光り輝くボディはホンモノか!?――「HP Pavilion Notebook PC dv3000/CT」を試す進化するZEN-Design(2/2 ページ)

» 2008年06月23日 11時11分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]
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好みが分かれそうな入力環境

 搭載する液晶ディスプレイは13.3インチワイドで、画面解像度は1280×800ドットだ。表面は光沢仕上げとなっており、鮮やかな発色で映像や画像を楽しめる半面、画面への映り込みは気になる。キーボードは、主要キーで縦と横ともに19ミリピッチを確保するが、ファンクションキーのある最上段のキーはやや小さい。また、キーレイアウトもBackSpaceやEnterキーの右側にHome、PageUp、PageDownキーがあるなどクセがある。一方、キーストロークは2.5ミリと標準的で、ほどよいクリック感があり、入力しやすい。ただ、キートップを含めて全体にわたる光沢仕上げによる映り込み、特にパームレスト部分のVM Finishの反射が強すぎて慣れるまでは落ち着かず、入力しづらい印象を受けた。

 タッチパッドは左右中央にあり、ホームポジション直下とは若干ずれて配置されているため、こちらも慣れるまではやや違和感を覚えるだろう。機能面ではアルプス製の多機能ドライバが導入されており、右辺部分が上下のスクロール操作に対応するほか、下辺部分を使った横スクロールや、左上/右上のコーナータップでアプリケーション起動などを割り当てることができる。また、タッチパッド上部にタッチパッド機能をオフにするスイッチが用意されており、キーボード操作中の誤操作を防げる。

 キーボード上部には、電源ボタンのほか、映像や音楽を再生できる同社オリジナルソフト「QuickPlay」の起動や、DVD/音楽CDの再生操作、無線LANのオン/オフに対応したタッチセンサ式ボタンが並ぶ。

13.3インチワイド液晶ディスプレイを搭載する(写真=左)。光沢液晶ゆえ画面への映り込みは顕著だ。上部にWebカメラとステレオマイクを標準で備える(BTOで削除不可)。主要キーで19ミリの正方ピッチを備えたキーボードを採用するが、Enterキーの右側にキーが並び(Enterキーとの間は2ミリある)、カーソルキーもほかのキーに比べて一段下がっていない点は気になる(写真=中央)。スペースバーの長さは約65ミリだ。QuickPlayの起動や音量調節、無線LANの音/オフボタンなどは、静電容量式のタッチセンサとなっている(写真=右)

タッチパッドにはアルプス製の多機能ドライバが導入済みだ(写真=左)。マルチメディアランチャのQuickPlay(写真=中央)。付属の赤外線リモコンを使えば、PCから離れたところでも操作が可能だ。2基のメモリスロットやHDDベイには底面から簡単にアクセスできる(写真=右)。ACアダプタのサイズは126(幅)×50(奥行き)×30(幅)ミリで、重量はケーブル込みで約500グラムあった

ベンチマークテストで高い性能を実証

評価機のWindowsエクスペリエンスインデックスの画面

 それでは、ベンチマークテストの結果を見ていこう。評価機は、CPUがCore 2 Duo T8100(2.1GHz)、GPUがGeForce 8400M GS、メモリが2Gバイト、HDDが120Gバイト(2.5インチ/5400rpm)というスペックである。グラフィックスのGeForce 8400M GSはNVIDIAのGPUとしてはローエンドだが、Intel GM965 Expressなどのチップセット内蔵グラフィックスよりは高性能であり、PCMark05 1.2.0のGraphicsや総合スコア(PCMarks)にそれが表れている。

 DirectX 8.1世代のゲームをベースとしているFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のスコアもなかなか優秀で、このレベルのゲームであれば快適にプレイできるだろう。しかし、DirectX 9.0c対応ベンチマークテストである3DMark06 1.2.0のスコアを見ると、DirectX 9以降に対応した本格的なゲームタイトルのプレイは荷が重い。

 静粛性は優秀な部類に入る。ボディ左側面に大きな放熱口があるが、Webブラウズやワープロなどの負荷が軽い作業ではファンの風切り音は気にならない。ベンチマークテストなどでシステムに高い負荷をかけてもそれほど目立った騒音は発生せず、耳障りには感じなかった。発熱面は、底面奥側の冷却ファン付近を中心に熱くなり、PCMark05 1.2.0実行直後に放射温度計で測定した最高温度は51.5度(48〜49度が大部分)、手前側は40度前後であった。キーボードに熱が伝わることはないが、HDDに負荷をかけ続けると左パームレスト部分にやや気になる発熱が感じられ、PCMark05 1.2.0実行直後で43度だった。なお、いずれも室温は25度の環境で測定している。

 標準6セリバッテリーの容量は55ワットアワーだ。駆動時間については、「HP推奨」の電源設定において無線LAN経由でWebページを巡回しながらテキストエディタでときどき文字入力を行ったところ、2時間ほど続けた時点でバッテリーメーターは残り30%前後を示していた。このペースで使っていくとバッテリー切れまで3時間弱といったところで、負荷を考えれば、公称の約3.5時間という数値も妥当だろう。

左からPCMark05、3DMark06(1280×800ドット)、FFベンチのテスト結果

リーズナブルな価格は大いに魅力的

 ZEN-Design grid、VM Finishによるクールなデザインや先進的な端子類の構成からは製品開発に対する強い意欲を感じるし、45ナノメートル世代のCore 2 DuoとGeForce 8400M GSによる優秀なパフォーマンスも魅力的だ。前述したようにキーボードのレイアウトやパームレスト面の反射の強さなど気になる部分もあるが、全体的には持ち運びできるノートPCとしてかなり魅力的な仕上がりになっている。さらに、HP Directplusでの直販価格は、最小構成で10万9200円、メモリを2Gバイトに増量した評価機の構成でも11万4450円と非常にリーズナブルで、随時キャンペーンも展開中だ。デザインやパフォーマンスを考えると相当な割安感があり、購入を検討する価値が十分にある製品といえるだろう。

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