2017年夏のスマホカメラ四天王「Xperia XZ Premium」「Galaxy S8+」「HUAWEI P10 Plus」「AQUOS R」徹底比較、の後編。風景や料理、夜景といった人物以外の作例で画質をチェックした。また、Xperia XZ Premiumのセンサーが読み出し速度の高速化によってローリングシャッターゆがみを軽減したというので、そちらもチェックしてみた。
では風景編から行こう。
まずはこちらをどうぞ。雷門がメンテ中でちょっと寂しいけどご容赦を。4枚を縮小して1つにまとめてみた。1台だけ大きく違うのが分かると思う。写っている範囲が違うのだ。AQUOS Rである。
どのくらい広い範囲が写っているかはレンズで決まる。広い範囲が写っていれば「より広角」ということで、「画角が広い」なんて言う。画角の広さは慣習的に35mmフィルム換算の焦点距離で示すわけで、その数字が小さい方が広い範囲が写ると思っていい。
Xperia XZ Premiumは25mm相当、Galaxy S8+は26mm相当、P10 Plusは27mm相当と微妙に違いつつ似た数値におさまっているのに対し、AQUOS Rは22mm相当とひとまわり広い範囲が写るのだ。
これはすごい。日常を記録するなら広角の方がたくさんの情報が入っていいし、人と背景を一緒に撮るなら広角の方がいいし、広角の方が遠近感が強く出るので楽しい。
今、インスタなんかを見ていると広角が流行しているわけで、その点、目の付け所がシャープだなあと思う次第である。
では1つずつ。Xperia XZ Premiumは約1920万画素。前モデルより少し減ったとはいえ、十分に高画素で、ディテール描写もしっかりしている。センサーが少し大きめなのもよい。
Galaxy S8+は約1200万画素。撮影時のモニターが見やすくていい。
P10 Plusも画素数は1200万画素だが、ダブルレンズカメラによるディテールの描写力はいかに。
AQUOS Rは約2260万画素と今回の4機種の中では最高画素数。他より広角だが画素数が多いので情報量的にはすごいはず。また、マルチAF機能で中央以外の被写体にも自動的にピントを合わせてくれる。
多くのスマホカメラは顔検出しない限り中央にフォーカスを合わせるので、メインの被写体が端にいるときはタッチAFを使わざるを得ないが、AQUOS Rは中央以外も見てくれる。これはいい。
続いて青空の写りも見てみよう。いつものガスタンクだ。
まずは色や階調のチェック。ここでもAQUOS Rだけすごく広い範囲が写っていてすごいのだが、それはそれとして、色を見てみよう。
同じ青空でもけっこう違うのが面白いところ。Xperia XZ Premiumはコントラストがしっかりしておりガスタンクの陰影もきれいに出ている。
ガスタンクの色が肉眼で見た色に近いのはXperia XZ PremiumとP10 Plusだ。AQUOS RとGalaxy S8+はちょっとクールめ。
ではディテールの描写力を見てみよう。中央部、後ろに隠れているガスタンクのあたりを拡大表示してみた。
奥のガスタンクの手すりや避雷針(だよね)を支えているワイヤがちゃんと描写されているか、そらにノイズは乗ってないか、ガスタンクのエッジに不自然さはないか、あたりがチェックポイントだ。
AQUOS Rは残念ながら細いワイヤが見えてない。ディテール描写力が高いのはXperia XZ Premiumだった。Galaxy S8+はちょっとシャープネスがきつめ。P10 Plusはディテールはやや甘いところもあるが不自然なシャープネスもかかっておらず、ナチュラルでいい。
意外に差は出るモノなのである。では元画像もどうぞ。
という感じで、風景チェックでは、Xperia XZ Premiumが優秀。AQUOS Rは画素数を増やしすぎたかな、というところか。
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