一方、NVIDIA 社長 兼 CEOのジェンスン・ファン氏も「今後、タブレットデバイスは、さらにコンピューティング性能を高め、PCが担ってきた生産的な用途にも活用されるようになるだろう」と述べ、動画編集やオフィスアプリもタブレットデバイスで利用できるようになると見ている。
ただ、ファン氏は「ARM版Windows 8が登場しても、オフィスアプリなどが整うのには時間がかかる」とも考えていて、画像や動画を取り込んだプレゼン資料の作成といった用途や、大規模な物理演算が必要な科学技術処理など、高度なコンピューティング処理には、クラウドベースのアプリサービスや、「Splashtop Remote Desktop」などのリモートデスクトップソフトを介して、AndroidやARM版Windows 8端末から、一般的なWindowsやMac、Linuxで動作するアプリケーションを利用できる環境が重要になると見ている。
タブレットデバイスやスマートフォンの利便性を高めるためには、より高性能なPCとの連係が不可欠になるというのがファン氏の考えだ。
このように、PCベンダーやアプリケーションベンダーは、Ultrabookとタブレットデバイスを、新しい“パーソナル・コンピューティング・デバイス”として普及させることで、新しいユーザー層を発掘し、これまでとは異なるマーケットを創出しようとしているが、その戦略は、全体で統一された大きな流れというものではなく、それぞれのベンダーごとに異なっていて、バラバラに動いている状態だ。
ただ、この新しいコンピューティングデバイス市場の確立において、Windows 8が大きな影響を与えることは明らかだ。その一方で、「ユーザーの振り向かせるためには、より快適なユーザー体験こそがすべてだ」(ファン氏)という考えは、どのベンダーでも共通している。その意味では、Windows 8の登場で、UltrabookとARMベースのタブレットデバイスや薄型クラムシェルデバイスの操作性やユーザー体験に垣根がなくなったとき、ユーザーがどちらのデバイスに流れるのかによって、新しいデバイスの“収束”の方向が左右されることになりそうだ。
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