タイ洪水によるHDDの価格上昇と供給不足は長期化と深刻化が続いている。先週は、2TバイトHDDが1万5000円近くまで高騰し、1万円超えする1Tバイトモデルも多数みられた。しかし、モノ自体がほとんど出回っていないため、「どうせ買えない、またはいまは買わない、製品という認識が広がっているので、値上がりのインパクトに慣れた人は、もう1〜2Tバイト辺りの価格自体あまり気にしていない感じですね」(クレバリー1号店)と、早くも“いち風景”として溶け込んでいる感も出ている様子だ。
先週末時点で入手しやすいHDDは、フェイス秋葉原本店によると「比較的在庫があるのは500Gバイト以下のモデルと……意外に3Tバイトモデルが残っています。2万円近くになっていますし、フォーマットの関係で手を出しづらいこともあり、少し敬遠されているのかもしれませんね」という。
一方で、2.5インチHDDとの在庫差が目立ってきたと語るショップも複数あった。某ショップは「2.5インチHDDは工場が別の場所にある場合が多いようです。それでも品薄傾向ですが、近々に数100Gバイトや数1Tバイトの容量を確保したいなら、現実的な選択になると思います」と話していた。
ちなみに、SSDやBD-Rドライブなどへの代替需要は、まだほとんど起きていないようだ。パソコンハウス東映は「個人用途だと、HDDを早く買わないとマズいみたいな状況はそうそうないでしょう。SSDと比べると容量単価が違いますし、『高くて買いづらいなら、また今度でいいや』という人が多いと思います。我々としたら、SSDやBD-Rドライブに興味を持ってもらう方向がありがたいですけどね」と語る。
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