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“解像度不問”の高速読み取りを実現――「ScanSnap S1500」を試すナンバーは3倍、速度は8倍!?(2/4 ページ)

» 2009年03月11日 15時00分 公開
[瓜生聖,ITmedia]

コミックに威力を発揮? 新設のグレーモード

 コミックの電子データ化のためにScanSnapを購入した人も少なくないだろう。実際、大手通販サイトでは本をページごとにばらすための手動式裁断機とScanSnapをあわせて買うユーザーが多い。ところがコミックの電子データ化はクオリティを求めるとかなりノウハウが必要な作業でもある。コミックは基本的にモノクロで描かれており、濃淡はスクリーントーンで表現する。階調のないモノクロ印刷で多階調表現を実現するスクリーントーンを低解像度で読み込むときにはモアレが発生しやすい。

 このスクリーントーンのモアレを回避する根本的な方法は1200dpi以上の高解像度でスキャンすることだが、補正手段としてレタッチソフトを用いる方法もある。まず、ガウスぼかしをかけてモアレを除去(ぼかす)し、そのあとにシャープネス処理を行っていったんぼやけてしまった画像を再度くっきりさせるというものだ。だが、業務で行うならともかく、個人で1ページ毎に確認、補正を行うのはちょっと面倒だ。

 ScanSnap Managerの読み取りモードのオプション設定には「文字をくっきりします」という項目があるが、これは実際にはシャープネス処理のことだ。半面、「ぼかし」という設定項目は(当然ながら?)ない。「文字をくっきりします」にチェックを入れることで線画もコントラスト比の高い、メリハリの利いた映像になるのだが、前段としてぼかし処理を入れていない場合はモアレは悪化する傾向にある。特に白黒モードではひどい場合だとスクリーントーンの大部分が消えてしまうことすらある。

 そのため、モノクロ原稿であっても多階調で読み込むためにカラーモードを使用していたユーザーが多かったのではないだろうか。そのうえで個人の感覚差は当然あるものの、処理速度が遅く、A4サイズ1ページあたり2メガバイト以上になってしまうエクセレントモードを避け、印刷画質を求めるならスーパーファイン、ディスプレイ上で楽しむだけならファイン、というあたりが妥当なところだ。だが、カラーモードでは紙そのものの色を拾ってしまったり、水色や黄色といった偽色が現れたりするという欠点もある。

カラーモードとグレーモードでJPEG形式で保存した場合のプロパティの違い。ビットの深さが24から8になっている

 S1500で新設されたグレーモードはこのカラーモードの欠点を解決している。カラーモードではRGB各8ビット、計24ビット(約1677万色)だが、グレーモードは8ビット(256階調)で出力される。明度情報しか持たないため、偽色が出ることはない。また、紙そのものの色も比較的出にくくなるようだ。ただし、カラーに比べてグレーでは3分の1のファイルサイズになるかというとそんなことはなく、せいぜい5〜10%程度軽量になるくらいのようだ。また、前述したエクセレントモードの高速化により、エクセレントで白黒モードというのも有効な選択肢になってきた。エクセレントモードでA4サイズの原稿を使ってテストした結果、カラーで2.8メガバイト、グレーで2.6メガバイトであるのに対し、白黒だと800キロバイトまで小さくなる。印刷した際の再現性も良いので、検討する価値はありそうだ。

原稿サンプルはゲーマガ(ソフトバンク クリエイティブ)で連載中の「ケータイ小女子ヘブン」。スーパーファインカラーモードで読み取ると、右下部分にうっすらと黄色い偽色が現れた(画面=左)。スーパーファイン白黒モードで読み取り。エッジは立っているが、反面、モアレが現れやすい。線を滑らかに表示させるには多階調のものより高い解像度にする必要がある(画面=中央)。スーパーファイングレーモードで読み取り。バランスのとれた良好な結果(画面=右)

カラーモードで読み込み、同じ部分を拡大したもの。本来等間隔の網点であるスクリーントーンが周期的にサイズが大小するようなパターンで現れている(画面=左)。同じくグレーモード。カラーモードに比べて網点の均一性が高いのが分かる(画面=右)

エクセレント、白黒、文字くっきり有効、PDF。ファイルサイズは576キロバイト。右側のスクリーントーンが破綻している(画面=左)。エクセレント、白黒、文字くっきり無効、PDF。ファイルサイズは881キロバイト。今度は左側に注目。黒点がふくれてかなり濃い色になっている(画面=中央)。「白黒読み取りの濃度」を標準から-4に変更。元原稿に近い濃度になった(画面=右)

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