PCMark05 | Cドライブ(SSD) | Dドライブ(HDD) |
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PCMark | 1372 | 1188 |
CPU | 1466 | 1465 |
Memory | 2269 | 2270 |
Graphics | 257 | 258 |
HDD | 8415 | 4201 |
PCMark05 HDD | Cドライブ(SSD) | Dドライブ(HDD) |
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XP Startup | 19.486 | 7.035 |
Application Loading | 22.125 | 6.005 |
General Usage | 15.094 | 4.615 |
Virus Scan | 62.805 | 60.148 |
File Write | 42.499 | 45.917 |
CrystaDiskMark 2.2(リード テスト回数:5 テストサイズ:100Mバイト) | Cドライブ(SSD) | Dドライブ(HDD) |
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Sequential Read | 72.356 | 67.858 |
Sequential Write | 21.428 | 58.555 |
Random Read 512KB | 71.296 | 34.498 |
Random Write 512KB | 15.368 | 29.621 |
Random Read 4KB | 9.319 | 0.587 |
Random Write 4KB | 0.368 | 1.939 |
Windows XPの起動と終了時間 | 5回測定平均(秒) |
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起動(ようこそ画面まで) | 24.75 |
起動(タスクトレイ表示まで) | 33.95 |
休止状態への移行 | 15.54 |
休止状態からの復帰 | 20.06 |
スタンバイへ移行 | 3.46 |
スタンバイからの復帰 | 4.41 |
シャットダウン | 13.47 |
U115 HybridはWind Netbook Uシリーズで唯一のAtom Z+US15W搭載モデルとなる。そのため、ほかのUシリーズとの性能差が気になるところだ。そのあたりの検証のために、いくつかのベンチマークテストを実行してみた。
「PCMark05」のCPUスコアは、Atom Z530搭載ノートPCとして標準的な値といえる。注目したいのが、「HDD」の結果だ。テストでは、対象のドライブをSSDのCドライブとHDDのDドライブのそれぞれで測定したが、OSをインストールしているSSDが、HDDの2倍程度の結果を示した。PCMark05 HDDテストに含まれる個別テストの結果も同様だが、特に「Application Loading」テストでSSDとHDDにおける速度の違いが確認できた。
ディスク速度を調べる「CrystalDiskMark 2.2」(ひよひよ氏作)も測定してみたが、「Random Read」でSSDがHDDを大きく上回る一方で、「Sequential Read」や「Random Write」といった書き込み関連テストではHDDが高速であった。もっとも、U115 Hybridでは、CドライブにアサインされたSSDはOS領域として運用されるので、大容量データの書き込みはそれほど行われない。そのようなファイルはDドライブ(HDD)に格納していくことになるので、CrystalDiskMark 2.2で示された傾向は、U115 Hybridでほとんど問題にならないと考えていい。
また、Windowsの各種動作にかかる時間も計測してみた。Windowsの起動についてはSSDを利用しているだけあって高速だ。
なお、グラフィックスの性能を検証するために「FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3」(FFBench3)を試してみたが、Lowで531、Highで345と結果は低い値にとどまった。Atom ZシリーズとUS15Wを搭載するノートPCでこれまでも言われてきたことだが、やはり、U115 Hybridでも3Dゲームをプレイするのは現実的でない。
MSIは、U115 Hybridの大きな特徴として、バッテリーが非常に長持ちする点を強く訴求している。U115 Hybridは、SSDとHDDを搭載するが、長時間駆動させたいユーザーのために、一時的にHDDの電源をオフにできる「ECOonモード」を用意している。この機能を有効にすると、メーカー公称値で約14.1時間の連続駆動が可能となる。
ECOonモードにおけるバッテリー駆動時間を「BBench 1.01」(海人氏作)を使って検証してみた。なお、測定は通常モードとECOonモードで行っているが、通常モードでは、HDDの電源をオンにしたまま、液晶ディスプレイの輝度を最大に、音量は最大値の半分にしている。ECOonモードでは、HDDの電源がオフになるが、それとともに、液晶ディスプレイの輝度を最大値の3分の1に設定した。なお、Bluetoothと無線LANはどちらのモードでも有効にしている。また、BBenchでは、10秒おきにキーボード押下、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11g)によるインターネット巡回(10サイト)を行う設定にした。
バッテリー駆動時間(BBench) | |
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通常時 | 6時間37分32秒 |
ECOonモード時 | 12時間21分15秒 |
ベンチマークの結果を見ると、通常時でも6時間37分32秒、ECOonモード時は12時間を超えるなど、長時間のバッテリー駆動が可能であることが確認できた。測定条件で、Bluetoothをオフにしたり液晶ディスプレイの輝度をもっと抑えれば、公称値の14.1時間に近い駆動時間が得られるだろう。なお、HDDをオフにしている間は、そこに保存されているデータを参照できないが、例えば、出先でWebページを閲覧したり、SSDにおいたテキストファイルを編集するといった用途であれば、Cドライブだけでも運用は可能だ。
U115 Hybridの重量は約1.32キロと、Netbookとしては平均的で、常時持ち歩くことも十分可能だ。ACアダプタも実測で約95(幅)×40(奥行き)×28(高さ)ミリと小さい。重量はACアダプタと電源コードを合わせて約350グラムになる。ただ、ACアダプタから電源につなぐコードが太いのが気になる。太いだけに束ねるとかさばるのが難点だ。U115 Hybridがコンパクトなマシンなので、一緒に持ち歩く機会のあるACコードにも考慮してほしかったところだ。
ここまで見てきたとおり、U115 Hybridは軽量コンパクトなボディにSSDとHDDを搭載して、それぞれの特性をうまく利用することで、さほど速いとはいえないCPUパワーをカバーしている。ただ、それ以上に、HDDをオフにすることで10時間以上のバッテリー駆動が可能なことにも注目したい。
ACアダプタを持ち歩かなくてもバッテリー駆動時間に不安がない軽量小型PCが必要なユーザーにとって、U115 Hybridは、性能に対する要求が厳しくなければ、ベストに近い選択肢となるはずだ。
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