一方のデスクトップPC「HP Voodoo Omen」は、アルミニウムを採用したタワー型ボディが印象的だ。銅製のヒートシンクやヒートパイプをふんだんに使った液冷システムを導入することで、CPUやGPU、チップセット、電源ユニット(将来的にはメモリも)の熱を効率よく処理して高い性能と優れた静音性を確保したという。ラジエーターは底面にあり、その下から外気を取り入れて上部に自然排気する。タンクはセカンダリディスプレイの裏側にあり、2年間はメンテナンスが不要という。
液冷ユニットのチューブはそれぞれワンタッチで着脱可能で、取り外しても液体は5ミリリットルしかもれず、気軽にメンテナンスできるのも見逃せない。HDDベイは6基あり、別途着脱ユニットを介さずにSerial ATAタイプのドライブを直接収納(ホットスワップ対応)できるのもうれしい。もちろんシステム内部へのアクセスは側面から容易に行え、グラフィックスカードは最大4枚実装可能だ。
ボディ前面上部に7インチのセカンダリディスプレイを内蔵したり、背面にケーブル接続端子が一切なく、天面後部にまとめて配置して配線をすっきりとさせたりと独自の工夫が施されているのも特徴的だ。ちなみに、Voodoo Omenの名称の意味をVoodooビジネスユニットの最高技術責任者(CTO)であるラフール・スード(Rahul Sood)氏に聞いたところ、「そうそう、“ファイティング・ニモ”にインスパイアされたんだよ」と答えていたのが印象的だった。
価格は7000米ドルからで、当初は既存のVoodooブランドPC購入者のみに限定販売となり、10月には一般向けに販売される予定だ。


意外とスリムなVoodoo Omen(写真=左)。システム内部は液冷システムが大部分を占める(写真=中央)。マザーボードにはASUSTeK Striker Extremeのロゴが見える。6基あるHDDベイはドライバレスでHDDを追加できる(写真=右)

前面上部に設置された7インチのセカンダリディスプレイ(写真=左)。解像度は800×480ドットで、Windowsのデュアルディスプレイ表示だけでなく、Linuxを起動させることも可能だ(写真=中央)。光学ドライブは前面に2基のスロットインタイプを内蔵している(写真=右)なお、Voodoo Envy 133とVoodoo Omenとも北米地域で7月以降に発売される予定だ。試しに同社のPCビジネスをつかさどる、パーソナル・システム・グループ上級副社長のトッド・ブラッドリー(Todd Bradley)氏にVoodoo PCの日本での販売を聞いたところ、「考えていない」と即答されてしまった。新モデルは魅力的な製品だけに何とも残念な回答だった。日本でHP Voodooの信者になれるのはまだ先の話になりそうだ。
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