パフォーマンスチェックはいつも通り複数のベンチマークソフトを利用した。評価機の仕様は、Core 2 Duo T7800(2.6GHz)、メモリ1Gバイト、7200rpmタイプの120GバイトHDDに加えて、Intel Turbo Memoryも搭載したパフォーマンス重視の組合せだ。
とはいえ、Windows Vistaの動作の目安になるWindowsエクスペリエンス インデックスの値は3.4。これはチップセット内蔵グラフィックスを利用する宿命だろう。もっとも、メモリは4.5、CPUとHDDはそれぞれ5.4、5.2と5を超えており、3Dゲーム用途以外であればまず不満のないパフォーマンスだ。
PCMark05はIntel Turbo Memoryをオン/オフの両方で実行した。Intel Turbo Memoryで利用可能になる「Ready Boost」と「Ready Drive」は学習効果があるため、PCMark05を5回実行して最も良好だったスコアを掲載した。結果は、Intel Turbo Memoryをオンにした場合のほうがHDD関連のスコアで向上が見られ、トータルスコアにも反映されている。また、どちらの場合でもPCMarksは5000を超えており、PCとしての基本性能は十分に高いことが分かる。
3DMark06のスコアは、さすがに内蔵グラフィックスということで振るわないものの、FFベンチではおおむね実用的に遊べるレベルのスコアを出した。たまに定番ゲームを楽しみたいという程度であれば問題はないだろう。
さて、NJ3000の下位機種となるNJ2050との比較だが、前回レビューしたNJ2050のスペックは、ほぼミニマム構成になっているので、ベンチマークテストの結果を単純に比べることはできない。ただし、PCMark05のスコアを比較してみると、CPUの違いがリニアには反映されないMemoryとGraphicsのスコアで大きく引き離しており、基本システムの違いによるパフォーマンスの差が確認できる。もちろん、価格とのトレードオフもしっかりあるわけだが、本機の存在意義もまたはっきりと分かるはずだ。
本機はグラフィックスチップこそ内蔵に固定されているが、CPUはCore 2 Duo T7800まで選択でき、HDDもパフォーマンス志向の7200rpmタイプを用意するなど、3Dグラフィックス性能に重きを置かない用途であれば、現時点でノートPCのほぼ最高クラスのスペックも追求できる。
一般的な使い方ではそこまでの性能はいらないという人も多いと思うが、例えばノートPCを3年は現役バリバリで使うつもりなら、ユーザーによるパーツのアップグレードが容易でない分、購入時に余裕をもったスペックを選択するのが1つの解だろう。この点では同社の標準で3年と言うパーツ保証も非常に意味が大きい。
もちろん、それほどパフォーマンスを重視しなくても、ほぼ制限なくBTOが可能な本機なら、さまざまな用途に対応した構成で購入できる。例えばビジネスユースであれば「使うソフトが決まっているのでCPUパワーはそこそこでかまわないし、光学ドライブもCD-ROMで十分だけど、広い画面と大容量HDDは必須」といった構成にもしっかり対応が可能だ。Endeavor NJ3000は、大手メーカーのコンシュマー向け製品のような強烈な個性や派手さはないが、ユーザーにとって本当に必要な“使いやすさ”をきちんと考えた優等生的なノートPCだ。
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