ベンチマークテストの結果を見てみよう。Windows 7標準の性能評価機能であるWindowsエクスペリエンスインデックスの結果は、プロセッサが7.4、メモリが7.6と優秀だ。グラフィックスでも5.1と十分なスコアを出しており、Windows 7を快適に利用できることはもちろん、システム全体としてバランスのとれたハイレベルの基本性能を持っていることが分かる。
PCMark Vantage、PCMark05といった総合的な性能を見るテストでもSandy Bridgeシステムならではの優秀なスコアをマークした。3D描画関連のテストについては少し微妙なところで、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3のような描画負荷の軽いタイトルであれば快適にプレイできるが、描画負荷が高い最近の3Dゲームではとりあえず動くという程度だろう。CINEBENCH R11.5のCGレンダリングのスコアも掲載したが、クアッドコアのSandy Bridgeを搭載しているだけに、一世代前のデスクトップPC並みのスコアをマークしている。
室温20度、環境騒音32デシベルの室内にて、画面から前方30センチの距離で動作時の騒音レベルを測定した。
アイドル時や低負荷時では、36デシベルとそう気にならない騒音レベルだが、高負荷時には47デシベルとかなり大きくなった。また、長時間利用していると、負荷の状態にかかわらず、数秒だけ47デシベル前後の大きい音がすることがある点は少し気になった。
スグつくTVとGigaPocket Digitalの連携によるテレビ機能は非常に充実しており、家庭用テレビのレスポンスのよさと、PCならではの多彩な録画機能、管理のしやすさを見事に両立している。
液晶の画質や内蔵スピーカーの音質もよく、家庭用ゲーム機の外付け24型フルHDディスプレイとしても使える入力端子も備えている。Sandy Bridgeシステムを搭載していることで、PCとしての性能も高い。PCとテレビ/エンターテインメントを1台で楽しめるパーソナルマシンとして申し分ない仕上がりだ。
タッチパネルも独自のフレームタッチ機能によってグッと使いやすくなっており、キーボードとマウスでの操作になじめない人でも操作しやすいだろう。その点では、洗練されたデザインと合わせて、リビングに置いてファミリーで使うPCとしても適している。
液晶一体型PCは、1台で家庭用テレビとBlu-ray Disc/HDDレコーダー、PCと3役を兼ねる機能を持つが、その機能は千差万別で、特にテレビ機能のレスポンス、画質や音質、あるいは入力端子などの部分まで配慮された製品は少ない。
液晶一体型PCでは家庭用テレビを完全に兼ねることはできないと思っている人もいるかもしれないが、この新型VAIO L(VPCL219FJ/W)はそういう考えを持っている人も納得させるだけの完成度だ。真に1台3役が務まる数少ない選択肢といえる。22万円前後という実売価格は決して安くはないが、それに見合うだけの価値は十分にある製品だ。
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