テレビでは、東芝とパナソニックが“高画質”をアピールしているのに対し、中国の海信やハイアールはAndroidを導入してゲームも楽しめる薄型大画面テレビを訴求する。海信は、映画やドラマなどのメインコンテンツを動画配信WebサービスからダウンロードできるVODに依存するほか、チャットソフト「QQ」や「Angry Birds」「Plants vs Zombies」など中国でも人気のゲームがテレビで動き、周辺機器を追加することでWiiやKinectのように体感ゲームも楽しめることをアピールする。高画質を訴求する日本メーカーのテレビ展示ブースが閑散とする一方で、海信やハイアールのブースはゲームや動画で盛り上がっているあたりに、中国の(技術にそれほど興味を持たない)一般的なユーザーがテレビに何を求めているのかが垣間見える。


Kinectっぽくゲームが楽しめるハイアールのテレビ(写真=中央)。そんなハイアールもデザインを重視した「Casate」ブランドをそろえている(写真=中央)。海信もテレビとゲームの組み合わせで来場者を取り込んでいる(写真=右)デジタルガジェットの普及や世帯収入が最先端を行く上海や北京で地下鉄に乗ると、スマートフォンユーザーをごく当たり前のように見かけるが、その多くはゲーム“だけ”を楽しんでいる。中国において、新登場のデジタルガジェットの評価は「いかに多くのゲームが遊べるか?」が最重要項目であったりするので、ユーザーに新しいデジタルガジェットを紹介するSINOCESでも、ゲームで遊べることをアピールするのが最も重要、かつ、効果的なデモンストレーションとなるようだ。
SINOCESで大人気だったAndroid導入テレビだが、近い将来中国で普及するかというと、それはなかなか難しいという意見も多い。中国のIT系ポータルサイトに寄せられた反応でも高画質を望むユーザーが意外と多く、そういう彼らには、シャープ、ソニー、Samsungに人気が集まっている(ちなみに、そのSamsungはSINOCESに参加していない。ついでにいうと同じ韓国メーカーのLGも参加していない)。
中国の次世代テレビは、「Android導入でゲームや動画、そして、ダウンロードをテレビでも」、または、「国外メーカーの高画質テレビ」と分化していくことを示唆するような、SINOCESの盛り上がりとポータルサイトの反応といえるだろう。
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