KDDI、マルチキャリア化によりEV-DO Rev.Aを高速化――LTE導入までの競争力を確保

» 2009年04月23日 19時05分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 KDDI代表取締役社長兼会長の小野寺正氏は4月23日、同日行われた2009年3月期決算会見において、LTE(Long Term Evolution)導入を前にEV-DO Rev.Aをマルチキャリア化することで、現行ネットワークを高速化することを明らかにした。

 KDDIは2012年のLTE導入を計画しているが、競合のNTTドコモが2010年秋のLTE商用サービス開始を目指しているほか、ソフトバンクモバイルやイー・モバイルも2012年前後のLTE導入を前に、HSDPA/HSUPAを高速化したHSPA+(HSPA Evolution)と呼ばれる通信技術を採用するとみられている。

photo 次世代通信規格へのロードマップ

 KDDIはこうしたLTE導入までの競争環境を踏まえ、現在提供している下り最大3.1MbpsのEV-DO Rev.A方式をアップデートして、「次世代通信規格が始まるまでの競争力を確保する」(小野寺氏)考えだ。

 またLTEの導入時期については、KDDIが望む帯域幅10MHzの800MHz帯が、2012年の周波数再編まで空かないため、前倒しできない。再編以前でも帯域幅5MHzの周波数を使うことができるが、小野寺氏は「5MHz幅で始めてあとからスピードを上げるくらいなら、初めから5MHz幅で行いたい」と導入の前倒しがないことを示した。

 マルチキャリア化はパケットを複数の変調波(マルチキャリア)に乗せて伝送するもので、EV-DO Rev.Aの上位規格「EV-DO Rev.B」の技術を応用したもの。なお、KDDIはLTE採用とともにEV-DO Rev.Bの導入計画を解消している。

 EV-DO Rev.Aのマルチキャリア化は基地局設備のソフトウェアアップデートで済むが、端末については対応機種の登場が待たれる。小野寺氏は「投入時期やどれくらい高速化するかは検討中だが、マルチキャリア化への移行は低コストで済むうえ、周波数の利用効率も向上する。(マルチキャリア対応の端末は)現行方式やLTEとの互換性も持たせるため、ユーザーはスムーズな移行が行えるだろう」と説明した。

 なお、KDDIが利用する2GHz帯と800MHz帯(新800MHz帯)のどちらかあるいは両方ともマルチキャリア化するのかは未定だという。

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