Trustech 2016の講演でマカルビー氏はもう1つ、「NFC対応スマートカードを使ったWindowsサインイン」について紹介している。
当初、Windows Helloでは対応可能な認証デバイスの種類が限定されていたが、2016年夏に提供が開始されたWindows 10の大型アップデート「Anniversary Update」以降では順次サポートが拡大されており、以前に比べても気軽に利用可能になっている。
Microsoftはパスワードの代わりになる認証として、FIDO Allianceに加盟して生体認証やその他のセキュリティデバイスを使った認証方式を推進する立場にあり、自らが率先して対応を進めている段階だ。
例えば、企業では社員証カードにICチップを搭載し、オフィスへの入退室を行うためのセキュリティキー的な役割を担わせていることが多いが、これをそのままWindowsの認証に利用したいというニーズは当然ある。
この手のセキュリティゲート向けソリューションでは、最大手の1社としてHID Globalが知られているが、同社が提供する非接触通信(NFC)対応の「HID Seosカード」を使ったWindowsサインインを可能にするアプリが提供される。
使い方は簡単だ。NFCスマートカードを使った認証を行いたいアカウントでサインインした状態でHIDアプリを起動し、登録したいカードをNFCリーダー経由で読み込ませる。カードの登録に成功すると、以後はロックスクリーン上でNFCリーダーにカードをかざすよう指示が出るので、登録したカードをかざすと当該アカウントでサインインできるといった流れだ。
もちろん、PC本体にNFCリーダーが内蔵されていなくても、外付けのNFCカードリーダー経由での認証も可能なので心配ない。企業向けにはWindows Helloの生体認証よりも、こちらの仕組みの方が相性もよく、管理コスト面でも有利ではないかと思われる。
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