世界を変える5G

「NURO Wireless 5G」で“マンションの固定回線問題”を解決できるか MVNO連携にも期待石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2022年03月26日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

ソニーグループのシナジーには期待も、MVNOとの連携はあるか

 サービス開始時点ではあくまで固定回線の置き換えという色合いが濃いNURO Wireless 5Gだが、今後は、ソニーグループの強みを生かしたサービスも展開してく構えだ。コンシューマーに直接サービスを提供するB2C以外の形として、法人向けのB2Bでエンターテインメント系サービスを載せていく計画もあるという。永井氏は「さまざまなデバイスをソリューション化したプラットフォームを提供し、イベント会場や施設、クリエイターの創作環境などでローカル5Gの価値を提供できる」と自信をのぞかせる。

NURO Wireless 5G エンターテインメントを軸に、「NURO 5G」のブランドでB2Bのビジネスも拡大していくという

 コアネットワークに5G専用ものを使う5G SAでサービスを提供しているため、拡張性が高いのも魅力だ。例えば、自社のネットワーク内にMEC(マルチアクセス・エッジ・コンピューティング)のサーバを持てば、低遅延のゲームサービスを提供したり、業務用のアプリケーションを提供したりといったことが可能になる。用途に応じて仮想的にネットワークの特性を変える、「ネットワークスライシング」を導入することもできそうだ。

 永井氏は「ソニーグループ内の連携を最も重視しているところがある」と語っていたが、同じモバイルネットワークを使っているだけに、NUROモバイルとの相性もよさそうだ。NUROモバイル側がフルMVNOとして加入者管理機能を持つのが前提だが、2つのサービスを連携させれば、1枚のSIMカードでNUROモバイルとNURO Wireless 5Gの両方にアクセスできるようになる。ユーザーが意識することなく、外出先は大手キャリアから借りた回線、家では速度の速い自社回線といった使い分けをすることも不可能ではない。

NURO Wireless 5G ソニーネットワークコミュニケーションズは、同じNUROブランドでMVNOのNUROモバイルを提供している。モバイル通信同士で連携ができれば、シナジー効果を発揮できそうだ

 実際、フルMVNOの回線とローカル5Gを連携させ、特定の施設以外でもモバイルネットワークを使えるようにする計画を打ち出しているMVNOも存在する。ただし、現状のローカル5Gに関するガイドラインでは、「他者土地利用」の場合の基地局や端末には固定通信での利用に限定され、原則として端末は移動できない。「管理組合やオーナーの許諾をもってエリア化を進める」(同)が、電柱などを使って道路をまたいでしまうと、制限がかかる。

NURO Wireless 5G 総務省の資料(https://www.soumu.go.jp/main_content/000646535.pdf)。他者の土地をまたがってしまうと、固定通信に提供形態が限定される

 場所によって利用の可否が分かれてしまうのはユーザー側から見て分かりづらいため、現行の制度でNURO Wireless 5Gのようなサービスを提供しようとすると、スマートフォンやモバイルWi-Fiルーターは利用しづらい。もっとも、このサービスはあくまで第1弾という位置付けで、制度自体も変わる可能がある。永井氏は「いろいろな可能性を探っていきたい」と語っていたが、単なる固定回線の代替にとどまらないサービスの拡大にも期待したい。 

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年02月10日 更新
  1. 「iPhoneの調子が悪いです」の文言、なぜアイホンのFAQに? 実はAppleと深く関係 (2026年02月08日)
  2. 総務省有識者会議が「手のひら返し」な我が国への示唆――日本を国際標準から遅れさせたのは自らの愚策のせい (2026年02月08日)
  3. 「東京アプリ」で1.1万円分をゲット、お得な交換先はどこ? dポイント10%増量+楽天ペイ抽選が狙い目か (2026年02月05日)
  4. KDDI、楽天モバイルとの「ローミング重複エリア」を順次終了 松田社長が言及 (2026年02月06日)
  5. 楽天モバイル、1000万回線突破も残る「通信品質」の課題 5G SAの早期導入とKDDIローミング再延長が焦点に (2026年02月07日)
  6. Googleが台湾のPixel開発拠点を公開 「10 Pro Fold」ヒンジ開発の裏側、“7年サポート”を支える耐久テスト (2026年02月09日)
  7. 東京アプリ、PayPayがポイント交換先に追加される可能性は? 広報に確認した (2026年02月05日)
  8. ソフトバンク、短期解約を繰り返す「ホッピングユーザー」を抑制 その理由は? (2026年02月09日)
  9. 東京アプリ、PayPayとWAON POINTをポイント交換先に追加 交換時期は「決まり次第案内」 (2026年02月09日)
  10. 「小型iPhone SEを復活させて」──手放せない理由SNSで話題 どこが“ちょうどいい”と評価されるのか (2025年11月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年