シェア急増の楽天モバイル 「スーパーホーダイ」や「iPhone販売」の狙いを聞くMVNOに聞く(2/3 ページ)

» 2017年09月21日 20時00分 公開
[石野純也ITmedia]

端末の“三木谷割”にも期待? コミコミプランは終了

―― 端末の割引もありました。ここは、“三木谷割”の楽天モバイルとして期待されていたところだと思います。

大尾嘉氏 僕らがそう呼んだことは1回もないのですが(苦笑)、確かに端末の割引は2015年ごろからやっていました。MVNOに変える際に、スイッチングコストが高いという声が多かったからです。ただ、(新端末を出した際に)どうせキャンペーンをやるんだろという声があった(結果、買い控えが生じた)のも事実です。ですから、新料金プランでは、最低利用期間を2年、3年といっていただければ、そのぶん端末をディスカウントします。SIMカードのみの場合も、1万ポイント、2万ポイントという形で還元します。

 例えばですが、1万9800円の端末は、2年の最低利用期間なら9800円、3年なら0円にプラスして200ポイントがもらえます。しかも、大手キャリアとは異なり、最低利用期間には自動更新もありません。大手キャリアの場合は、24カ月たった後、自動的にさらに24カ月縛られますが、僕らの場合は1年でも2年でも、最低利用期間後なら好きなときにやめられます。

 (インタビュー時点で開始から)1週間ぐらいたったところですが、割引が最大になる3年にする方が多いですね。

楽天モバイル 契約の自動更新は行っていない

―― 3年といっても、途中で機種変更はできるんですよね。

大尾嘉氏 はい。機種変更の値段まで下げることはできませんが、できることはできます。端末は僕らから買っていただいてもいいですし、量販店で新しい端末を買って、SIMカードだけ差し替えることもできます。

 こうしたお客さまの声を聞いて、それに答えることを高速サイクルで回してきました。それがサービスの向上、改善に生きています。結果として、店舗も170になりました。

―― 端末とセットのコミコミプランはどうなったのでしょうか。

大尾嘉氏 コミコミプランはなくしました。コミコミプランの場合、高い端末は高いプラン、安い端末や低いプランというひも付きがありました。それを今回は切り離したというのが、大きな特徴になります。

 そうはいっても、容量別の組み合わせプランは残しています。中には5分かけ放題がいらないという方もいますし、そもそも通話はいらないからデータSIMでいいという方もいます。そういった方は、組み合わせプランの方が安くなります。

倉澤氏 メインで打ち出しているものは分かりやすさ中心でスーパーホーダイですが、カスタマイズしたい方には柔軟に対応できるようにしています。

「自動更新なし」が格安SIMの決め手という人が多い

楽天モバイル 楽天の倉澤氏

―― お昼の時間帯を300kbpsに制限していますが、このプランの比率が上がると、トラフィック緩和の効果もあったりするのでしょうか。

大尾嘉氏 結果として、ある程度あるかもしれません。ピークは遅くなるので避けようとなると、逆に帯域があることになる可能性もあります。そういったことをお客さまと一緒にやっていくことで、MVNOとして料金を低く抑えられます。

倉澤氏 コスト構造が悪化すると、中長期的にお客さまにご迷惑をおかけしてしまいます。設計は、そうならないようにしています。

大尾嘉氏 ただ、コストありきではなく、お客さまに対する値段ありきで、そこから逆算して、どうやったら実現できるのかをやってきました。

―― 店舗展開をしていますが、そこからの気付きは何かありましたか。

大尾嘉氏 スーパーホーダイの開発には時間がかかりましたが、お店を展開していてよかったと感じました。これがWebだけだったら難しかったと思います。今でこそ新しいカタログでは強く「自動更新なし」とうたっていますが、それがないことが決め手になっていたのも気付かなかったところです。

倉澤氏 うちに来られる方は、ちょうど2年縛りが切れたときに来るので、そこは強く意識しているのかもしれません。

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