タスク管理は大変重要なことですが、そもそもタスクリストに入れるべきなのか、はたまたそのタスクはやるべきなのか、自問自答するようにしたいものです。今回は筆者が活用している“自問自答リスト”をご紹介しましょう。
今回は、筆者も使っている「タスクを処理する前のチェックリスト」を紹介しましょう。タスク管理は大変重要なことですが、そもそもタスクリストに入れるべきなのか、はたまたそのタスクはやるべきなのか、自問自答するようにしたいものです。
わたしは、ToDoリストにタスクを入れる時に自分に5つの質問をして、結果「No」となったものは見直すことにしています。その5つの質問とは、次の通りです。
5つの質問 | |
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チェック1 | 自分にとっての価値を実現するためのタスクか? |
チェック2 | どこまでやれば完了か、期限と目標レベルは具体的か? |
チェック3 | 今日完了できる大きさか? 途中で飽きないか? |
チェック4 | 一度きりのタスクか? 今後、再発がないと言えるか? |
チェック5 | 自分にしかできないタスクか? |
1つずつ、説明していきましょう。
これはタスクの目的に関する一番重要な問いかけです。どんなに簡単な仕事であっても、この問いかけにNoであれば本来やるべきではありません。逆にYesであれば、どんなにささいな業務であっても必ずやり遂げなければなりません。
重要なのは、時間そのものではなく、何の価値実現のために、どんな行動を行うか、です。常に、間接的、直接的、あるいは短期に、長期に、そのタスクが自分の求める価値につながっているかどうかをチェックしたいものです。
あいまいなタスクを管理リストに入れてはいけません。なるべく具体的に、完了すべき数量と期限を明記すべきです。
「競合調査を行う」といった表現はなるべく避け、「5社以上の競合との比較表を作成」「競合とバッティングした営業マン5人以上にヒアリングを行う」「競合A社とB社の営業資料を取り寄せる」など、なるべく具体的に記入しておけば、タスクの作業開始時に迷うこともありません。設計図のない家は建たない、これを肝に銘じましょう。
誰でも同じことを長時間行うと飽きるし、ダレます。ですから長すぎるタスクは必ず細分化が必要です。90分以上の業務は効率がひどく低下します。特に筆者の場合、同じ作業をやっていると飽きてしまうので、集中力を落とさないよう約15分単位の繰り返しで仕事をしています。
同じタスクも2〜3回であれば、ゼロから始めても所要時間が変わらないと信じている人がいます。しかし、それは大きな間違い。次回のタスクのためにほんの少しの時間を費やすことが思いもよらない大きな時間短縮につながります。書類を次回使えるようにテンプレート化して残す、ヌケ・モレ防止のためのチェックリストを作るなどの「仕事の型づくり」が有効です。
これは他力本願でいいということではなく、全体の生産性を上げるために、他人の力を巻き込むことを意味します。1人の力はたかが知れています。単独の力よりも組織力を使ったほうが最終的な成果は大きくなります。
しかし、他人に仕事をふるのが苦手な人には、器用な人が多いものです。なまじデキるものだから自分で仕事を抱えこんでしまう人は、オーバーワークになりがち。「自分ができるからやる」のではなく、「自分がそれに要する時間をほかのことに使ったほうが全体として成果が大きくなるのではないか?」という全体最適の俯瞰的な見方が必要です。
いかがでしょうか? 本当に価値あることの実現のため、行動と時間を有効活用する、これが時短仕事術の本質。みなさんも作業に取り掛かる前に、自問自答してみてください。
本連載は、6月26日発売の書籍『結果を出して定時に帰る時短仕事術』(ソフトバンククリエイティブ刊)から抜粋・再編集したものです。
残業ゼロで成果を倍増する仕事効率化術――。と言っても、単に効率化だけではダメ。人生の価値マネジメントから始めるタスク管理としくみ作りを実践しましょう。「ワークライフバランス」と言っても単に時間バランスだけとっても意味はありません。
ビジネスパーソンは、顧客の要望を上回る成果を出しながらも、自分の時間をしっかり確保して、プライベートの充実と自分の付加価値を高めるための将来に向けた事故投資を両立する必要があります。
本書は、しっかり結果を出しながらも、将来の自分価値を高めるための「時短仕事術」を紹介しています。人生の価値感管理から日常生活のタスク管理まで、生産性戦争に打ち勝つためのテクニック満載です。
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
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