤氏 「MVNO対抗」という言い方はしていません。シンプルプランは、通話が少ない人向けですからね。そういった意味では、データ通信も使ったり使わなかったりすることもあるので、グループで使うシェアとうまく組み合わせてお得に使ってほしいですね。

―― 一方で、単身のユーザーだとシンプルプランは利用できません。

吉澤氏 そうですね。そこはご要望をいろいろといただいています。どういう形がいいかは、今考えています。家族を重視するスタンスは変わりませんが、例えば、もっと発展させたときに、三親等や二親等の家族だけではなくて、何かのグループで組むことは、アイデアとして考えられます。

―― 友達や恋人同士で、というのも考えられますね。昔、ボーダフォンで「LOVE定額」という通話し放題のサービスがありました。

吉澤氏 あった、あった。ありましたね(笑)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia Mobile に「いいね!」しよう