見た目はオシャレなXPS 420だが、XPSの看板を掲げる以上、やはりパフォーマンスはガンガンいってほしい。デルの構想としては、「幅広いエンターテイメントをパワフルに楽しめる」ことをXPS 420に期待しているようだが、せっかく評価機に、GeForce 8800 GTXという、最高峰のGPUが搭載されていたので、ここは、エントリークラスのクアッドコアCPUとハイエンドGPUがたたき出すパフォーマンスを市販ゲームを用いたベンチマークで見てみることにしたい。
ただし、ここで1つ注意しておかなければならないことがある。最近のゲームでは、ForceWareのバージョンによってその性能が大きく異なってくる。そのため、3D性能を重視するユーザーは、ForceWareを頻繁にバージョンアップしていく必要がある。しかし、メーカー製PCの常に違わず、XPS 420もユーザーによるドライバアップデートはサポート対象外となる。
そこで、問題となるのが、製品版に適用されているForceWareのバージョンであるが、XPS 420(実は、XPS 420に限らず、デルのGeForce搭載モデルのすべてが)には、ForceWare 「100.69」が適用されている。2007年3月27日にリリースされた、ForceWareのアップデート頻度からすればかなり古い世代で、時期的には「GeForce 8800シリーズのリリース後」「GeForce 8600シリーズリリース前」となる。
最新のゲームタイトルを楽しみたいユーザーからすれば、もう少し新しいForceWareをデルのサイトにアップしてほしいところだが(ドライバダウンロード画面では、NVIDIAの最新ForceWareへのリンクも用意されているが、“このドライバを適用したらサポートしないからね”と警告が記載されている)、デルの説明によると「検証に時間がかかるので」ということで、しばらくはアップデートされる予定がないそうだ。評価機に適用されていたForceWareは「158.16」と、これは製品版と同じでなければ、最新のバージョンでもなかった。しかし、今回はこのバージョンでベンチマークを測定しているので、ご了承いただきたい。
XPS420(1600×1200ドット、nonAA、nonAniso) | XPS420(1600×1200ドット、4XAA、8XAniso) | XPS420(1920×1200ドット、nonAA、nonAniso) | XPS420(1920×1200ドット、4XAA、8XAniso) | XPS420(2560×1600ドット、nonAA、nonAniso) | XPS420(2560×1600ドット、4XAA、8XAniso) | |
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3DMark06:3DMark Score | 10084 | 7797 | 9427 | 7093 | 7260 | 4906 |
3DMark06:SM2.0 Score | 4286 | 3338 | 4012 | 3006 | 3063 | 2006 |
3DMark06:HDR/SM3.0 Score | 4010 | 2788 | 3636 | 2483 | 2566 | 1639 |
XPS420(1600×1200ドット、nonAA、DX9) | XPS420(1600×1200ドット、nonAA、DX10) | XPS420(1920×1200ドット、nonAA、DX9) | XPS420(1920×1200ドット、nonAA、DX10) | XPS420(2560×1600ドット、nonAA、DX9) | XPS420(2560×1600ドット、nonAA、DX10) | |
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World in Conflict Demo | 34 | 30 | 33 | 28 | 28 | 20 |
XPS420(1600×1200ドット) | XPS420(1920×1200ドット) | XPS420(2560×1600ドット) | |
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Unreal Tornament 3 (vCTF-Suspense FlyThrough-PC) | 104.83 | 82.98 | 53.35 |
Unreal Tornament 3 (DM-ShangriLa-FPS-PC) | 76.87 | 64.91 | 46.5 |
XPS420(1600×1200ドット、nonAA、Medium) | XPS420(1600×1200ドット、nonAA、High) | XPS420(1920×1200ドット、nonAA、Medium) | XPS420(1920×1200ドット、nonAA、High) | XPS420(2560×1600ドット、nonAA、Medium) | XPS420(2560×1600ドット、nonAA、High) | |
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PT Boats:Knights of sea benchmark DX10 | 43.5 | 38.5 | 39.9 | 35 | 28.5 | 25.3 |
XPS420(1600×1200ドット、4XAA、8XAniso) | XPS420(1600×1200ドット、8XAA、16XAniso) | XPS420(1920×1200ドット、4XAA、8XAniso) | XPS420(1920×1200ドット、8XAA、16XAniso) | XPS420(2560×1600ドット、4XAA、8XAniso) | XPS420(2560×1600ドット、8XAA、16XAniso) | |
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Enemy Territory QUAKE Wars | 67.4 | 51.6 | 60 | 44.1 | 40.4 | 24.8 |
XPS420(1600×1200ドット、nonAA、DX9) | XPS420(1600×1200ドット、nonAA、DX10) | XPS420(1920×1200ドット、nonAA、DX9) | XPS420(1920×1200ドット、nonAA、DX10) | XPS420(2560×1600ドット、nonAA、DX9) | XPS420(2560×1600ドット、nonAA、DX10) | |
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Crysis Single Play Demo GPU_Benchmark | 17.75 | 9.79 | 14.99 | 8.32 | 8.89 | 4.76 |
“イマイタ”のGPUレビューで紹介しているような、「ハイエンドCPU+ハイエンドGPU」のベンチマークテストの結果と比べると、絶対値としてはかなわぬものの、それでも、評価機環境では、GeForce 8800 GTXのおかげで最新のDirectX 10世代のゲームタイトルを楽しむだけのパフォーマンスを発揮できている。もし、ゲームで楽しむ機会が多いならば、CPUはエントリークラスのクアッドコアを選ぶより、動作クロックが速いCore 2 Duo E6850を組み合わせたほうがいいだろう。
PC筐体のフロントパネルデザインや、天面に配置されたチャージ・ステーション、そして、ミニ・ビューなど、XPS 420はPCとしてのパフォーマンスとともに、こうしたギミックに反応するユーザーもターゲットにした、かなり欲張りなコンセプトを持ったデスクトップPCといえる。ミニ・ビューは利用環境(特にアプリケーション)の整備待ち、チャージ・ステーションも電源供給ラインにもうひと工夫、とそれぞれ現時点では評価をしにくい状況ではあるが、「現実的な予算と現実的なサイズで、ハイパフォーマンスで面白そうなデスクトップPCがないかな」というユーザーには、まさにぴったりと当てはまるのが、このXPS 420ではないだろうか。
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