起動もCPUも超速になった「dynabook R732/W5」という新しい相棒を得て、一気に快適になった我が業務シーン。持ち歩けるデスクトップマシンとも言えるほぼ全部入り仕様の本機は、場所を問わずにどこでも仕事をするノマドなワークスタイルには、まさにベストマッチなマシンである。
ところでこの「ノマドワーク」。最近、メディアでもたびたび取り上げられるなど、新しいワークスタイルとして注目されてきているが、注意しなければならないことがある。そう、セキュリティだ。
LTEやWiMAXなど、高速なモバイル通信環境がかなり整ってきており、また最近は電源も使える喫茶店なども増えており、外出時でも、いつでもどこでも仕事がしやすくなった。
だが裏を返せば、その分PCから重要な情報が漏えいするリスクも増える。例えば喫茶店ではふと横や後ろからのぞき見されたりもするだろうし、何よりPCの置き忘れや盗難でデータを抜き出されてしまうのが怖い。
そんなリスクを少しでも減らすにはどうすればいいのか。まずは自分でできるPCのセキュリティ対策をできる限り行うことである。今回は改めて「dynabook R732/W5」のセキュリティ機能をチェックする。
まずは、基本中の基本であるパスワードロック。R732/W5は、通常のWindowsログオンパスワードに加えて、「東芝パスワードユーティリティ」を使いてPC起動時にもパスワードを設定できる。こちらはいわゆるBIOSロックと呼ばれていた、起動時ロック機能である。
さらに起動時パスワード設定とともに、ストレージアクセスそのものにも暗号化によるロックをかけられる。ストレージを取り外し、別のPCでデータ盗難を試みようとしても読み出せない──というものだ。PC起動時、Windows起動時、ストレージアクセスと、3重のロックを施せる。
これらに加え「指紋認証センサー」も標準で搭載する。指紋認証センサーと「東芝フィンガープリントユーティリティ」と呼ぶツールにより、
の認証や入力を自分の指紋で容易に管理できる。
特に前述したPC起動時の3重ロックは、こちらに含む「シングルサインオン機能」で1回の指紋認証だけでPC起動時パスワード、HDDパスワード、Windowsログオンパスワードをまとめて認証できるのがすごく便利だ。

「東芝パスワードユーティリティ」ではスーパーバイザーとユーザーの2つのパスワード設定が可能。スーパーバイザーのパスワードを登録すると、UEFIセットアップを行う際にパスワードが必要になる(画像=左) ユーザーパスワード設定時に「同時にHDDユーザパスワードに同じ文字列を登録する」というチェックを入れると、内蔵ストレージそのものにパスワードがかかる。万一取り外されても別のPCでは内容にはアクセスできない仕組みだ(画像=右)
起動時ロックを設定すると、PC起動時にパスワードの入力が求められる。認証しないとそもそもPCを起動できない。UEFI/BIOSパスワードロックはほとんどのPCに備わっているが、dynabook R732はこれを本体の指紋センサーでも認証できるのが便利である
WebサイトのID、パスワードの入力を指紋認証に代替できる。指紋を登録後、この設定にチェックを入れてブラウザから該当サイトにアクセスし、IDとパスワードを登録してログインする際に指をなぞると、指紋での認証が可能になるこのほか、ID認証が必要なWebサイトのログイン作業も指紋センサーを活用できる。通販サイトや会員サイトなど以外に、ビジネスシーンでは社内サーバにアクセスしたり、進行中のプロジェクトでプレビューサイト(開発中サイト)でID/パスワード認証を必要とする例は多々ある。
こちら、IDやパスワードはそれぞれ異なる文字列だろうから覚えるのは難しいが、そうといって付箋紙に書いて張っておいたり、ブラウザに記憶させるのはビジネスシーンにおいてはセキュリティレベルを大きく下げる危険な行為だ。そんなサイトごとのID/パスワード文字列も、東芝パスワードユーティリティで指紋とともに管理できるわけである。
もちろんセキュリティ対策にパーフェクトはないが、セキュリティは多段にかけておくのは基本。でもその作業が面倒では、逆にそこが深い落とし穴になる。
使い勝手を大きく損ねず、ビジネスシーンでも通用するセキュリティ性を維持できるモバイルノートPC、実は意外と少ない。昨今、薄さや軽さを追求するためか、指紋センサーやセキュリティチップ(TPM)などは省かれる傾向にあるためだ。その点、R732/W5はそこをしっかり押さえたモデルである。この点だけでも、他とは違う「ビジネスシーンでしっかり使える軽量モバイルノートPC」と評価できるのだ。
(続く)
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