このように、Microsoftとしては「強要していない」というスタンスだが、同社の推奨設定に従っていると、ほぼ確実にWindows 10へのアップグレードへと誘導される。かなり強引なWindows 10への巻き取り策だと言える。
「現時点であえてWindows 7/8.1を使っている」というユーザーは「今のタイミングでWindows 10に移行する意図がない」という姿勢が明確だ。Windows 10への無料アップグレード期間は、2016年7月28日まである。筆者の考えでは、こうしたユーザーは「自動インストール」を外して、「通知のみ」を行う設定でしばらく使い続けるしかない。その場合、必要なアップデートの手動更新を忘れないよう注意が求められる。
一方で、このアップグレード予約の仕組みを知らずに旧OSを使い続けているユーザーも少なくはないだろう。そうした場合にはWindows 10への無料アップグレードの契機になる。ただし、アップグレード後に予期せぬトラブルが発生する可能性もあり、Microsoftやその周囲のハードウェア/ソフトウェアベンダーは、継続的なアフターケアが必要だ。
そのWindows 10だが、米Microsoftは11月5日(現地時間)にWindows Insider Program参加者のFast Ring設定ユーザーへ、Windows 10 Insider Previewの新ビルド「Build 10586」を公開した。主にバグフィックスと一般的な改善が行われたビルドであり、今秋に公開されるというWindows 10初の大型アップデート「TH2(Threshold 2)」の候補版に相当する。近日中に一般ユーザー向けにもWindows updateでTH2の配信が始まるだろう。
過去の連載で報じたように、TH2そのもので強化される機能や、見た目の大きな変化はないが、Microsoftが掲げる「Windows as a Service」という逐次アップデートのコンセプトを体現する初の試みとして注目したい。
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