MacBook Airの秘密に迫る動画リポート(3/3 ページ)

» 2008年01月21日 19時00分 公開
[林信行,ITmedia]
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4年前に否定された“薄型軽量ノートPC”の復活

前刀禎明氏。アップルストア銀座にて

 一時、日本のアップルの「顔」となっていた前刀禎明氏をご存じだろうか。前刀氏は同社の元代表取締役で、米アップルのマーケティング担当バイスプレジデントも兼務していた人物だ。

 4年前の2004年3月、その前刀氏がアップルに入社するため、スティーブ・ジョブズCEOとの最終面接を受けたときに、ソニーの薄型ノートPCを見せて「日本でMacを売るにはこのような製品が必要だ」と訴えた。

 これに対して、当時のスティーブ・ジョブズ氏は猛反対。「そんなのダメだ!」とバカにしていたのだという。当時アップルのPCに対する基本コンセプトは“オールインワン”だった。本体がどれだけ薄く、軽くても、そのノートPCには光学ドライブが搭載されておらず、ポートの数が限られており、当時のPowerBookと比較して単体での拡張性に劣っていた。これが、当時その提案が受け入れられなかった理由だという。

 前刀氏がジョブズ氏に見せたというVAIOは、「PCG-X505/SP」。バイオノート505エクストリームのソニースタイルモデルで、重さわずか785グラム、最薄部9.7ミリ(後部は21ミリ)のモバイルノートPCだ。

 ジョブズ氏の基調講演では、MacBook Airの薄さを強調するために、比較対象としてわざわざソニーを選び、米国での現行最薄モデル「TZ」シリーズ(日本でのtype T)を選んでいたが、これは前刀氏によるプレゼンの印象が強く残っていたからかもしれない。

 ジョブズ氏は、彼自身が大のソニーファンであることを公言しているし、日本で薄型デスクトップPC「VAIO type L」が出荷されたときも、真っ先にカタログを送ってくれと頼んだという逸話で知られている。

MacBook Airは日本市場の試金石

 アップルが薄型ノートPCを発表することについては、かなり前からウワサが流れていたが、その根拠の1つとなっていたのは、昨年の四半期決算のテレカンファレンスで、アップル幹部が「日本対策は打ってある」とコメントしていたことだ。

 Macの売り上げは世界的に伸びているが、日本だけは横ばいの状態が続いていた。このためか、積極的に店舗を増やしていたApple Storeも2006年6月にオープンした「Sapporo」以降は増えていない。

 かつては日本と英国でApple Store店舗の数を競っていたが、現在では英国に2倍以上の差をつけられてしまった(英国のApple Store店舗数は現在13)――その代わり日本では量販店と組んだMac Shopが増えている。

 この日本での売り上げの伸び悩みについて、マスコミや業界関係者のあいだでは、日本の環境にマッチした「薄型軽量モデル」の不在がその理由として挙げられていた。

 しかしその一方で、「薄型軽量ノートを必要としている人は少数派」とする声もあった。日本では多くの家庭がデスクトップ機の代わりに場所を取らないノートPCを1台だけ購入する――それが家に置く唯一のPCとなるので、光学式ドライブを内蔵したオールインワン型が好まれる、という意見だ。

 MacBook Airの成否は、日本国内の市場で求められているノートPCが、薄型軽量なのか、オールインワンなのかを試す試金石になるはずだ(もっとも、Remote Discや小型のSuperDriveがあるために、“ほぼオールインワン”と見なす人も多いかもしれないが)。

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