「ビジネスよりも安全」「中国企業だからこそプライバシー重視」――中国Huaweiが考える品質のあり方(3/4 ページ)

» 2017年09月07日 05時30分 公開
[井上翔,ITmedia]

日本に投入する製品では日本製部品を多めに採用

馬氏 消費財は大量生産・自動生産することで同一品質を保つ事ができます。国や地域によって異なる品質基準を設けることは、管理リスクをむしろ大きくしてしまいます。

 ただし、国・地域独自の基準や独自の利用シーンというものはありますから、それを踏まえた追加の試験や検証も行うようにしています。例えば日本向けに出荷する機種については、外観の検査、防水試験や落下試験を重点的に行うようにしています。 

 また部品についても複数のサプライヤーから供給を受けるようにしていますが、日本向けに出荷する機種については、(他国のサプライヤーと)品質が同一であることを前提に日本の部品メーカーのものを採用することが多いです(参考記事)。

honor6 PlusではJDI製ディスプレイを採用 日本向けの「honor6 Plus」ではジャパンディスプレイ(JDI)製のIPS-NEO液晶を採用した

 今となってはスマホに対する品質要求は技術面だけにとどまらなくなっています。例えば「故障率の低いものが良い」といった要求だけではなく、スマホが「サクサク動く」「スムーズに使える」といったユーザーエクスペリエンス(UX)面での要求が増えています。

 UXを高めるために、弊社でもさまざまな取り組みをしています。多くのユーザーの声に耳を傾け、社内でグローバルユーザーの声を還元するシステムも導入しました。現在、1日あたり約30万件の意見が研究開発(R&D)部門に届いています。

 これらの声をビッグデータとして分析をすることで、ユーザーが最も改善してほしいと思っている所を速やかに改善して製品に反映しています。例えば、長時間使うほどレスポンス(応答速度)が遅くなるという声を受けて、ソフトウェアを最適化してライフサイクル中(ユーザーがスマホを使っている間に)システムが遅くならないように改善しました。その結果、ユーザーの端末に対する評価を上げることができました。

サプライヤーと一緒に問題を乗り越える

―― HUAWEI P10シリーズは日本でも高い評価を受けています。P10シリーズを含めて、Huaweiにおいて開発・製造過程で品質上問題になったことやその解決法について話せる事があれば教えてください。

馬氏 友人からも「(Huaweiと)他のメーカーのスマホと品質面での違いはあるのか?」とよく聞かれます。そこで私は「1台のスマホを開発するのにどれくらいの期間が必要だと思う?」と聞き返しました。すると「スマホは部品を組み合わせて作るものだから、3カ月程度かな?」と答えたので「Huaweiでは9〜15カ月かけている」と返したことがあります。

 スマホの品質面において最大の障壁となるのは、その部品の数です。機種ごとに異なりますが、スマホには200〜500の部品が使われていて、それらの中の1つでも壊れると、スマホ全体が機能しなくなる可能性があります。9〜15カ月の開発期間の間に、部品1つ1つの品質はもちろん、複数の部品を組み合わせた際の品質、組み立てた後の“1台のスマホ”としての品質を都度チェックしていく必要があります。

 その過程では、サプライヤーと共に品質管理をしっかり行うことが重要で、最大のチャレンジです。実は、開発過程において品質面での問題が発生したことも多数あります。

 例えば、あるスマホの開発過程ではカメラのピント合わせに問題があることが判明しました。詳しく調べたところ、カメラモジュールが原因であると分かりました。より突き詰めて調査したところ、カメラモジュールのサプライヤーが別のサプライヤーから供給を受けた(ピント合わせ用の)モーターに問題があることが明らかになりました。最終的にモーターに使われていた接着剤に問題があることが分かり、モーターのサプライヤーにおいて解決を行うことになりました。

 現在、力を一番入れていることは1次はもちろん、2次、3次サプライヤーまで通して共同で品質を高めることです。弊社から500〜600人の専門家がサプライヤーのもとに出向して、品質をチェックをするようにしています。

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