10.1型サイズのため、スマートフォンや7/8型クラスのタブレットの感覚で手にすると少々大柄で重い印象は受ける。ただ、シンプル/ソリッドなデザインはビジネスシーンにもしっかり導入できるであろう上質さがあるうえ、10.1型で防水+防じん仕様+9.5ミリ厚+実重量588グラムとなれば上々だ。サイズ感としては富士通の防水10.1型Windowsタブレット「ARROWS Tab Wi-Fi QH55」(264.4×169.4×9.9ミリ、重量約574グラム)といい勝負だが、表示解像度は圧倒的に違う。
なお、横位置で立てて使える充電クレードルが標準で付属すること、さらに有線LANやHDMI出力(標準サイズ)、USB 2.0(Standard-A)×3を追加できる「拡張クレードル TA-CR02」をオプションに用意することで、“ノートPC的”に使うシーン=業務利用シーンもしっかり想定した製品に仕立ててあることが伺える。
標準クレードルであれば、ACアダプタの接続をクレードルに任せ、別途Bluetooth接続のキーボード、マウスの類いを用意すればいわゆる普通のノートPCスタイルになる。拡張クレードルは、HDMI出力+外部ディスプレイ、USB接続でキーボード+マウス+外付け光学ドライブや外付けHDDなどを接続すれば、デスクトップPC代わりにもなってしまう。
この拡張性の高さはよくあるタブレット以上と感じられ、クレードル経由の外部ディスプレイへはクローン表示はもちろん、デスクトップ拡張表示も行えるので、オフィスではより作業効率が高められるデュアルディスプレイでの運用も可能だ。

「拡張クレードル(TA-CR02)」も用意する。充電/給電はもちろん、有線LAN(100BASE-T)、HDMI出力(標準サイズ)、USB 2.0×3(Standard-A 背面×2、右側面×1)が備わる
右側面にUSB 2.0×1がある。本体のUSB端子は3.0だが、拡張クレードル経由では拡張インタフェースの帯域幅の都合か、残念ながらUSB 2.0での接続となる。また、拡張クレードルのHDMI出力は最大1920×1080ドットまでの対応となる本機の特に大きな魅力は、やはりこのサイズで2560×1600ドットの超高精細ディスプレイを採用することだろう。拡大率は「特大-200%」が標準設定だが、試しに「小-100%」切り替えるとシビれるほど細かい表示になる。高解像度写真を表示すれば、画面に近づいてじっと見てもドット感がまったく分からないほどなめらかで美しい表示である。


左から、拡大率200%(標準設定/特大)、拡大率100%(小)。拡大率 小の設定では、文字列を視認できなくなるほど表示が細かくなる。解像度がかなり異なるであろうセカンドディスプレイ使用時は“すべてのディスプレイで同じ拡大率を使用する”のではなく、「テキストサイズのみを変更する」で個別に使いやすいよう設定するとよい(画面=右)さて、本機は拡張クレードルとキーボード/マウスや外部ディスプレイを併用するノートPCスタイルで運用しやすい特長を持ってはいる。ただ、Windows、特にデスクトップUIの操作において、タブレットスタイル+タッチ操作のみではどうしても使いにくい部分がある。
この点を工夫したのが専用キーで呼び出せる「QUICKメニュー」だ。右側面のQuickボタンを押すと、右4分の1ほどのサイズでワンタッチ操作メニューが出現する。
ここには、動作モードや文字サイズの切り替え、無線通信/画面自動回転など機能のオン/オフ、Ctrl+C/Ctrl-Vのコピペやカーソルキー、新規フォルダ作成など、タッチのみだと操作しにくいWindowsの各種操作をカバーするメニューがワンタッチボタンあるいはUIとしてあらかじめ登録してある。自身でよく使うキーボードショートカットを登録するカスタマイズもかなり自在に行える。
さらに、Windows標準のソフトウェアキーボードに加え、握ったままテンキー+フリック入力(QWERTYキーボードモードにも変更可能)できるようUIを工夫した独自のソフトウェアキーボードも利用できる。かなりよく工夫されているQUICKメニューをうまく活用すれば、キーボード/マウス操作に対するタブレットモード+タッチ操作でのいくつかの弱点はある程度カバーできそうだ。


本体のQUICKボタンにより、タブレットモード時に便利な独自のワンタッチボタンメニューが表れる。まずはデスク/ホーム/モバイル/エコモバイルなど……使う場所に応じて適切な動作モード/状態に切り替えられるクイックメニュー(画像=左) 10.1型サイズのタブレットでも、立ったまま文字を入力しやすい工夫を凝らしたソフトウェアキーボード(画像=中央、右)(続く)
実力テストは、実動テスト可能な評価機を入手次第、追って実施する予定です。
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