これまで、Intelの新世代CPUは9月のIDFで概要を公開して、1月のCESに合わせて正式に発表、次の四半期中に新製品を出荷するというサイクルが多かった。しかし、Ivy Bridgeの市場投入が遅れたのを受けて、Haswellにおける最初の製品投入も2013半ばになる見通しで、2013 CESのタイミングは「何も発表するものがない」時期になってしまった。
だが、Intelでは、タブレットデバイス、ディズプレイを着脱可能なディタッチャブル(Detouchable)PC、ディスプレイを裏返してノートPCでもタブレットでも利用できるコンバーチブルノートPCなどを主なターゲットとしたIvy Bridgeの省電力モデルにおいて、2012年9月のIDFでは「TDP 10ワット」を目標としていたが、最終的に「TDP 7ワット」まで引き下げることを発表している。
その一方で、“Ivy Bridge”世代のCPUを搭載した新製品も登場している。米Intel PCクライアント部門ジェネラルマネージャー 兼 バイスプレジデントのカーク・スカウゲン氏は、2013 CESの説明会でLenovoのIdeaPad Yoga 11Sを取り上げて、コンパクトなボディと省電力性能を訴求している。IdeaPad Yoga 11Sは、Intelが2013 CESに合わせて発表した“Ivy Bridge”世代の省電力タイプCPU「Y」シリーズを搭載する。スカウゲン氏は、NECのLaVie Xも紹介しているが、こちらは15型ワイドという米国で人気の高い大型ディスプレイを採用しながら、本体の厚さは12.8ミリを実現している。
第4世代Coreプロセッサー・ファミリーとなる予定の「Haswell」は、6月のCOMPUTEX TAIPEI 2013の時期に正式な発表を行い、そのタイミングで関連製品が登場することになるが、現時点で公開している情報は非常に限られている。スカウゲン氏は、Haswellを搭載したUltrabookでは、13時間のバッテリー駆動時間を実現するので、ユーザーはUltrabookをほぼ1日使うことが可能になる点を取り上げて、高い処理性能と長時間のバッテリー駆動を両立した上でユーザーの利便性をさらに高めるとしている。スカウゲン氏は、Haswellを搭載するサンプルとして、ディタッチャブル型のリファレンスタブレットデバイスも紹介した。
スカウゲン氏は、Ultrabookの今後についても言及しているが、「最初の世代のUltrabookを発表したとき、市場での目標価格は999ドルで、その後、699〜999ドルの範囲で製品を販売していた。現在ではタッチパネルを搭載しないモデルで実売価格が599ドルという製品も登場している。今後はこの価格帯でもタッチパネルを搭載するようになる」と述べて、Ultrabookでもタブレットデバイスとして利用できるように、タッチパネルを積極的に搭載する必要があるという考えを示した。
デスクトップPCでも、液晶一体型PCでタッチパネルの搭載の動きが加速している。IntelもAIOに注力する意向で、広い視野角の確保や10点同時タッチ認識に加え、テーブルのようにディスプレイを水平に倒せる製品が複数登場したこともあり、家族や友人など複数のユーザーが同時に画面をみて操作可能な提案を行っている。Intelは、利用場面として家族がPC版のモノポリーで遊んだり、スマートフォンを組み合わせてカードゲームで遊んだりするシーンを紹介しているが、これから登場するアプリ次第で新たなAIOの利用方法が期待できるだろう。
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