第5回ではキャリアメールの基本、第6回ではその活用編について解説した。今回はケータイユーザーだった人がスマホへの乗り換え時につまずきやすい「デコメ」と、迷惑メールの対策方法について紹介しよう。なお、本記事ではAndroidについてはドコモは「spモードメール」アプリ、auは最新の「Eメール」アプリ、ソフトバンクは「SoftBankメール」アプリ、iPhoneについては「メッセージ」アプリ(MMS)と「メール」アプリで検証している。
Androidではケータイメールと同じように、デコメをスムーズに使える。この装飾メールは、ドコモでは「デコメール」、auでは「デコレーションメール」。ソフトバンクでは「デコレメール」と呼ばれている。
ドコモのspモードアプリの場合、新規メールの作成時に入力欄の下に「デコメ」というボタンが用意されており、これをタップすれば本文内にデコメ素材を挿入できる。デコメはジャンル別に分類されており、ジャンルを選択すると素材が表示される。あとは本文内に挿入したい素材をタップするだけだ。au、ソフトバンクのAndroidも使い方はほぼ同じ。
さらに、auの「速デコ」機能、ソフトバンクの「楽デコ」機能では、テキスト文章を入力するだけでワンタッチでデコメが作成できる。デコメを1から作成するのが面倒な人にオススメしたい機能だ。ただし、いずれもそれらに対応したアプリを新たにダウンロードする必要がある。
ドコモの場合はワンタッチで装飾する機能はないものの、「デコメ絵文字/ピクチャpop」という機能があり、三角形マークのついたデコメを挿入すると、画面いっぱいにデコメが広がるなど表現の幅が広がる。
よく女性の友人から「iPhoneってデコメが使えないんでしょ?」という質問を受けるが、これには「イエス」とも「ノー」とも答えられる。なぜなら、ケータイメールのようにデコメの送受信の両方をメッセージアプリではできないため。さらに、au版とソフトバンク版でも若干の違いがあるので、ここでは個別に解説しよう。
デコメの受信に関していえば、ソフトバンク版のiPhoneの場合、「〜@softbank.ne.jp」のメールアドレス、つまりMMSを用いてデコメを通常どおりに受信することはできない。もし、デコメが送られてきた場合はテキストと画像がバラバラに表示される。ただし、「〜@i.softbank.jp」のアドレスにデコメが送られてきた場合は、ケータイと同じようにテキストとデコメ素材がきちんと組み合わされた状態で閲覧できる。
au版の場合も同じで、メッセージアプリを用いるテキストと画像が別々に表示される現象が起こるが、メールアプリを用いればきちんとデコメが閲覧できる。
同キャリアのケータイからの乗り換えの場合、ソフトバンクは「@i.softbank.jp」のアドレスを友達に教える必要があるが、auはケータイから引き継いだ「@ezweb.ne.jp」のアドレスのままで受信できるので、スムーズに移行できるだろう。
一方で、両キャリアとも「メッセージ」「メール」アプリのいずれからもデコメを送信することはできない。デコメの送受信に対応したアプリをApp Storeからダウンロードして利用する必要がある。デコメに対応したメーラーアプリとして「デコメーラー」(無料)や「PAGMail」(無料)などは人気があるようで、無料ながら素材の種類が豊富なのがその理由だろう。個人的には、受信したデコメの素材もダウンロードして利用できる「デコメーラー」は、インタフェースもシンプルで使いやすいと感じた。
これらのアプリはコンテンツ内課金で新たな素材をダウンロードすることもできるので、いろんなデコメ素材が欲しい人は購入してみよう。
ケータイでデコメを頻繁に使っていた人にとって、それらのデコメをスマホにしたから使えなくなるというのは非常に困る事態だろう。しかし、Androidの場合はSDカード内に保存されたデコメ素材を使用できるので、ケータイに保存している素材をSDカードに移せばOKだ。
ただし、それらの素材は利用できるものの、キャリアによって使用方法が異なる。auのAndroidの場合は「microSD」タブが用意されており、そこからSDカード内のデコメ素材を呼び出して挿入できる。また、ドコモの場合も「デコメ」タブの「ダウンロードしたデコメ」を選択すると、SDカード内の素材を参照できる。しかし、ソフトバンクではそのような選択項目はなく、「装飾」→「挿入」→「画像」という形で挿入しなければならない。デコメ素材だけを瞬時に呼び出せるauのEメールアプリがこの点では一番使いやすいといえる。
iPhoneの場合は、デコメの素材をケータイから引き継ぐことは残念ながらできない。「デコメ」が日本独自の文化だということを考慮すると、Androidのほうが柔軟に対応しているといえるだろう。
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