ソニーによるXperia Tablet Z Wi-Fi(SGP312JP/B)の公称バッテリー充電時間は約6.5時間だ。Xperia Tablet Sの約5.5時間に比べて、1時間長くなっている(Nexus 10は非公開)。
Xperia Tablet Sは専用のマルチポートで充電を行う仕様だったが、Xperia Tablet Zでは標準的なMHL対応のMicro USBポート(Micro A)で行う仕様に変更された。防水・防塵性能を保つため、Micro USBポートは細くて小さなカバーで覆われており、充電時はこのカバーを外す必要がある。左側面には、専用の充電端子も搭載し、クレードル(卓上ホルダ)に載せて充電する場合はこちらの端子が使われる。
クレードルは、ドコモモデル(SO-03E)では標準添付、Wi-Fiモデル(SGP312JP/B・W)では別売だ。ドコモが販売している高速タイプの充電器を使うと、10分ほどクレードルのほうが早く充電できるという。
Xperia Tablet Z Wi-Fi(SGP312JP/B)に付属するACアダプタは、USBケーブルを着脱できる仕様なので、USBケーブルはほかの充電器やPCと接続して使うこともできる。ACアダプタは、実測でのサイズが39(幅)×53(奥行き)×20(高さ)ミリ(プラグを含めた奥行きは69ミリ)、重量が62グラム(本体が38グラム、USBケーブルが24グラム)と小型軽量で、本体と一緒に携帯しても苦にならない。Xperia Tablet SのACアダプタも十分コンパクトだったが、さらに小型軽量になった。
ACアダプタの出力仕様は5ボルト/1.5アンペアとなっており、給電能力が強化されているUSBポートを備えたPCであれば、電源がついたままでもバスパワーによる充電が行える。通常のUSBポート(USB 2.0で0.5アンペア、USB 3.0で0.9アンペア)の場合、電源オフや画面オフ(スタンバイ)の状態ならば普通に充電が可能だ。


左からXperia Tablet Z(Wi-Fi)、Xperia Tablet S、Nexus 10のACアダプタ。Xperia Tablet Z(Wi-Fi)とNexus 10はMicro USBでの充電に対応、Xperia Tablet Sは専用端子のマルチポートを利用する。Xperia Tablet Z(Wi-Fi)のACアダプタが最も小型軽量だ| 今回テストしたAndroidタブレットのACアダプタ(サイズ/重量の実測値) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 製品名 | Xperia Tablet Z Wi-Fi (SGP312JP/B) | Xperia Tablet S (SGPT123JP/S) | Nexus 10 (16Gバイトモデル) | |
| メーカー | ソニー | ソニー | Google (Samsung Electronics製) | |
| 本体サイズ(プラグ抜き) | 39(幅)×53(奥行き)×20(高さ)ミリ | 36(幅)×70(奥行き)× 32(高さ)ミリ | 29(幅)×50(奥行き)× 43(高さ)ミリ | |
| 本体サイズ(プラグ込み) | 39(幅)×69(奥行き)×20(高さ)ミリ | 36(幅)×70(奥行き)× 49(高さ)ミリ | 29(幅)×67(奥行き)× 43(高さ)ミリ | |
| 本体重量 | 38グラム | 50グラム | 55グラム | |
| ケーブル重量 | 24グラム | 26グラム | 33グラム | |
| 総重量 | 62グラム | 76グラム | 89グラム | |
また、Xperia Tablet ZのMicro USBポートは本体の充電に限らず、DC 5ボルト/500ミリアンペア以下のUSB充電対応機器への給電機能も持つ。
特にXperia Tablet Z用のエレコム製Micro USBケーブル(TB-MAMBZ03BK)を別途用意すれば、Xperia Tablet Zで「Xperia」シリーズのスマートフォンを充電することも可能だ。現時点でXperia Z SO-02E、Xperia A SO-04E、Xperia AX SO-01E、Xperia SX SO-05D、Xperia GX SO-04D、Xperia acro HD SO-03Dの各スマートフォンへ充電が行える。
エレコムによれば、Xperia Tablet Zが満充電の場合、Xperia Z(2330ミリアンペアアワー)を1回以上は満充電にできる見込みという。Xperiaブランドでタブレットとスマートフォンをそろえることで、スマートフォンの予備バッテリーとしてタブレットを活用できるのは便利だ。
Xperia Tablet ZのWi-Fiモデル(SGP312JP/B)は、独自の「スタミナ(STAMINA)モード」も用意している(ドコモモデルは非搭載)。これはスタンバイ時にアプリの動作を抑え、通信機能もオフにすることで、待機時間を大幅に延ばす機能だ。スタンバイ中でも実行する必要があるアプリは、手動で登録しておける。「電池残量が〜%を下回ったとき」に実行するという条件付けも可能だ。
ただし、スタミナモードはバッテリーによる待機時間を延ばす機能であり、駆動時間は延びない。そこで、バッテリー残量が少ないときに、一部の機能を無効にして節電し、駆動時間を延ばす「低バッテリーモード」も備えている。無効にできる機能は、無線LAN、GPS、Bluetooth、自動同期となっており、それぞれ個別に設定できる仕様だ。画面の明るさ、スリープまでの時間、「電池残量が〜%を下回ったとき」に低バッテリーモードをオンにするという設定にも対応している。
従来機に比べてスタミナ面では勝っていないXperia Tablet Zだが、状況に応じてバックライト輝度を抑えたり、これらの省電力機能を使ったりと工夫すれば、かなり過酷なモバイルシーンを除いて、必要十分なバッテリー駆動時間を確保できるだろう。
・→Xperia Tablet Z マニアックス(4):液晶はライバル機より高画質か?――「Xperia Tablet Z」
←・Xperia Tablet Z マニアックス(2):密閉された極薄ボディは熱くならないのか?――「Xperia Tablet Z」

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