写真はVAIOコンテンツ解析マネージャーの確認画面で、基本的にはユーザーが見る必要はない。VAIOの初回起動時にコンテンツ解析の有無と、解析を行なうフォルダを指定すれば、コンテンツが指定フォルダに追加される度にバックグラウンドで解析が実行されるMedia Galleryの機能を実現するため、VAIO Lではソニーの独自技術である「推薦技術」が駆使されている。
といっても、推薦技術そのものは初お目見えというわけではなく、先に挙げたビデオ自動編集ソフトの「VAIO Movie Story」では以前から使われていたものだし、テレビ視聴・録画ソフトの「Giga Pocket Digital」にも実装済みだ。また、12音解析の結果を活用する簡単な音楽プレーヤー「VAIO MusicBox」も用意されていた。
しかし、Media Galleryのように、統合型でしかも推薦技術をフル活用する再生ソフトはこれまで存在せず、せっかくの技術がうまく生かしきれていなかった面もある。その点、Media Galleryはコンテンツ推薦技術を同一のインタフェースで存分に堪能できる統合プレーヤーソフトに仕上がっている。
なお、コンテンツ推薦技術の概念的な話はソニーのWebサイトで紹介されている。VAIOだけでなく、さまざまな機器での利用を念頭に置いた、同社の重要技術の1つであることが分かる。
さて、VAIO Lでのコンテンツ推薦の具体的な処理の流れを見ると、ユーザーが指定したフォルダに既存のコンテンツを格納すると、音楽は「12音解析」と呼ばれる技術によって曲調やサビの部分などが検出される。一方、静止画や動画は、撮影日や撮影時間帯によってイベントが検出されるだけでなく、コンテンツに登場する人の顔の数や位置、笑顔の程度などが解析され、コンテンツの「中心」や「重要度」を判断する材料にされる。
これらの解析によって生成されたメタデータと、音楽ならばアーティスト名や発売年、ジャケットの画像といった外部データベースを基に、再生を行なう時間帯やユーザーの再生履歴といった情報が組み合わされて、ユーザーの好みを学習したり、この時間帯に観賞したいであろうと思われるコンテンツを選び出し、優先的に提示するといったことが可能になるわけだ。
以上、VAIO Lの概要とスペック、Media Galleryの使い勝手を中心にお届けした。レビューの後編では、コンテンツ解析技術が駆使されたもう1つのアプリケーション「Giga Pocket Digital」を中心に、そのほかの付属ソフトや、タッチパネルの操作感、パフォーマンス、静音性などをチェックし、VAIO Lの実力を総合的に判断したい。
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