いよいよ手になじんできた感のあるレノボ・ジャパンの変形Ultrabook「IdeaPad Yoga 11S」である。一応メインマシンに据えているThinkPad T430sと比べても“お、これ1台でも意外に大丈夫だな”と実感できることも増えてきた。
それはストレージアクセス速度の速さにともなう操作性のよさ。Yoga 11Sは128GバイトのSSDを実装する。これまで容量の多さを主軸とするためHDD搭載機を使い続けてきたのが、PC操作における体感値がまったく違うことに今さらながら……痛感した。
Windows 8のエクスペリエンスインデックスとストレージのベンチマークソフト「CrystalDiskMark」で値を確かめても、ストレージ系のパフォーマンスには大きな差が付く。
もちろんSSDで得られるパフォーマンスは知っている。ただ、業務都合+趣味都合で、PCには写真や動画、その他資料を数百Gバイト単位ですべてローカル保存。望まれればすぐ取り出せるよう体制を整えておくポリシーをサッと捨てるのはいろいろリスクがある。もちろん大容量なSSDを導入するにはオカネが足りない。
ということで、容量とパフォーマンス、いずれもスポイルすることなくどうにかするにはどうするかを考えてみる。
クラウドストレージとして使用する「Dropbox」の同期フォルダは想定外に早く埋まり、すでに無料で使える分を大幅に超えた20Gバイト超に達している(基本は2Gバイトまで無料/1人紹介ごとに500Mバイトボーナスで最大18Gバイトまで、有料のプロプランは100Gバイトまで9.99USドル/月・99USドル/年 2013年8月現在)。必要データは母艦のT430sからすべては移してはおらず、直近1カ月の業務で必要なデータを移しただけだが、すでに内蔵SSDの3/5ほどが埋まっている。おそらく数カ月後には足りなくなる計算だ。
ローカル(一部はクラウド)に残したままノートPCの保存容量を拡張する手段として、ごく普通にポータブルHDDを導入することが思い浮かぶ。それ以外にはメモリカードを差しっぱなしにする方法もある。Yoga 11SのメモリカードスロットはSDHC対応で最大32GバイトのSDメモリーカード(標準サイズ)を使用可能。着脱が容易なSDメモリーカードは人にデータを手渡しする際に便利で、USBメモリ代わりに使っても意外と使い勝手がいい。
ま、普通は持ち運び時の重量増をあまり心配せず、テラバイトクラスの容量増が望めるポータブルHDDを導入する手段が手軽だ。まったくフツーで、ひねりのない手段の紹介で大変恐縮である。
筆者は中でも軽量志向なモデル、シリコンパワー「Diamond D05」(容量1Tバイト)を使用している。USB 3.0接続対応で、本体サイズは75.8(幅)×124.8(奥行き)×16.6(厚さ)ミリ、重量は182グラム。Yoga 11Sの1360グラム込みで合計実重量は約1542グラムのため、本体だけで2キロ越えのT430s(サブバッテリー込み)よりまだ軽量である。
また、Diamond D05はファイルの暗号化(パスワードロック)、任意フォルダのスケジュールバックアップ、同社製USBメモリ(別売)を鍵に見立てたPCロック機能といったセキュリティ系機能/運用利便性を高める機能が使える専用ソフトウェア「SP Widget」も利用できる。今回はポータブルHDDに業務データ含む重要ファイルを退避し、別で保管する目的のため、こういった特典もある製品だとあまり苦労なく一定のセキュリティ対策を施せるのが喜ばしい。
ThinkPadユーザーのな筆者が、IdeaPad Yoga 11Sをサブ機として導入し、2カ月ほど。実はここまで「なじむ」とは思っていなかったが、おおむねの作業はこれ1台で済ませられるほどの実力を持ち、さらに変形スタイル+タッチパネルを用いた新しい業務での使い方の価値も見いだすことができた。これからも、IdeaPad Yoga 11Sは筆者の右腕として活躍してくれそうだ。
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